概要
『ポケモンSV』作中内で語られる人物。
ブルーベリー学園の教務主任であるブライアの祖先で、両者を比較すると髪型にその面影が見て取れる。
今から200年ほど昔の博物学者で、作家としての顔も持っていたとされる。
今でいうところのサイエンスライターであり、ある意味でポケモン博士の先駆けの1人だったと言えるだろう。
当然現在では既に故人であり、その存在についても彼の自著や作中の人物との会話の中で断片的に触れられるのみである。
歴史上初めてパルデアの大穴の最深部到達に成功した「エリアゼロ観測隊」のメンバーの1人でもあり、帰還後に大穴での探検結果を『スカーレットブック』(スカーレット版)/『バイオレットブック』(バイオレット版)という書物に纏めて出版した。
しかし、その内容のあまりの荒唐無稽さ故、世間ではこの本は「世紀の奇書」と揶揄されて正当な評価を得られることはなかった。当時は今ほどポケモンに関する研究が進んでいなかったことも一因だったのかもしれない。
末裔であるブライアが彼の正しさを証明しようと躍起になっていたことから、その後も彼の著書の学術的価値はまったくと言っていいほど認められなかったことが窺える。
ただ、パルデア帝国時代から試みられてきた大穴の踏破に初めて成功した功績についてはわずかながらも称賛する動きもあったらしく、自著の中では観測隊を代表して観測隊のスポンサーであったアカデミーの学長と握手をする写真が収められている。
このことから、観測隊の中でも比較的地位の高い人物であったことが推測され、劇中では言及されていないが、観測隊の隊長は彼だったのではないか?という考えるプレイヤーもいる。
大穴の踏破以外の経歴については明かされておらず、その後彼がどのような人生を送ったかは定かではない。
しかし、眉唾物と揶揄された彼の著書は、200年後の未来において、ある1人の青年と彼の相棒を救うことになった一方で、ある研究者の幼心を魅了し行き過ぎた研究を進めるという事態を引き起こしており、功罪両面で作中世界に大きな影響を残したと言える。
性格等も判明していないが、ある人物はブライアを引き合いに出して「血は争えない」と述べていることから、もしかしたら子孫と同様知的好奇心の強い人物だったのかもしれない(もっとも、件の人物とブライアは直接の面識はないのだが)。
ちなみに、相棒ポケモンはモトトカゲであり、大穴の踏破の際にも同行させていたという。
名前の由来はエリカ属の英名の一つである「ヘザー」であり、彼の子孫であるブライアも同じエリカ属の植物から名前をとっている。
残された謎
彼の記した著書の中には、
- 六角形の多層状の構造を持つ円盤のポケモン
- スケッチ担当の隊員が描いた幻のポケモンの想像図
- スケッチに描かれた現実のゴリラのような生き物の後ろ姿(現在のエリアゼロにはそのようなポケモンはいない)。
- 何者かと会話した際に記したとされる謎のメモ(しかも当人は意識が朦朧としていてこのメモを書いた覚えがないという)
- 謎の記号とパルデア地方の地図らしき模様が描かれた材質不明の謎のプレート
- 洞窟内部に記された謎の地上絵
等、現状では不可解かつ詳細が不明な記録も多く含まれている。
少なくとも、彼が踏破に成功した際に大穴の内部には、主人公たちが目にしたものとは異なった光景が広がっていたことは間違いなく、大穴の謎に関して何らかの重要な情報を握っている人物であることは間違いないだろう。
DLC後編では、六角形の多層状の構造を持つ存在および幻のポケモンの正体に関してはある程度の掘り下げがなされ、謎のメモに関しても、てらす池で起きたイベントの内容から、テラスタル結晶の影響でどこかの時空と一時的に繋がった際に、その先にいた誰かから聞き取った内容を書いたものではないかという推測ができるようになった(話をした相手がどこの誰だったのか、メモの内容が何について書かれたものなのかという疑問は残るが)。
ただ、謎のプレート・謎の地上絵に関してはまったく触れられずにストーリーが終了してしまっている。
加えて、断片的に知ることができるスカーレットブック・バイオレットブックの内容を見るに、かなり壮大でミステリアスな冒険が繰り広げられたであろうことは間違いなく、プレイヤーの間では上記の未回収に終わった伏線の真相解明も併せて、「将来的に『LEGENDSシリーズ』でエリアゼロ観測隊の冒険を取り上げてほしい」という意見も多い。
アニメ
レックウザライジング(第71話)の回想で登場。声は無し。
スカーレットブックの著者でエリアゼロの観測隊。子孫のブライアによるとエリアゼロの最深部まで探索をし、テラパゴスや不思議なポケモンに出会ったとされている。テラパゴスの命名も彼によるもの。