概要
週刊漫画TIMESで2017年3月24日号から連載されている漫画作品。
作者は早川パオ(pixivアカウント)。
屋台バーを営む雪、高級ホテルに勤める騎帆、フレアバーテンダーの日代子という、若き女性バーテンダーたちの物語が描かれる。
単行本は芳文社コミックスから発売されている。
2024年7月時点で既刊15巻。
登場キャラクター
主人公たち
- 月川雪(つきかわ ゆき)
演:木竜麻生
屋台でバーを営む若きバーテンダー。屋台には後に「SATELLITE」という名が付けられる。
ボーッとして物静かな女性だが、バーテンダーとしての腕前と熱意は本物で、特にツイスト(アレンジ)の感性に長けている。
- 伊吹騎帆(いぶき きほ)
演:玄理
高級ホテル「エリシオン」に勤めるバーテンダー。雪と日代子を自宅に住ませる大家的な立ち位置でもある。
勝ち気な性格で、だらしないところがある同居人たちをよく叱りつけている。
バーテンダーの腕前は一流であり、音の出ない美しいステア技術から「ミスサイレンス」の異名を持つ。
- 陽乃崎日代子(ひのさき ひよこ)
演:八木アリサ
高円寺のバー「STREAM」に勤めるフレアバーテンダー。華やかなパフォーマンスで客を魅了する。
美人で巨乳なぶりっ子で、男受けが良いが、同性からは嫌われがち。家事を怠りがちなので騎帆とはよく衝突している。
周囲の人々
- バンブー
雪たちのペット。ある日雪の屋台に突然現れた迷いブタで、飼い主が見つからなかったので伊吹家に引き取られた。
- 上森祥子(うえすぎ しょうこ)
実家の「なんでも修理工房 うえもり」に勤める女性。
雪とは昔からの付き合いで、騎帆とは高校からの同級生。
離婚歴あり。
- アシュレイ・フー
香港ナンバーワンと言われるバーテンダー。滑らかなシェイク技術から「蛇」の異名を持つ。
コンクールで暴力事件を起こし、以来ニート同然の生活をしていたが、剣堂の勧誘によりホテル「アヴァロン東京」のバーに勤務する。
極度のシスコンで、尾行が得意。
返還前後の香港で親に捨てられスラムで育ち、子供だけでチンピラの使い走りとして生きてきたため、荒事にも慣れている。武術の腕前もかなりのもの。
当初は日本語が話せなかったが、後に上達する。
- シャノン・フー
アシュレイの妹。心優しいしっかり者だが、ちょっと抜けている。
むちむちボディの持ち主。日本語が話せる。
シェイク技術はさほどでもないが、計量・調合やレシピ考案を得意とし、アシュレイと2人合わせて「蛇」として活躍する。
エリシオンバーの従業員
- 余呉良(よご りょう)
チーフバーテンダー。高い腕前を持つ壮年の男性。
しかし年齢のせいか最近は体調を崩しがちで、欠勤や早退もしばしば。
- 早馬明(そうま あきら)
バーの支配人。伝統を重んじるタイプ。
離婚歴があり、理香という娘がいる。
- 若尾みちる(わかお-)
案内人(グリーター)を務める若い女性。
カクテル作りを任せてもらえないことに自信を無くし、退職も考えたが、騎帆の説得で踏みとどまる。
優れた記憶力の持ち主。
大人しくて気弱だが、私服は派手。
- 海神志鶴(わだつみ しづる)
レストランのソムリエ。騎帆の同期だが仲はあまり良くない。
かつては有望株だったが、サボり癖から立場を失いかけていたところ、早馬の要請でバーに異動になった。
同性愛者で、真絵という恋人がいる。
- 設楽政宗(したら まさむね)
自称「エリシオン一の伊達男」。カウンタースタッフでは余呉に次ぐキャリアを持つ。
セカンドチーフこそ騎帆に譲るものの、たゆまぬ練習で培われた高い技術を持ち、特にシェイクを得意とする。
日代子の関係者
- 宗方六郎(むなかた ろくろう)
バー「STREAM」のオーナー。
現在は裏方に徹するが、かつては伝説的なバーテンダーであった。
- 人見柊(ひとみ しゅう)
バー「STREAM」に勤めるフレアバーテンダー。日代子の上司。
