クルーゼ「『オペレーション・スピットブレイク』発動だ。頭を潰したほうが戦いは早く終わるのでね」
概要
C.E.71年に行われた第1次連合・プラント大戦において、プラントが実施した大規模な軍事作戦の一つ。
ザフトは、地球連合の保有するマスドライバー施設を次々と制圧しながら地球を一周するような形での作戦行動を実施しており、一連の作戦として「オペレーション・ウロボロス」の名称が与えられていた。
この最終段階として,戦争そのものに終止符を打つべく、プラント最高評議会が立案したものがこの「オペレーション・スピットブレイク」である。
既に、地球連合が有するマスドライバー施設はパナマ基地のみとなっており、ここを制圧されることは事実上連合側にとっては宇宙へと進出する手段を断たれることであり地球へと封じ込められてしまうことを意味していた。
また、宇宙と地球を分断されることで各個撃破の危険性が高まるものであった。
このため、連合としては何としてもパナマ基地を死守するしかなく、保有する戦力のほとんどを振り分けている状況だった(編成されたばかりのモビルスーツ部隊もパナマ基地へと配備されていた)。
作戦の顛末
C.E.71年5月5日、プラント最高評議会よりオペレーション・スピットブレイクの発動が命令されると、ザフトのほとんどの兵士は耳を疑うこととなった。
攻撃目標が、本来目標としていたパナマ基地ではなく、地球連合軍の最高司令部が存在するアラスカ基地「ジョシュア(JOSH-A)」だと伝えられたからだ。
この攻撃目標の変更は、パトリック・ザラ最高評議会議長ら一部の評議委員によって独断で変更されたもので、シーゲル・クライン元議長を始めとした多くの評議委員にとっても寝耳に水の事態であった。
実際,パナマ基地への連合の戦力増強は著しいものがあり、逆説的に言えばジョシュアの戦力は乏しい状況であり,いわば無防備に近いものであった。
このため、ジョシュアを攻めることで、連合の中枢部に大打撃を与えることを目的とした作戦内容の変更は(事後承諾ではあるが)承認されたのである。
しかし……この作戦に関わる情報はラウ・ル・クルーゼから(ムルタ・アズラエルを介して)大西洋連邦に漏れていた。
大西洋連邦は表向きはパナマ基地の防衛のための戦力増強という体裁を取りながらも,実際には捨て駒にする部隊のみをジョシュアに残し、自らの兵力の温存を図ったのである。
ウィリアム・サザーランド大佐を始めとしたブルーコスモスに連なる連合上層部は、早くからジョシュアを離脱しており、ジョシュア地下にはかつて月面のエンデュミオン・クレーターの戦いで使用された「サイクロプス」が仕掛けられていた。
無論、組織的抵抗がなければザフト側もその戦闘行為に疑問を持っただろうが、大西洋連邦は友軍であるはずのユーラシア連邦の部隊などを捨て駒にし,彼らにジョシュアの守りを行わせることで、連合の抵抗が十分行われているかのように見せかけたのだ。
また、アークエンジェルなどの大西洋連邦にとって味方でありながらも煙たい部隊も配置され,完全に「使い捨て」が前提の部隊だった。
このため、組織的抵抗によってある程度苦戦したザフト部隊は、ジョシュア中枢部を目指し,脇目を振らず邁進することとなった。
離脱した面々によりサイクロプスが起動されたのは、こうしたタイミングであった。
起動したサイクロプスは、ジョシュアに残る友軍ごとザフト部隊の大半を葬り去ったのだ。
この戦闘によって、連合・ザフト双方とも甚大な被害を受けるが、途中から戦闘に介入したフリーダムガンダムのパイロット、キラ・ヤマトの警告によりアークエンジェルおよび一部ザフト兵の離脱は成功している。
だが、連合側の多くは味方のサイクロプスにより殺された形になり、大西洋連邦とユーラシア連邦の軋轢は一層激しいものとなった(同時に、ユーラシア連邦は主力となる部隊が失われたため、発言権が低下することとなり、情報をもたらしたブルーコスモスの発言権が強くなっていくこととなる)。
また、この戦力喪失により、ザフトは地上で戦線を維持することが難しくなり、地球軍によるプラント本国攻撃にそなえ宇宙戦力の増強に力を入れることになる。
なお、本作戦におけるジョシュア消失は、連合側によってザフトの新型兵器による虐殺としてプロパガンダに用いられることとなった。