概要
「徳川慶喜」とは、1998年1月4日~同年12月13日に放送されたNHK大河ドラマ。
司馬遼太郎作の「最後の将軍 徳川慶喜」を原作としているが、司馬の原作が彼のものにしては短めであったため、渋沢栄一らが編んだ『徳川慶喜公伝』を原作以上に用いている。
大河ドラマにおいて幕末が舞台となったのは「翔ぶが如く」以来8年ぶりであり、また主演の本木雅弘は「太平記」以来2度目の大河出演である。
ナレーションを担当したのは新門辰五郎(町火消)の妻・れん(架空人物)を演じた大原麗子であり、本作は江戸っ子のれんが江戸弁で話すという設定であったため、慶喜を「ケイキさん」と呼んだり「これは後から判ったことなんだけど」「ここだけの話なんだけど」「わっちら下々の者は知らなかったんだけど」といったフレーズがよく用いられた。
大御所俳優や若手女優などを起用して人気確保を図ったが、主人公の慶喜の動きの乏しさ、そして数多く登場する架空人物の存在意義の低さなどから、視聴率は伸び悩んだ。
一方で、主演の本木雅弘のクールで聡明、策謀にも長けた慶喜を表現した演技に好評価を得た。
また、本作では慶喜の77年間の生涯のうち、江戸開城以降の45年間はほぼカットされているが、十数年後に出てきた大河ドラマでは、ちゃんと最期までクローズアップされている。報われたようで何より。
主な登場人物
- 徳川慶喜…本木雅弘
- 美賀…石田ひかり
- 徳川斉昭…菅原文太
- 徳川家定…大出真也
- 篤子…深津絵里
- 徳川家茂…進藤健太郎
- 西周…小日向文世
- 井伊掃部頭直弼…杉良太郎
- 勝海舟…坂東八十助
- 孝明天皇…花柳錦之輔
- 岩倉具視…寺脇康文
- 新門辰五郎…堺正章
- れん…大原麗子
スタッフ
原作:司馬遼太郎『最後の将軍』
脚本:田向正健
音楽:湯浅譲二