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「神王様の出現は間近にせまっています。

 われわれは神王様をむかえる準備をととのえねばなりません。

 あなたの力も必要です。

 さあ、すべてを教団にゆだねなさい」

演者:森大(ロアーヌが燃える日)

概要

宗教団体〈神王教団〉の伝道者にしてピドナ教長。ピドナの礼拝堂で布教活動やボランティアを行っている。4人の幹部の1人でもある。

団員たちから尊崇の念を集めており、更にはメッサーナ地方の有力者・ルートヴィッヒ(メイン画像左上)をはじめ多くの人々に名前と顔を知られている。浮浪児のゴンにも優しく声を掛けるなど分け隔てなく接する。

まさに神王教団の顔たる人物である。

正体

「神王だと? そんなガキは必要ない。世界はオレ様が支配してやる!」

以上が表の顔で、その正体はかつてアケの子供達を拉致していた海賊・ジャッカルである。

マクシムスとしての活動も教団を隠れ蓑にしているに過ぎず、今も尚悪行を続けており、現在は聖王遺物を収集し世界を支配する力を得ようとしていた。

聖王遺物に対する執着は相当なもので、

  • ルートヴィッヒとクレメンスの戦いの混乱に乗じてピドナの工房から聖王の槍を盗み出す。1年後、行方を突き止めて来た工房の親方(ノーラの父親)を殺害して口封じを行う。遺体は港に捨てられた。
  • 浮浪児のゴンを騙してミューズに夢魔の薬を飲ませ永遠の眠りに就かせる(ゴンに声をかけたのはこのため。夢の世界にある銀の手を欲したのだろう)。

などの悪事を働いている。しかも、裏ではモンスターとも手を組んでいた。

過去には海賊ブラックと戦い、その末に喉を斬られている。

このためミューズを悪夢から救出した後、ハーマン(=海賊ブラック)を連れて礼拝堂に行くと、マクシムスの正体を暴くイベントが発生する(ハーマンがいない時にマクシムスに話し掛けても「いずれ尻尾を掴んでやる」と主人公が独白するだけに終わる。尚、ハーマンの姿がそのままか海賊ブラックかで、マクシムスの発言が変化する)。

このまま神王の塔まで追い掛けるのだが、長丁場になる上に中盤で戦うレッドドラゴンがかなりの強敵である(明らかにマクシムスよりも強い)。

戦闘

「ここまでたどり着くとは。大した奴だ。だが、ここで消えてもらうぞ。オレの邪魔はさせん!」

最初は主人公との一騎討ちだが、ターンが経過するに連れて主人公の仲間達が次々と駆け付ける。

そして、マクシムスも護衛である4人のマクシムスガードが戦列に加わり、5対5の戦いとなる(マクシムスのHPも10000まで回復する)。

それぞれが各地から奪った聖王遺物を所持しており、マクシムスもまた栄光の杖を取り出して本気を出して来る。しかも前列の2人を倒さないとマクシムスに攻撃が届かない。

ただし7ターン以内にマクシムスを倒せば、ガードを登場させずに戦闘を終わらせられる。

また、いずれも状態異常耐性がないため、即死攻撃や魅了などが通用するし、1対1の時にカウンター技を使用しておけば、面白いように大ダメージを与えられる。

見事にマクシムスを倒せば5個の聖王遺物が手に入る。特に七星剣と聖王の槍は強力な固有技を閃くので、ラストバトルまで使える逸品である。

マクシムスを倒した時点で持ち物がいっぱいだった場合は、持ちきれなかった分の聖王遺物が消滅してしまうので、マクシムス戦直前は忘れずにアイテム欄を確認し、空きを5個以上確保するように

「そりゃ手遅れだよ、ティベリウス。

 神王教団もこの塔も、とっくの昔に

 オレ様のものだったんだからなあ――」

ディミルヘイム編4章8話「略奪せし者」のラスボスとして登場。原作を意識したのか最後の戦いではマクシムスガードたちも登場する。原作の戦いで死亡後、混沌世界ディスノミアに亡者として呼ばれ、何者かによってディミルヘイムに放り込まれていた。

このためか肌の色がゾンビのように変色しており、顔付きも不気味になっている。また配下のマクシムスガードも亡者化している(以外にもガードたちは原作よりも人間らしい見た目になっている)。

当初はファティーマの家来を名乗ってフード付きのローブで素顔を隠しハリードやティベリウスを欺いていた。

正体を現した際はハリードに対して「ゲッシア朝を滅ぼした神王教団のオレがお前の忠臣のふりをするってのは、なかなか気の利いた冗談だろ?」と嘲笑して怒りを買っている。

目的は生者として生き返ること。ハリードと仲違い中のファティーマと出会い、彼女が反魂の秘法によって蘇っていることを知る。そこで得意の変装と演技で信頼させ、塔に誘い込んで反魂の秘法を抜き取る外法の儀式で略奪しようとする。

