概要
たたちーとは、『ボールルームへようこそ』における主人公富士田多々良と緋山千夏のカップリング。
このカップリングは恋愛関係のみならず、作品内の社交ダンスにおけるペアも示す。
作中において主人公が正式にカップルを組んだ初めてのペアであり、初対面は悪印象極まりない出会いだったが、現在はコンビ結成に伴ってお互いを「たたら」・「ちーちゃん」と呼び合っている。
社交ダンスという競技は正式にカップルを組む場合、署名捺印が必要な書類を協会に提出する手続きが存在し、逆にカップルを組解消(セパレート)する場合もそうした書類が必要となる。
従って、多々良と千夏も実際にその手続きを踏んでおり、この二人はある意味公式カップリング。
仁保友親の悪ふざけなのか、二人がカップル結成を仙石要に報告する為に送った写真メールのタイトルも「結婚しました」にされていて、満面の笑顔で書類を持った多々良と千夏の姿は完全に新婚夫婦のそれであった。
お互いが相手をどこまで異性として意識しているかは現時点では不明で、そもそも今は恋愛にうつつを抜かせる状況ではない。
ただし、花岡雫とコーチを務める兵藤マリサに仲を勘ぐられたり、一時期多々良とペアを組んだ経験を持ち彼に想いを寄せている赤城真子に対して千夏があからさまに不機嫌になって嫉妬するなど、色々と考察し甲斐がある。
少なくても千夏は多々良の人間性を「最高にいい奴」と評価しており(同時に致命的な欠点も痛烈に指摘しているが)、口では強がっていても多々良に見捨てられたと誤解して不安がる一面を覗かせ、大喧嘩してしまった後に組解消される可能性を怖がって涙を流している。
多々良の方も千夏を「じゃじゃ馬」と評して散々手を焼きながら、彼女の方から組解消を提案された際は強い拒否感を抱いていた。
社交ダンスのカップルとしては組んで日が浅く、実力にもムラがあり非常に不安定。小手先の技術で誤魔化せるほど対抗馬が甘くなかったということもあるが、大した実績も残せていない。
正反対な性格を始めとして互いの要素が何もかも噛み合わず、幾度となく対立による崩壊や破局の危機に見舞われることになり、そうした不協和音は結成当初の時点で漂わせ、第三者から見ても「解消は時間の問題」と捉えられる程だった。
しかし、度重なるぶつかり合いと喧嘩を経て次第にそれぞれが成長していき、お互いがお互いに真剣に向き合い、カップルとしても進化していく。
多々良がリーダーを務めつつ、千夏もまたリーダーであり、いわば「リーダーが二人いる」という風変わりなペア。
まだ無名だが社交ダンスにおけるカップルとしては異彩を放つ凸凹コンビであり、その歪さに起因する可能性や爆発力は周囲の実力者には割と早い頃から予感され、徐々に審査員にも存在感を評価され始めている。
多々良をボールルームへ導いた存在が仙石要なら、千夏が憧れてやまない存在が本郷千鶴であり、それぞれの先導者が組んで世界屈指の強豪カップルになっている点を考えると、この二人の将来が楽しみという意見も多い。
奇しくも、言いたいことを言い合う対等な関係としてはかなり似ている(千夏が多々良をしばくことはあっても、多々良が千夏を小突くことはないので、あの二人ほど破天荒ではないが)。
因みに、緋山家の両親は千夏を再びダンスの道に戻してくれた多々良にとても感謝しており、特に父親は多々良を娘婿に迎える気満々である。
余談
・アニメ版の第2クールOP・EDは「歌詞も絵も完全にこの二人を物語っている」と既読ファンから非常に評価が良い。
・OPラストでは二人がキスをしているように見える角度で演出されている。
・そして、アニメ版最終話では本当にキスが実現した。なお、そのシーンは最終話の公式名場面投票で堂々の1位を獲得。