太陽光、太陽熱、風力、水力、地熱、バイオマスといった自然に普遍的に存在し、枯渇しないエネルギーのこと。このうち太陽光と太陽熱は太陽エネルギーを直接、風力と水力は間接的に太陽エネルギーを利用する。地熱は地球の内部(圧縮熱、核分裂)から生み出される熱に由来する。
これら(バイオマスを除く)は石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料と異なり、利用しても地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出しない。製造時には温室効果ガスが排出されるが、ライフサイクル全体でみると化石燃料より環境負荷が低い(Science Feedback)。薪や生ゴミやバイオエタノールなどのバイオマスエネルギー(生物に由来するエネルギー)は利用すると二酸化炭素を排出するが、消費分を栽培すればCO2の収支が合うとしてこれらも再生可能エネルギーに含まれている。
ここ数十年で、再生可能エネルギーは大きく値下がりし、世界各地で普及し始めている(参考論文)。「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によると、2010-2019年の間に太陽光発電の単価は85%、風力発電の単価は55%下がった(再エネの電気を蓄えるのに必要なリチウムイオン電池の単価も85%低下)。アメリカでは、太陽光発電と風力発電が最も安い電力源となっている(Yale Climate Connections)。国際エネルギー機関(IEA)は2050年までに太陽光発電と風力発電が主流の電力源になると予測している(ESA)。
再生可能エネルギーが普及すれば、大気汚染の改善(IPCC)、化石燃料の輸入に毎年費やされる数十兆円が浮くとされる(資源エネルギー庁)。
再生可能エネルギーは火力発電より数倍から数十倍の土地を要する(Science Feedback)ため、土地が狭い日本は洋上風力発電の普及を目指している(ロイター通信)。