しかし外法を維持するには今後も生贄が必要なため、ジャッカル時代に子供たちを拉致したようにガキどもを用意し続けると語った。

これらのことを聞いたティベリウスは「救いようのない悪党を教団の幹部に取り立ててしまった」とハリードに詫びた。

僧兵(ガード)たちの亡者をけしかけるがハリードとティベリウスが共闘して蹴散らしてしまい「本来なら憎しみ合っているはずの二人がなぜ?」と驚愕。最後の悪足掻きにファティーマを人質に取って時間稼ぎを行い、儀式を完了させようとする。

そこへ新たな登場人物が駆け付けファティーマを奪還されてしまう。驚愕した直後、ハリードの斬撃によって仕留められこの世界から消え去った。

「そうそう、神王教団だ。有難い教えに身も心も捧げた連中の集まりだよ。

 こんなに、悪人に便利な組織があるかい?みんな、このマクシムス様の言葉を信頼して従ってくれるんだ」

まさかのプレイアブル化。イラストはなかなかの悪人顔。主に雷と陰の複合術や冷属性の術などで戦う術士タイプ。

「魔王、聖王の遺物…そのすべてが間もなく、オレのものに…!

 そうなれば世界はオレにひれ伏す!

 いや、オレに従わぬ者は、ブラック同様、魔物のエサにしてやる!

 うひひっ…うひゃひゃひゃひゃっ!!」

敵側の主要人物として頻繁に登場する。神王教団も完全に乗っ取っており、原作を知らなければ神王教団そのものが邪教に見えるほど。奇声を上げたかと思えばいきなり真顔になって冷静になるなど、心が壊れているような演技が特徴。

策士としての面が強調されており、策謀が上手く嵌ったことに悦びを感じる歪んだ思考の持ち主。相手を罠に掛けることが大事であり、チャンスがあったとしてもそこで殺すような真似はせず当初の策謀通りに事を進める。目先の勝利に囚われないと言えば聞こえはいいが、そのためには配下を平気で殺す狂気性を持っている。

海賊ジャッカル時代に女子供を拉致していたことから、海賊ブラックの怒りを買って喉を切られて殺される。しかしフォルネウスの幻影から新たな命を与えられ手先となって復活した。

手始めにフォルネウスの幻影にブラックの船を襲わせ配下たちを皆殺しにさせた。そして捕らえたブラックをフォルネウスの幻影に差し出し、呪いによって左足と生気を喰らわせた。

以後は神王教団に入信し、すぐにティベリウスから気に入られ幹部へと昇格。更に裏ではルートヴィッヒと手を組み、彼を支持しながら聖王遺物を集めていた。ルートヴィッヒには敬語を使うが所々でタメ口が混ざり、本性も隠そうとしていないので「人の皮を被ったバケモノ」と陰口を言われている。

一方でマクシムスもルートヴィッヒが自分の正体に気づきながら利用していることには気付いており「あなたは恐ろしいお人だ」と述べている。

序盤では、逝去する前のアルバート王が教団を弾圧したため一触即発の状態となる(アルバートは神王教団を「狂った啓示を受けた邪教になる」と予見して活動を禁止させようとしていた)。

そこでマクシムスは、自分の幹部就任式という嘘の情報を流してクレメンス軍を油断させ夜襲を掛ける。シャールとその友人ハリードに奮闘されるも指揮官ガリバルディーがクレメンスを捕らえる。続けてルートヴィッヒが突然表れ「国王が喪に伏している時に内乱など大逆である」と言い放ち、クレメンスたちを反逆として捕らえてしまう。

その後、投獄されたクレメンスはマクシムスが盛った毒により死亡。シャールは片腕の筋を斬られミューズと共に旧市街地に追放となった。

このためシャールからクレメンスの真の仇として激しく憎悪されている(何なら先王アルバートを毒殺したのもマクシムスの仕業の可能性がある)。

ゴドウィン男爵によるクーデターが鎮められて間もない頃。

ミカエルに化けてカタリナに近付き、抱き締めて油断させてから聖剣マスカレイドを騙し取る。去り際には堂々と正体を明かし「マクシムス様には変身能力がある。お前の抱き心地はよかったぞ」と言いながら逃げていった。

