ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

ドリフト

どりふと

「漂流」「流される」などを意味する英単語「Drift」のカナ表記。本項では主に、自動車の運転技法について扱う。

曖昧さ回避

  1. 自動車のドライビングテクニックの1つ。本項で解説
  2. トランスフォーマー』シリーズのキャラクター→ドリフト(トランスフォーマー)
  3. ゲームフォートナイト』のキャラクター→ドリフト(FORTNITE)
  4. ハードウェア機器のコントローラーのカーソルが誤動作する様。→ポテンショメータ

概要

コーナー(=カーブ)を曲がる際、急激な操作を行う事で、わざとタイヤスリップさせながら曲がるというアクロバティック運転技法。

元々は、コーナリング時の減速を抑え再びトップスピードに乗るための助走を短くするために開発された技法で、かつては土屋圭市がこの走り方で富士スピードウェイで格上の車を追い回し、自動車ファンを沸かせた。しかしタイヤの性能の向上した現代では、乾いた舗装路面ではタイヤを滑らせないように走る方が速い。またドリフトはタイヤを傷めやすいので、いかにタイヤの寿命を有効に使いきるかが重要なトッププロレベルでは不利になりやすい。このためF1SuperGTといった舗装路サーキットのレースでドリフト走行が用いられる事はなくなった。

今日のドリフトは「速さ」ではなく「美しさ」を追求するアートと化している。日本のD1グランプリ、アメリカのフォーミュラドリフトに代表されるプロのドリフト競技も行われているが、いずれもレコードタイムやスピードではなくドリフトそのものの見事さを競うものである。

しかし砂利道や雪道といった滑りやすい環境を走るラリー二輪車を含む)やダートトライアル、極端に旋回半径の小さいコーナーを処理する必要があるジムカーナでは、ドリフト走行はまだ速く走るためのテクニックとして残っている。

危うさ・違法性

ドリフト走行はタイヤをわざと滑らせるため姿勢制御が非常に難しく、ひとつミスをしたらすぐさまコントロールを失い大事故になりかねない危険な技でもある。公道でやれば当然ながら危険運転と判断され、罰点と罰金、ひどいときは免許の停止に処されてしまう。そのうえさらに事故でも起こそうものなら、免許取り上げもあり得るのだ。

加えて道路に引かれた白線などの道路標識、舗装路自体にもタイヤ痕など深刻なダメージを与えるため、器物損壊罪になる可能性もある。

やるならサーキットか、ゲームの中でのみお願いします。

駆動方式による違い

最もドリフト走行に向いているとされるのは後輪駆動、その中でも特にFRとされる。FRは重心が車体前方にあるため、前輪のグリップ力が安定しやすく操舵性に優れる一方、エンジンのパワーを伝える後輪のグリップ力が不足しやすく、旋回中に不安定に滑るような挙動を示しやすい欠点がある。しかしその欠点がわざとタイヤを滑らせるドリフト走行ではプラスに働き、「タイヤを滑らせやすく、滑り出した後の制御もしやすい」という理想的な特性に仕上げやすくなっている。

理論上は同じ後輪駆動ならMRRRでも同じことは可能なのだが、重いエンジンを車体後方に搭載する関係上コントロール性で劣り(後輪のグリップ力が安定しやすいため滑らせ始めるのが難しく、滑り出した後は慣性がつきすぎてスピンしやすい)、FRほどは使われない。

FF4WDは、前輪が車体を引っ張る力によって後輪が外向きに滑ろうとする力を抑え込んでしまう点などから、ドリフトには向かないとされている。

特にFFはその構造上、タイヤを滑らせ続けるとどんどんスピードが落ちるので、ドリフトを維持したままコーナーを抜けるのは極めて難しい。…のだが、難しいからこそ挑戦してやろうというドライバーも一定数おり、「Fドリ」というドリフトの一ジャンルを築くまでになっている。

なお、近年の乗用車で装着が義務付けられている横滑り防止装置をオンにした状態ではドリフト走行は不可能である。当然ながら、駆動方式がFRだろうがFFだろうが関係ない。

関連記事

親記事

ドリフトの編集履歴2024/10/08 03:31:39 版