概要
インターネット百科事典の体裁をとったWikiサイト。Wikipediaをパロディしており、見た目もWikipediaに意図的に寄せられている。
Wikipedia用に作られたwikiソフトウェアMediaWikiを使って執筆・制作されている。
サイトの名前の由来は、「否定」を意味する「un」と、「百科事典」を意味する「encyclopedia」を組み合わせたもの。
日本語版は最初、「バカ」と「百科事典」をもじって「バ科辞典」となっていたが、後に「嘘八百」をもじった「八百科事典」に変わった。
アンサイクロペディアは、2005年にジョナサン・ホアン氏と、匿名の協力者たちによって始まった。
本家Wikipediaと同じように、いろいろな国と言語のバージョンが存在する。
ただし、同じ記事でも言語によって使われるネタが異なり、ネタを理解したうえで外国語に置き換えることが難しいため、内容が翻訳されることはほとんどない。
ちなみに、アンサイクロペディアには、このピクシブ百科事典を参照するためのテンプレートが用意されている。
その文言が以下である。
”同人マニアのために、ピクシブ百科事典では同人ゴロとその愉快な仲間たちが〇〇(記事名)を編集しています。”
なんとも皮肉たっぷりの文章である。
特徴
アンサイクロペディアの一番の特徴は、「百科事典」とは名ばかりで、内容が「嘘八百」だらけな点である。
事実と違う内容や事実を大げさに書いたものが歓迎され、むしろ、真面目な内容を書くと浮いてしまう。
通常の百科事典、たとえばWikipediaやピクシブ百科事典では、嘘や冗談を書くのは規則違反で、削除対象となる。(まあ、ピクシブ百科事典にはネタ記事があふれているが……)
しかし、アンサイクロペディアでは、ほとんどの記事が嘘で埋め尽くされている。
また、単に「嘘」であることだけでなく、その内容には「ネタ」「洒落」といったユーモアが求められ、面白さを追求していくことが執筆目的の一つとなっている。
ニコニコ大百科には、「嘘を書くときはネタだとわかるようにする」というルールがあるが、アンサイクロペディアにはそんな決まりはない。
そのため、書いてある内容を理解するには、前提知識が必要な場合がある。
特に、マイナーな作品の記事は、知らない人には何が面白いのかさっぱりわからないこともある。
このように、アンサイクロペディアは、普通の百科事典が持つ「正確さ」や「わかりやすさ」とは無縁の存在である。
それを利用し、
- 「あああああああああ!」のようなナンセンスな記事
- 「たらい回し」のように延々と転送され続けるだけの記事
- 「落書き」のように落書きだらけの記述スタイルで記事を説明する自己言及的なページ
などが執筆されている。
また、Wikipediaでは検証性を優先するために書けない「独自研究」も、アンサイクロペディアでは風刺として皮肉気味に書かれる。
このため、「ある種の事実」を書いた「栄村大震災」、「要出典」、「著作権」などの記事も存在する。
なお、少し前は、英語版のように有名人の発言を改変して記事に入れると面白いと勘違いされ、どんな記事にも変な語録が大量につけられていた。
この流れのせいで、「アンサイクロペディア=~について、磯野波平」というイメージが強かったが、今ではほとんど消されている。
ネタと悪口の境界が分かっていない編集者も多く、読み手にとってはカオスな世界である。
なお、アンサイクロペディアはトップページで「自由気ままな百科事典です」と宣言しているが、その後に書かれている「基本方針に賛同していただけるなら」という一文を見逃すと痛い目に遭う。
実際、方針はWikipediaよりも厳しいことがあり、中には、Wikipediaで受け入れられなかった編集者に「アンサイクロペディアで修行してこい」と言われた例もあるほど。
今も昔も編集にあたる者にはナルコレプシー患者が多い(※)。
記事の編集者が次の編集者に作業を託す目的で、「この節を書こうとした人は途中で寝てしまいました。後は適当に頑張って下さい」という文面の執筆依頼を出す。
アンサイクロペディアにおけるその項目でも、編集者が途中で寝て…zzz。
※ナルコレプシーとは、突然強い眠気に襲われる睡眠障害の一つである。
問題点
前述の通り、基本方針を守らない者や面白くない者には厳しいが、締めつけがきつすぎることもある。これは、主な人物のお犬様の項目を参照してもらえば少し分かるかもしれない。
もう一つの問題点として、サーバーが重いことが挙げられる。
過去には「全員アクセス禁止」呼ばれる状態になることが多々あった。特に2015年頃の日本語版では、サーバーの調子が悪く、「記事は読めるが編集が全くできない」という状況が続いていた。
現在は多少改善されているが、完全に解決したわけではない。
さらに、ブラックジョークや不謹慎な記事も少なくなく、場合によっては特定の人物や団体を批判しているように見える内容も含まれている。
