※この記事には作品のネタバレが含まれています!
CV:能登麻美子
概要
機動戦士ガンダムサイドストーリーズのミッシングリンク編に登場する。
元は戦災孤児で、1年戦争時、オーガスタ研究所製の特殊システムHADESの被験体であり、それを搭載するモビルスーツ・ペイルライダーのパイロットでもあった。
漫画版においてはジオン軍のブリティッシュ作戦の被害者である描写が描かれている。
当時の階級は少尉。だが、正規の軍人ではなく、実戦投入の際にトラブルがあると面倒なので上層部の取り計らいで便宜的に階級が与えられていたに過ぎない。
HADESの負荷に耐えるための度重なる薬物投与の結果、重度の記憶障害を引き起こしており、その度合いはペイルライダーに搭乗している事を忘れるまでに進行していた。
(後の強化人間のような処置であったが、彼女自身にニュータイプとしての素養や能力はない)
一年戦争終盤、ア・バオア・クーにおけるマルコシアス隊との交戦の結果、ペイルライダーは鹵獲され、コックピットで怯えているところを隊員のヴィンセント・グライスナーに保護された。
漫画版ではア・バオア・クーにおけるトラヴィス・カークランドの駆るペイルライダー・キャバルリーとの激戦の末に拿捕。
その後は彼女の過去を知らされたヴィンセントに託される形でア・バオア・クー脱出艦隊へと向かった。
元々戦災孤児であったために彼女に拠り所など存在せず、一年戦争後はそのままヴィンセントの監視の下で共に闘いながらその後10年を過ごしていた。そうして過ごしていく中で彼女はヴィンセントを慕い、愛情に似た感情を抱くまでになった。
ヴィンセントもまた、そんな彼女に対し当初は怒りや憎しみ、そして憐れみの情こそ入り混じっていたが、彼女と同様に10年の長い月日の中で彼女への愛情を抱いていったのだった。
葛藤から、戦場で不意に銃口を向けられる事もクロエは把握しており、「ヴィンセントにならば殺されてもいい」と思っている。
そして、HADESの負荷による自身の肉体の限界が近い事も悟っていた。
そして宇宙世紀0090。第二次ネオ・ジオン抗争が起こる直前。
彼女は新生ネオ・ジオンに参加し、グレミー・トト派の残存勢力を排除すべく、トーリスリッターと名を改めたペイルライダーとギラ・ドーガを駆るヴィンセントと共にその作戦に従事していた。
だが、グレミー軍残党の第一波を殲滅した時、彼女の肉体は遂に限界を迎えようとしていた。
更に敵の増援に囲まれ、窮地に陥った彼らのもとに一機の可変MSが近づく。
それはかつて、クロエやヴィンセントが一年戦争時に戦ったスレイヴ・レイス隊隊長の
トラヴィス・カークランドが駆る黒いZⅡだった。
彼はかつての部下の情報提供により、実子であるヴィンセントと非合法な実験の被験体となっていたクロエの行方を追っていたのだった。
トラヴィスの協力もあり、敵の増援を退けた二人だったが、そこにマルコシアス隊のエンブレムを付けた赤いクィン・マンサが現れる。
搭乗者はかつてのヴィンセントの部下であり、ニュータイプであるアンネローゼ・ローゼンハインだった。
だが、彼女は仲間の敵であるペイルライダーと共にいる彼らに殺意を向け、攻撃を掛ける。
トラヴィスはアンネローゼを説得するものの、彼女の頑なな心にはなかなか届かず、ただ激しく心がかき乱されるだけだった。そしてとうとう感情を暴発させたアンネローゼは彼らをまとめて殺そうとするも、クロエの駆るトーリスリッターがそれを阻止。相打ちとなり二機は共に大破する。
だが、脱出ポッドが作動した事で、クロエとアンネローゼはどうにか無事に生き残った。
アンネローゼはこれまでにも薄々、復讐の戦いの無意味さを悟りつつあった。そして、この戦いの果てで復讐の無意味さを真の意味でようやく悟り、ポッドの中で号哭するのであった。
その後、彼ら三人はトラヴィスの下で保護され、戦争とは無縁な環境のもとで穏やかに過ごしたとされる。そしてクロエ自身はペイルライダーが破壊され、HADESの影響を受ける事がなくなったのか心身ともに回復し、その後はヴィンセントの妻となり、彼との間に一子を儲けたのであった。
関連タグ
機動戦士ガンダムサイドストーリーズ ペイルライダー(ガンダム)
エルノラ・サマヤ プロスペラ:中の人繋がり。特殊なシステムにより命に影響を及ぼす機体と強い関係があり、母親というふたつの共通点がある