概要
正式事件名は「福岡猫虐待事件」。
その他に通称として「ディルレヴァンガー事件」「こげんた事件」「インターネット猫虐待事件」などがある。
事の始まりは2002年における2ちゃんねるのペット大嫌い板(現在名:生き物苦手板)にて、ディルレヴァンガーと名乗る人物が「おい、おまえら」というスレを立てた所に遡る。
スレ内容は捕獲した野良猫を自宅の風呂場で残虐極まりない方法で虐待及び殺害する様子をデジカメで撮影してアップローダーにて写真を公開する実況を行なうというものだった。
さらにスレ内の空気は明らかに異常な雰囲気を醸し出しており、自分が過去にやった事がある虐待方法を語る者もいればスレ主にもっと激しい方法で虐待する事を勧める書き込みで溢れ返り、逆に「命を粗末にするな」「こんな事はやめろ」といった類の書き込みの方が荒らし扱いされるという状況だった。
しかし、このあまりにも行き過ぎた行為に当然ながら他の板住民からの非難が殺到、スレ主はニュー速板にも同様のスレを立てていた事もあってか数日も経たない内にねらー達の解析・通報によって特定され、ついに逮捕される事となった。
事件後の影響
犯行の動機については「餌を与えたが糞をされたので憎悪が湧いた」「ネット上で騒がれたかった」と話していたが、「酔っていた」とも話しており明確な動機は不明。
この事件はインターネット上で一斉に広まった事もあり早い期間からテレビや新聞などのニュースで報道され、動物虐待に関与するとされる事件が議論の的になるなどメディアでも大々的に挙げられるようになる。
さらに2004年にはこの事件を題材にした「Dear,こげんた この子猫を知っていますか?」という本が出版された。
その他
「こげんた」という名前は、後に戒名として僧侶から付けられた名前。以降、この事件の犠牲となった猫をこの名前で呼ぶ事が一般となっている。
スレを立てた松原潤氏が使用していたディルレヴァンガーというハンドルネームは、ナチス・ドイツの武装親衛隊将官のオスカール・ディルレヴァンガーから取ったとされる。
事件となるスレが立てられたペット大嫌い板は、元々マナーの悪い飼い主に対する批判で、趣味のカテゴリー内にあったペット関連の掲示板が、フレーム問題や荒らしによってコミュニティが混乱したため、この議論や煽りを分離するために設置された板である。
事件が公になってからは動物虐待行為を仄めかしていた掲示板利用者が激減、一時期は動物虐待に対する非難一色に染まった。
現在は板名が「生き物苦手板」に改名されたが動物虐待に関する書き込みは後を絶たず、2017年にはこの板に虐待の様子を写した動画を投稿した事により2名の逮捕者が出た。