CV:石田彰
概要
哭倉村の村長を務める男。龍賀家三女・長田庚子の夫で、一人息子に長田時弥がいる。
糸目のにこやかな顔立ちの青年であり、村民からの信頼も厚いらしい。屈強な村の男達を従え、警察の代わりに村の自警を行う。
部下たちの中に人間離れした巨漢がいるため分かりにくいが、彼自身も作中屈指の大男でゲゲ郎よりも背が高い。
龍賀の血を引いていないためか、龍賀家長女・龍賀乙米からは苗字の「長田」で呼ばれる。
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外見のモデルになったと思われる水木作品のキャラ。『ノストラダムスの大予言』に登場する。
詳細
※以下、ネタバレ注意
本作における元凶の1人。
その正体は、禁術に手を出した事で鬼道衆から破門された外法者『裏鬼道』のリーダー格。
彼の従える男達もただの村民ではなく、裏鬼道の構成員である。
呪術によって、哭倉村に封じられていた狂骨を操る事が出来る。また不意打ちとはいえ戦場帰りの水木を一撃で気絶させるなど体術にも優れている。
龍賀一族が経営する龍賀製薬が開発した秘薬『M』は、鬼太郎の父(ゲゲ郎)の同胞である幽霊族の血液を輸血され生きたまま屍になってしまった人間の血液から作られていた。
そのため彼ら裏鬼道は龍賀家長女・乙米に仕え、ゲゲ郎の妻を含む幽霊族の者達を次々と攫っていたのである。
義姉である乙米らの行っていた悪事や因習に対して特に否定するどころかむしろ忠実に従い、幽霊族の事は化物扱いして彼等を痛め付ける事に全く罪の意識を感じていないなど、にこやかな顔立ちに反して本性は腹黒かつ狡猾な人間である(そのため、目を見開いた時は人相が悪くなる)。
作中では妻の庚子や息子の時弥との直接的な絡みは殆ど無い。
庚子は時弥に対し母親として最低限の情愛は持ち合わせていたが、夫の幻治と直接会話するシーンはなく、幻治の方も妻や息子に対する家族愛を持っていたかは不明である。
逆に上司かつ義姉である乙米と絡むシーンが多く、後述の怨霊に乙米が襲われた際には「奥様!乙米様!」と珍しく感情的に声を荒げている。
ゲゲ郎を捕えて地下施設に連行し、乙米の命令で彼の手足を配下の大男に斬らせようとするが、そこへ水木と沙代が乱入。
一悶着の末、一連の殺人事件の真犯人である沙代が自身に宿していた狂骨を解放したため、それを呪術で抑え込もうとするも失敗。
沙代が操る無数の怨霊達によって配下達を皆殺しにされ、乙米を救助しに向かうが怨霊達に飲み込まれ、後を追う様に乙米も凄惨な死を遂げる。
一族への復讐を遂げた沙代が、最後に残った水木を泣きながら絞め殺そうとした時、背後から刀で刺し貫かれる。
それはかろうじて生き延びていた幻治の、最後の力を振り絞った一刀であった。
図らずも水木を助ける形となり、皮肉にも鬼道衆の本懐である妖怪狩りを達成した幻治は「バケモノ…うう…」と呟いた後に力尽きた。
余談(ネタバレ)
- ファンからは声優が声優なので、映画公開前から当然の様に不信感を抱かれていたが、蓋を開けてみればまさに大方が予感していた通りな人物だった。
- 最期の言葉は「バケモノ…」という沙代への罵りだったが、外法を以て狂骨を操る幻治と、恨みと憎しみの感情を以て狂骨と同調した沙代との間に(動機はともかく)それほどの違いは無かったりする。最後の台詞は、それを皮肉った演出と思われる。
- 狂骨を出した際に発した「オン」は響きがニャンちゅうに似ていると言われる。意味としては「唵」でありONや怨ではない。(状況や呪術での召喚であるため仕方ないと言えるが)唵の意味は仏教で神秘的なものを指す言葉であり、陰陽道の一派が仏教方式を使うという外法者しての特徴を表しているのだろう。
- 龍賀家長女であり龍賀克典の妻でもある龍賀乙米とは「幼い頃からお互い想いながら、主従関係であり続けた谷崎潤一郎の世界観の様な関係」「主従を超えた事は無い」と古賀監督より明かされている(2023年12月14日開催 舞台挨拶トークショーより)。
- 乙米役の沢海陽子は「乙米は長田の気持ちを察していたが、それ以上のものは乙米には無かったと思います」と述べている。また解説には「男女の恋愛とは違っても、彼らの信頼は絶対だったに違いない」と書かれている(雑誌「アニメージュ」より)。
- これまでのトークショー、インタビュー等で「主従関係」「想う」という言い回しは何度か使われているが、一貫して「恋愛」は否定されている。
関連タグ(ネタバレ)
TVシリーズに登場した鬼道衆の一員にして生き残り。こちらも術を使う際は「オン」と唱えるが、漢字表記は「怨」となっている。