概要
「ぜいたくは敵だ」とは、1940年に日本の官製国民運動である国民精神総動員運動の中で制定されたスローガン。
1939年6月16日、国民精神総動員委員会は生活刷新案を決定し、歓楽を慎み節約に励むことが国民に通告された。この中で、同年9月より毎月1日は前線の労苦を想って奢侈を禁じる「興亜奉公日」と定められ、興亜奉公日には、禁酒・禁煙、家庭における一汁一菜の実践、学校に持参する弁当を「日の丸弁当」とすること、カフェー・酒場・ダンスホール等の飲食店・遊技場(いわゆる風俗営業)の休業、歌舞音曲の休止などが奨励された。
このスローガンにより打撃を受けたのは美容業界である。「ぜいたくは敵だ、袖を切りましょう」「パーマネントはやめましょう」のスローガンのもとに、女性は和服の袖を短く切って筒袖にし、もんぺを穿く事を勧められた。髪結い店は店の看板に墨汁をかけられたり、非国民扱いされる等の嫌がらせの被害にあったと伝えられる。
関連タグ
欲しがりません勝つまでは:「国民決意の標語」の入選作。戦時下の耐乏スローガンとして知られる。
足らぬ足らぬは工夫が足らぬ:こちらも国策標語の一つ。