そのため、その対象を好んでいる人や関係者を不快にさせる可能性がある。
特に、事件や事故、災害に関する記事では、記事に便乗して行政を批判したり、関係者を中傷する書き込みをしたりする迷惑ユーザーが現れることがある。
このような場合には、内容の差し戻しや、記事を削除するなどの対応がとられることが多い。
主な人物
Carib
アンサイクロペディアの所有者。ユーザーからは「Carib神」と呼ばれている。
普段はあまり表に出ず、管理もほとんど行わない静かな立場を取っている。
しかし、2020年5月にアンサイクロペディアがひどい状態になっているのを見て、後述の問題の原因とされる管理者、お犬様の権限をすべて取り上げ、さらに、他の管理者のBC(権限付与権)およびCU(チェックユーザー)権限も剥奪した。
この時に件の管理者によるブロック措置もすべて解除された。この出来事は「神の鉄槌」とも呼ばれている。
Carib氏のこの行動をきっかけに、アンサイクロペディアの活動は徐々に回復しつつある。
お犬様
アンサイクロペディアの管理者の一人につけられたニックネーム。
ユーザー名がアニメ『チキチキマシン猛レース』のキャラクターの英語名からきていることからこう呼ばれていた。
アンサイクロペディアには他にも管理者がいたが、実際にはこの「お犬様」がほとんど全てを取り仕切っていた。さらに、お犬様自身も記事作成や編集を行なっていた。
なお、お犬様はChakuwikiという別のwikiサイトの管理者でもある。
2011年には、Ascii.jpの取材を受け、自身についてIT関連の仕事をしている50代(当時)の人物と明かしていた。
お犬様は「基本方針が絶対」という信念を持っており、それを厳格に守る。
しかし、方針にそっていても、自分が面白くないと思う記事は徹底的に巻き戻したり削除してたりしていた。
また、同じような編集を繰り返すユーザーには、個人情報にあたるCU(チェックユーザー)結果を公開し、その場で投稿禁止にするという厳しい対応をとっていた。
このような強硬な姿勢は、次第にユーザーたちの反発を招いた。
この反応に対してお犬様は、2017年頃から「コミュニティがLTA(長期荒らし者)の罠にはめられた」と主張し始め、さらに過激な行動をとるようになった。
たとえば、SNSで自分への批判的な発言を探し、その人をアンサイクロペディアのユーザーだと紐づけてブロックすることや、不自然なアクセスログがあれば、編集行為がなくともそのプロバイダ全体をブロックすることもあった。
記事に関しても、新しい記事はすぐに削除し、追加の編集も全て巻き戻すという方針を取ったため、新しい記事が0、修正もごくわずかの月もあったほど。
そして2020年4月以降には「ユーザーの99%以上が荒らし」と断定し、お犬様に従う一部の管理者や数人のユーザー以外を全てブロックした。
この結果、アンサイクロペディアは機能しなくなり、翌月にはCarib氏によってすべての管理権限を剥奪されることとなった。
アンサイクロペディアもお手上げの項目
いずれも日本語版
第2次世界大戦関連
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル:「事実があまりに信じがたいので、嘘を書く事はできない」という体裁の下、「アンサイクロペディアに嘘をつかせなかった男」として書かれているが実はけっこう嘘が書かれていることは秘密だ。実際は書かれている事以上にやばいことしてた可能性があるなんて口が裂けても言えない。
シモ・ヘイヘ:ルーデルと同じく「アンサイクロペディアに嘘をつかせなかった男」ポジションなのだが、嘘も混じっていますよね? 実際は書かれている事以上にやばいことしてた可能性があr(ry
舩坂弘:上記2名と同様に嘘をつかせなかった枠に該当する。「大本営認可」と書かれている一方で、嘘が混ざっている可能性は否定できない。実際は書かれているk(ry
牟田口廉也:「嘘は一ヶ所だけ。連合国のスパイだったという箇所だけで、あとはほとんど生々しい実話です」
その他カテゴリー
- 秘密戦隊ゴレンジャー:「ゴレンジャーハリケーン」の部分に、「わざわざアンサイクロペディアンが頭をひねって面白おかしく書こうとしなくても、本物の方がすでに馬鹿馬鹿しいので、ここではあえて説明しない」とマジで書かれてしまう。
- デビルマン (映画):作品そのものが馬鹿馬鹿しすぎて下手な嘘よりも事実を書いた方がネタ記事になる有様。
- 稀勢の里寛:ネタと事実が混ざった事で、記事内容が若干カオスなので仮に閲覧する場合はご注意願いたい。若干ネタの比重が多いのかもしれないが……。
- アルビレックス新潟:些事まで延々と取り上げた大規模な記事。しかもこれをほぼ一人で書き上げているのだから凄まじい。
- パワプロクンポケットシリーズ:ゲーム内容があまりにもアンサイクロペディア的だったのでネタにするために書いたはずが全て事実になってしまった記事。こんなゲームがあったのか!!
関連タグ
ひよこ--->すごい存在