概要
意味は「出来ないのは工夫していないからだ」、更にかみ砕けば「物や金が無ければ知恵でどうにかしろ」というもの。
戦時中の日本は慢性的な資材不足に悩まされており、国民も貧困を強いられる中で、それらの責任を個人に帰結させる精神論と言える。
工夫した結果
この標語を分かりやすく実践したのが工業製品である。
俗に戦時設計と呼ばれるこの時期の製品は、金属の節約を目的として木材やセメントを積極的に使用。
更に設計も極限まで合理化し、資材と工数の削減と図った。
しかし、行き過ぎた合理化は寿命や安全性を犠牲にし、時に人命をも犠牲にした。
有名なのがD52蒸気機関車(走行中に自爆)や63系電車(火災時に避難が出来ず106名が死亡)などで、今なお語り継がれる欠陥製品となっている。
ただし、戦後に資材不足が解消されるとそれらは改修により生まれ変わり、戦後復興と高度経済成長を見届けた。
バリエーション?
徴兵によって家庭の大黒柱である夫達が次々に戦場に駆り出されていった為、政府への批判も込めて、「工」の字を消して「足らぬ足らぬは夫が足らぬ」と改変するという悪戯も日本各地で見られたという。
関連項目
ぜいたくは敵だ:同じように戦時中に出された標語。こちらも一字足されて「ぜいたくは素敵だ」と改変された。
コンピューターゲーム:世代により違いはあれど、容量やスペックに制限があるがその中で様々な事を実現するために様々な工夫がされたり新しいジャンルが生まれている為、度々この標語が挙げられている。実現できなかった際にスペック不足を理由として挙げている際に批判の意味で挙げられることもある。