特殊作戦群
とくしゅさくせんぐん
曖昧さ回避
※また、似たような名称には特殊作戦軍(SOCOM)もあるが、そちらはアメリカ陸軍、海軍、空軍、海兵隊の特殊作戦部隊を統合指揮している統合軍である。
タグとして
Pixivでは、文字通り特殊部隊に絡むイラスト、特に日本の特殊作戦群に絡むイラストにタグとして付加される。
部隊概説
平成16年に習志野駐屯地内に創設された通称“S部隊”、“S”、“SFGp”、“特戦群”、“特戦”とも呼称される陸上総隊直隷特殊部隊。
米陸軍のグリーンベレー、デルタフォースを範として編成された特殊部隊であり、現時点でも高度な機密管理体制に置かれている。
陸自部内に置いてはS部隊などと呼称されている事が多い。
総戦力は推定で300人程度。かつては第1空挺団出身者を中心に構成されていたというが、現在では空挺団以外にもあらゆる職種の陸自隊員から入隊志願者を募集している。
構成部隊
- 群本部
- 本部管理中隊
- 第1中隊
- 第2中隊
- 第3中隊
- 第4中隊
- 特殊作戦教育隊
装備・訓練
前述のとおり高度な機密管理体制のおかげで、部隊の構成はおろか使用されている装備に関しても不明点は多い。
しかしながら、M4カービンやEOTech 553 HWSなどの装備が報じられるなど、特殊部隊として一般的な装備は保有しているものと思われる。また、近年ではH&K社製HK416及びMP7、FN社製SCARなど様々な外国製火器が陸自に納品されているが、これらは調達向け部隊が不明なことから、同群に配備されたのではないか、という疑惑がある。HK416に関しては後述のオーストラリア陸軍との合同訓練で装備が確認された。
また、ウィルソンコンバット社製ショットガンが配備されているともされる(レミントン社製M870ベースのカスタムと目される)。
2022年の演習「令和4年降下訓練始め」では、特戦群がUH-60JA多用途ヘリコプターからM134ミニガンを撃ったという目撃情報がある(というか写真を撮られてる→画像)。しかしヘリからの射撃なので、ミニガンは特戦群の空中支援を担当する第102飛行隊の装備品とも言われる。
訓練に於いては、人質を取った敵への発砲を想定して、味方隊員を的のすぐ脇に立たせた状態で、拳銃を移動しながら発砲するなど、自衛隊の一般部隊では考えられないような訓練を行っている。また、基幹となる要員を定期的に米軍などに送っていたとみられ、訓練を実施したと思われる米国フォートブラッグの地元紙でも日本の軍人が空挺降下したことについての記載が見られたと言われる。その他にも自費で渡米し、アメリカのタクティカル・シューティング・インストラクターの指導を受けている隊員もいる。
ドイツ連邦軍特殊部隊KSK(特殊戦団)の設立の際には、人員を派遣していたとも言われている。
実戦
実戦には出動していないとみられる。しかし平成18年11月27日、自衛隊イラク復興支援群の編成を担任した22個部隊等に対して、陸上幕僚長から第2級賞状又は第3級賞状が授与されたが、特殊作戦群にも第2級賞状が授与され、イラクに於いて明確に活動していたことが明らかになった。
公表されてはいないものの、現地治安に関する情報収集や危険地域での警備及び要人警護、対テロの観点からの意見具申、一般隊員に対する教育訓練等の任務に従事したと思われる(例えば、ある駐屯地にラーメン屋の出前を装って侵入し、爆弾と想定した発煙筒を仕掛けるなど)。
2021年に起きたアフガニスタンでの政変、2023年に起きたスーダンでの戦闘にも、在外邦人救出に際して偵察・警護に派遣されていた、という話もある。
服装
市街戦用戦闘服なる戦闘服が存在していると言われており、機動隊の出動服に近い服装が隊旗授与の際に披露された。また、紫色のベレー帽が正式化されているという。式典などに隊員が出席する際は、バラクラバを身に着けて素顔が判別できないようにしている。
後述する「関連動画」などのメディア露出では、GPNVG-18四眼暗視ゴーグルや米国製FASTヘルメットの装備が確認されている。
関連動画
令和6年1月から2月に実施された、米陸軍特殊作戦コマンドとの実動訓練の公式映像。自衛隊や防衛省が自ら特戦群の動画や情報を公開するケースは少ない。
オーストラリア国防省公式サイトで公開された、オーストラリア陸軍との合同訓練中の特戦群の写真。自衛隊や防衛省よりも、合同訓練の様子を諸外国が公開する形で姿が表に出されるケースの方が多い。
在日米空軍三沢飛行場の公式ウェブサイトにて公開された、日米共同統合演習「キーン・ソード23」での特戦群。