「中国もイスラエルもイラクもロシアもアメリカもヨーロッパも互いに殺し合え! この戦争で勝利を握る国はどこにもない! すべてが絶滅するだけだ!」
概要
『ノストラダムス大予言』に登場する邪悪結社「地獄の王」の3代目総帥。
2代目総帥であるアドルフ・ヒトラーとその妻のエヴァ・ブラウンの子であり、第二次世界大戦が終結した1945年8月15日に生を受けた。地獄の王の支配者である大邪神シーレン(メイン画像の多頭竜)が名付け親となり、旧約聖書に登場する預言者ダニエルから名を取り、悪の救世主(メシア)となることが宿命づけられた。
悪魔くん(山田真吾)と同い年くらいに見えるが、最終決戦時には54歳のオッサンのはずなのに、全く外見が変わっていない。シーレンの力で不老にでもなったのだろうか。
3歳の時に第1次中東戦争を勃発させたヒトラーが悪魔くん一派との戦いで火山脈に落ちて死亡したため、「地獄の王」3代目を襲名。父を殺した悪魔くんを憎悪することとなる。
1957年、ユダヤ系カルト宗教アクエリアス教団の教祖となり、父の事業を引き継いで闇のシンジゲートダニエル・コンツェルンを創設。翌1958年には信者を500万人にまで増やし、人類を核戦争で滅亡させ、自分とその仲間たちだけ脱出する箱舟(宇宙船)を作ると称し、世界中の人々を欺いた。
本作においては1960年代以降のあらゆる事件・大災害の黒幕という扱いで、ありとあらゆる悪行を重ねて人類滅亡のハルマゲドンを引き起こそうと目論んだ、史上最悪のテロリストである。
目的のためなら手段を択ばず、どんな陣営にいようが、いかなる思想を有していようが、利用する価値さえあれば平然と嘘をつき、相手を利用する。
時期 | 年齢 | 悪行 |
---|---|---|
1961年7月 | 15歳 | ニキータ・フルシチョフを扇動し、ベルリンの東西分裂を引き起こす。 |
1962年10月 | 17歳 | フルシチョフを使ってフィデル・カストロを唆し、キューバ危機を起こす。 |
1963年11月 | 18歳 | キューバ危機が失敗しアクエリアス教徒がペンタゴンから一掃された報復のため、スナイパーを雇いジョン・F・ケネディを射殺。 |
1964年8月 | 19~20歳 | リンドン・ジョンソン政権を操り、アメリカにベトナム戦争の軍事介入を断行させる。(トンキン湾事件) |
1982年6月 | 37歳 | イスラエルを軍事支援してレバノン侵攻を手引き。 |
1983年 | 38~39歳 | ベトナム戦争で作り出した生物兵器を改造し、エイズを人為的に発生させパンデミックを起こす。 |
1986年4月 | 40歳 | 協調路線に転じたミハイル・ゴルバチョフへの恫喝としてチェルノブイリ原子力発電所を爆破。 |
1990年8月 | 44歳 | イラクのサダム・フセインを唆しクウェート侵攻を起こさせる。 |
1991年1月 | 45歳 | 用済みとなったソ連を解体するための最後の一手として、ジョージ・H・W・ブッシュを唆してイラクを攻撃させ、湾岸戦争を勃発させる。 |
1995年 | 49~50歳 | 日本国憲法改正、再軍備化。 |
シーレンとダニエルは破壊の限りを尽くし、戦争と環境破壊により人類を苦しめていく。これにより、人間界の邪心を集めてシーレンを強化し、1999年7月のグランドクロスの日にその魔力を数百倍に強化、最強の力を手中に収めんとした。
そして1995年(本書発売は1993~4年)、悪魔界と人間界の番人である美少女悪魔アンドリエ(偽名はミカエル)を「平和な千年王国を作る」という嘘を吹き込んで娶り、人間界の完全破壊と悪魔界への侵攻による二方面作戦を実行に移す。