後にカタリナからマスカレイドを取り返されるが逃走に成功している。

中盤ではこれらの行動が仇となってミカエルに目を付けられ、ハリード、エレン、サラ、詩人による討伐隊を差し向けられる。しかしマクシムスは、神王の塔に替え玉を用意して自身は配下を連れて別行動をしていた(原作におけるミカエルと影のオマージュだろうか)。

ちなみに替え玉には「適当に抵抗したら殺されておけ」というとんでもない指示をしている。替え玉も本当にその通りにしているのだから恐ろしいことである。

実は原作通りミューズに夢魔の秘薬を飲ませていたのだが、銀の手の所在は不明であった。そこでハリードが持っているのではと見て狙いを定めていたのだ。

そこでゲッシアの女に対し「弟を殺されたくなければ」と脅し、ハリードに「諸王の都にファティーマ様がいる」という嘘を伝えさせた。ハリードは噂に過ぎないと気のない態度を取っていたが、友人シャールに銀の手を託した後、1人諸王の都へと向かう。

マクシムスは配下に命じてオアシスの水を干上がらせハリードが渇きに苦しむように仕向ける。しかも配下の1人の首の骨をへし折って殺害し、そのそばに夢魔の秘薬が入った水筒を置いた。

「砂漠に迷い、倒れ果てた男…脇には水がたっぷり入った水筒…。今の奴なら、毒見もせずに飲み干す…うひひっ…」

その通りになりハリードは秘薬入りの水を飲んだまま諸王の都へ来てしまう。

マクシムスはローブを被りナジェの初代国王アル・アワドを名乗ってハリードの前に現れる。配下たちにも同様の格好をさせ、歴代の国王を名乗らせた。

マクシムスたちは迫る。「カムシーンか? ファティーマか? どちらを選ぶ?」と。ハリードは幻だと言って抵抗するが、秘薬が回ったことで夢の世界に捕らえることに成功する。

だがここで2つの誤算が生じる。

1つは、銀の手はハリードではなくシャールが持っていたこと。

もう1つは、塔に置いた替え玉はブラックによって正体を暴かれ、シャールたちが諸王の都へとやって来てしまったこと。

しかし銀の手を持つシャールが現れたのは僥倖と考え「あなたたちは絶対に私には勝てない」と自信満々に言い放つ。

マクシムスは遺物を持たせた配下たちを率いてシャールたちと激突する。しかしシャールとエレンに配下たちは倒され遺物を奪われてしまう。

最後はシャールとの一騎討ちとなり、互角に渡り合うもシャールが持つ七星剣のスターバーストによって敗北。配下に持たせていた聖王遺物が仇になるという、策に溺れる末路を辿った。

命乞いをしようとするが聞き入れられるわけがなくシャールから一撃をもらい、すかさずブラックによってトドメを刺された。

余談

ジャッカル一味は赤いピアスを付けており、ジャッカル本人は腕に決して消えないジャッカル刺青を入れている。これが仇となって正体を暴かれる。

ちなみにジャッカル時代の彼は、もっと髪と髭が短かったらしい。変装のために伸ばしていたのだろうか?(あるいは喉の傷を隠すためか)。

聖王遺物をガードたちに与えている辺り、マクシムスなりに彼らを信頼しているのが窺える。ジャッカル時代の配下だろうか。

カタリナからマスカレイドを奪ったのも彼らの内の誰かの可能性もある。

聖王遺物の集め方は手段を選ばなかったが、カタリナだけは命に関わる被害を受けたわけではない。

カタリナは完全に騙されていたので殺そうと思えば簡単だっただろう。その辺りはやはり〈ロアーヌ侯の側近〉の立場が作用したのかもしれない。ある意味カタリナは運が良かった。

作中屈指の悪役なのだが、キドラントの町長の方が色んな意味でヘイトが集中すると同時に、1周してネタにもされている。

ちなみに、モンスターと手を組んで上役を蹴落とそうとする行為はゴドウィン男爵、善人の皮をかぶって人々を騙すところはキドラントの村長と共通する。

ティベリウスは主人公からマクシムスの正体を告げられても「ジャッカルにどんな過去があろうと教団に入った今は関係ない」と断言している。直後に「この塔はいただいたぞティベリウス!」と宣戦布告をするため、マクシムス=ジャッカルのあくどさが際立っている。

神王教団は信者には寛大だが外敵に対しては一切容赦しない。ハリードの故郷であるナジュ王国も「布教活動の禁止」をしたために滅ぼしている。しかも兵力は3000万とツヴァイクやピドナを上回る。

荒くれ者だったマクシムスが大樹の陰と身を寄せたのもある意味当然だったのかもしれない。主人公たちに追い詰められてヤケになったのもあるのだろうが、塔を乗っ取った辺り、いずれは教団そのものを乗っ取るつもりだったのかもしれない。

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