「運動エネルギーとは砲弾の初速の二乗と質量の積、砲弾が早く重くなればゴムであろうが貫ける!」
概要
世界の均衡を司るという三大勢力の一つ、海軍本部。
その海軍で将官である「准将」に属している。
顔の右半分が黒く塗られ、作り物の蛇を右腕に着けている。
巨漢で、身長はルフィの倍以上(千巻の設定画より)。
TVスペシャル『エピソードオブルフィ』のゲストキャラであるため、原作には登場していない。
プロフィール
能力
ハンドアイランドの職人に作らせた様々な兵器で戦う。
しかし、兵器に頼った戦闘力は半端ではなく、准将とは思えないほど強い。
ひとたび「エリザベート」と呼ばれる兵器に搭乗すれば、六式の「剃」を凌駕する速度と対能力者用の砲弾でギア2のルフィをも追い詰める。
また、「剃」を凌駕する速度のエリザベートに搭乗しつつ同じ剃の速度のルフィを決して見失わない動体視力や、武装色のみならず見聞色の覇気を使うルフィの攻撃をかわしつつ的確に砲撃を命中させ続けるなど、本人の身体能力にもところどころ光るものがある。
性格
大将になろうという野心を持っており、億越えの賞金首を捕えて自らの功績にしようとしている。また大将"黄猿”を尊敬し基地に彼の肖像画をかけている。
「能力なしで大将になってみせる」「能力者だけが強者ではない」などのセリフからもわかるとおり、能力者ではないことにこだわりを持っている。卑劣で傲慢な極悪人であり、海軍の面汚しである。
活躍
登場したのは劇場版第12作目『ONEPIECE FILM Z』公開記念として同映画の公開日に地上波で放送されたアニメスペシャル『ONE PIECE エピソード オブ ルフィ ハンドアイランドの冒険』で、新世界の島ハンドアイランド近隣の海軍基地の指令として登場した。
ハンドアイランドは海賊“白ひげ”ことエドワード・ニューゲートの死による白ひげ海賊団の弱体化で同海賊団のナワバリで無くなってしまった島の1つで、海軍は島の防衛のために基地を設営し、司令としてビリッチを派遣していた。しかしビリッチは、ハンドアイランドの優秀な職人達に「島の守備のため」と偽り基地に巨大砲を設営させると、その大砲を使いハンドアイランドの町に砲撃して島民達を恐喝し、島の支配者となっていた。
島の権力者として好き勝手職人達をこき使い、海軍基地の増強を行っていたビリッチだったが、とうとうその悪行が本部に感づかれ、補給艦の責任者を装わせコビーとヘルメッポが基地に極秘査察でやって来ることになる。また、それと並行して、ひょんな事からやってきた麦わらの一味を自身の出世のため捕らえようと戦いを仕掛け、しまいにはハンドアイランドへの無差別砲撃にまで踏み切った(これにより全島民から怒りを買った)ため、ビリッチの安定した独裁生活は一気に崩れだした。
その結果、裏切ったハンドアイランド出身の海兵・ヘジスにより大砲は暴発させられて基地は半壊、一時はエリザベートやビッグコマールといったメカ兵器を使い一味の船長モンキー・D・ルフィを追い詰めるも「ゴムゴムの象銃乱打」で返り討ちにあいエリザベートを破壊され気絶。
その高圧極まりない態度は配下の海兵たちからも嫌われていたらしく、速攻で見捨てられた挙句に身柄も査察を行っていたコビーとヘルメッポに引き取られてしまい本部に連行されていった。
なおこの時尊敬する黄猿が駆けつけたがそれはあらかじめジエゴに作らせた蝋人形でありビリッチを騙すためにコビー達が用意したものである。偽物とは言え尊敬する黄猿に見捨てられる形になってしまったのは皮肉としか言わざる終えない。
余談
ワンピースにおけるこの手の「海軍の恥」的な悪徳将校(ネズミやネルソン、シェパード、ガバナー等)は序盤に登場したモーガンを除き全くの無能である事が多いが、兵器頼りとはいえ階級に見合う以上の強さも持っており、異色なキャラクターと言える。
ちなみに大将はおろか、本部中将のポジションに属する段階でも高度な覇気の習得が絶対条件であるようで、例え彼がルフィを倒して本部に功績を認められたとしても大将はもちろん中将にすらなれなかったと思われる。