アンドリエが裏切った1996年にはECとアメリカのブッシュ政権を扇動し、「十字軍」を結成させて中東に進軍させる。
翌1997年、ヨーロッパの兵力が中東に集中したスキをついて、ロシアのエリツィン大統領を唆し、石油利権争奪戦に参加させる(その間、旧東側諸国を西欧本土にぶつける)ことで、第三次世界大戦を勃発させる。
「地獄の王」の最終目的は悪魔界・人間界・仙界・神界の四界征服であった。もはや一刻の猶予もないと悟った悪魔くんたちは仙界と協力して、神界に向かおうとする。それを邪魔するシーレンとダニエルであったが、お釈迦様とイエス・キリストにより退散。そこで2柱は、ダニエルの正体を語る。
真相
ダニエルの正体は、1万2千年前に滅亡したムー大陸の人々の転生体であった。
ダニエルが望む「千年王国」は一見メチャクチャであるが、実は「善」のメシアである悪魔くんとは方向が逆なだけで転換点は同じ。ダニエルによる「破壊」と、悪魔くんによる「創造」は2つで1つであり、ダニエルが完全に滅んでしまえば、悪魔くんの千年王国は決して作り出せないのである。
「そんなこと言われたってあんな極悪人許せるもんかい」とお釈迦様の意見を突っぱねる悪魔くんであったが、祖父の家に伝わる古文書を解き明かしたことで、自身の「善」はヒトラー親子や初代総帥である死神伯爵あって初めて真価を発揮すると自覚。残る三種の神器の最後の一角、アロンの杖を探すことになる。
ダニエルとシーレンはそれを横取りしようとし、悪魔くんの語る「真相」を鎧袖一触して襲い掛かるも、富士山が噴火したことでまたしても撤退する。
そしてついに訪れた1999年7の月、ダニエルは各国首脳を操り(冒頭の言葉はその際の発言)、全面核戦争を勃発させる。グランドクロスを利用してシーレンを完全覚醒させようと目論むダニエルだったが、そこに悪魔くんが駆け付け、激戦の末にシーレンを封印した。
逆上したダニエルは悪魔くんを殺そうとするも、シーレンが居ないダニエルなどアロンの杖を持った悪魔くんの敵ではなく、まるで相手にならず返り討ちに遭い、天空船ノアで逃げようとしたがあっけなく撃墜されてしまう。
全面核戦争により地殻変動、異常気象が勃発し、7月とは思えぬ寒風吹きすさぶ駿河湾に転落したダニエルは溺死寸前に。使徒たちは「あいつのせいでえらい目に遭ったんだから見捨てようぜ」と言い出すも、悪魔くんはこれを拒否し、ダニエルを救助した。
こうして、自分が悪魔くんにはなくてはならない「半身」であったと痛感したダニエルは改悛し、最後の使徒となり千年王国を作るべく悪魔くんに首を垂れるのであった。
戦闘能力
マガジン版悪魔くんこと山田真吾はそれほど強力なイメージがないが、ダニエルはメフィストを子ども扱いするほどの魔力を有している。
身体能力
ビルの谷間を忍者のように飛び跳ねるほどの身体能力を有する。
電撃を発射する。
軽く手を動かしただけで触れずにモノを動かす。
不可視のバリヤーを展開し、魔法を跳ね返す。
関連イラスト
関連項目
ダークヒーロー アンチヒーロー 絶対悪 必要悪 ショタジジイ ライバル テロリスト
東嶽大帝(最新版悪魔くん):ほぼ同じことをやろうとしていた悪魔くんシリーズのラスボス。出自もまあ似たようなものである。
王天君(封神演義):同じく神仙界を描いたマンガの後半に登場する悪役。登場当初は様々な策謀を張り巡らせる完全な極悪キャラだと思われていたが、ダニエル同様に「善」である主人公の半身たる「必要悪」だと判明し、最後は理想の世界を作るべく主人公に協力する。
長田幻治(鬼太郎誕生ゲゲゲの謎):外見や性格が似ている。ただし、ダニエルがドイツ人なのに対し、長田は日本人である。