「俺たちがやらねば誰がやる」
(航空支援隊のモットー)
概要
航空支援隊とは、航空自衛隊の空地作戦部隊である。空自の教導部隊全般を統括する航空戦術教導団が直轄し、福岡県築城基地に所在する。
1967年9月、第4航空団飛行群に空地作戦講習教育班として設置され、その後幾多の改変を経て1985年、青森県三沢基地の第3航空団隷下に発足した。2014年以降は現在の航空戦術教導団へと移管され、2021年に福岡県築城基地へと移動している。
本部隊の隊員は「爆撃誘導員」として地上から空自戦闘機の飛行経路や爆弾投下のタイミングなどを指示する任務を担当するほか、陸上自衛隊及び海上自衛隊など味方部隊との協同作戦についての調査研究、陸海空自隊員への空地作戦講習「協同戦術課程」「終末誘導員講習」の教育を行っている。
基本的には空地作戦の研究と講習を担当する部隊なのだが、空自の中でも数少ない地上部隊の一つであり、場合によっては地上の陸自部隊に同行して最前線から爆撃誘導を行う。
余談
この部隊については公開されているメディア情報が少ないが、デジタル庁が運営する行政文書ファイル管理簿の検索(e-Gov文書管理)にて「航空支援隊」と検索すると彼らの様々な行政文書がヒットするほか、2024年には築城基地の航空祭にて初めて一般公開がされている。
だが、かなり特殊性のある部隊故か、それらで公開された情報を参照すると他部隊と比べて異質な部分が多く、主な奇妙な点を挙げると、
- 2014年時点で所属隊員数がわずか9名(参考PDF)。
- 米国製のFASTヘルメットやプレートキャリア等、陸自の一般部隊よりも豪華な個人装備。しかも航空祭での隊員の証言によると全て官品。
- 空自で唯一高機動車を装備(対空誘導弾発射器の高機動車車体を除く)。
- 空自唯一の陸戦教導隊である基地警備教導隊となぜか共同訓練している。
- UH-60J救難ヘリを装備する救難教育隊の協力のもとでリぺリング降下訓練もしている。
- 陸自特殊部隊の特殊作戦群と技術交流している。
また、航空支援隊の訓練写真には、爆撃誘導員が64式小銃で武装して行動する様子が写されているものもあり、諸外国のCCTのような運用も想定されてるのでは……という推測もあるが真相は不明。
主な装備
- 高機動車
- 64式小銃
- 各種個人装備
- FASTヘルメット、プレートキャリア等
- 航空管制用機材
- DAGR(GPS受信器)
- MarkVII(測距装置)
- PRC-6809(無線機)
- HF無線機
- GLTD-III(誘導レーザー照射機器)
関連動画
日米豪共同訓練「コープ・ノース20」の様子。本動画に登場する自衛隊員は航空支援隊の隊員ではないかと言われる(サムネの左二人が該当)。