アラフィフながら毎日のトレーニングと節制でパフォーマンスを維持し、第一線で活躍し続けている。
女性には興味がない。
- 陽乃崎伊須香(ひのさき いすか)
陽乃崎四姉妹の長女。夫婦で歯科医院を経営している。
実家のブランドショップヒノサキの経営を救うため、日代子と神代祐樹を結婚させようとする。
- 陽乃崎杙奈(ひのさき くいな)
陽乃崎四姉妹の次女。県内偏差値トップを誇る名門高の教師。
独身で、キャリアを追い求めるために結婚はまだしたくないという。
- 陽乃崎嗣実(ひのさき つぐみ)
陽乃崎四姉妹の三女。建築デザイナー。既婚者。
- 神代祐樹(かみしろ ゆうき)
神代グループの御曹司。穏やかで心優しい青年。
小柄でややぽっちゃり系だが、趣味は意外にもスカイスポーツ。
渋谷のバーの関係者
- 砕明寺耕(さいみょうじ こう)
BARメテオのオーナーバーテンダー。
現在の日本のバーのあり方に疑問を持ち、SNSやメディアを利用した改革を目論む。
バーテンダーとしての腕前はトップクラスで、特に氷の扱いに長ける。最大の武器は、より良い一杯を作るための執念とも呼べるほどの探求心。
しかし性格には難があり、傲慢さゆえにトラブルを起こしがち。
SNSアカウント名の「バラフ」はスワヒリ語で「氷」を意味する。
- 鐙陽平(あぶみ ようへい)
BARイーハトーブのオーナーバーテンダー。
3店舗を経営し、4店目も開店が決まっているやり手の経営者。
- 黒鉄 ジェニファー ミラ(くろがね-)
BARイーハトーブのバーテンダー。
カクテルコンペティションUSAの前年度チャンピオン。
まだ日本語が完全ではないので、逐一メモを取っている。
熾天使(セラフィム)
店を持たず旅一座のように転々とする出張バーテンダー三兄妹弟。
3人でのダイナミックなフレア、正確なブレンド技術、力強いツイスト(アレンジ)など、優秀なバーテンダーたち。特にスピリッツの扱いを得意とする。
- 朝星朱春(あけぼし すばる)
兄。日本人には珍しい緑の瞳を持つ。
雪のことを生き別れの妹「朝星白雪」だと言う。
- 朝星灰音(あけぼし はいね)
妹。元々モデルをやっていたが、朱春と共に派遣バーテンダーを始めるために辞めた。
派手な見た目とは裏腹に冷静で、ブレーキ役となる。
- 朝星碧葉(あけぼし あおば)
弟。まだ18歳なのでカクテルの試飲はできないが、バーテンダーとしての技術と知識は既に持っている。
店では主にフレアや経理、雑用を担当する。
客船「星雲(ネビュラ)」
- 芹沢セリ(せりざわ-)
ナンバーワンファッション誌「アスガルド」の創刊者。ファッションメディア界の「主神」とも呼ばれる経営者で、多大な影響力を持つ。
有能な経営者であることは間違いないが、強引さと非情さも併せ持つため敵が多く、「滅ぼす者(ヴィズル)」のあだ名も持つ。
自身が所有する客船「星雲(ネビュラ)」にさまざまな人物を集め、アスガルドの次期表紙モデルを決めようとする。
- 相良秋(さがら あき)
兼業モデル。謙虚で働き者。身長も180cmと高い。
アスガルドと芹沢の大ファンで、何でもいいから関わることが子供の頃から夢だった。
普段は整骨院で働く柔道整復師。鍼灸師の資格も持つ。
- りげる
アルバイター兼動画配信者。
自分の底辺生活をあえて晒すストリーマー。
- Spica(すぴか)
女性ファッション誌のモデル。
かつては身長の低さゆえにモデルの夢を諦めていたが、自分より背の低い天沼綺羅がアスガルドの表紙モデルを務めているのを見てもう一度志す。
- 安彦星(あびこ ひかり)
義足の陸上競技者。鍛え上げた肉体に自信を持ち、自己肯定感が高い。
- 新堂カノープス(しんどう-)
メンズモデル。業界では「奔放で使いづらい」との噂だが、実は挨拶まわりなどの気遣いを欠かさないぬかりのない男。
日本以外にメキシコにルーツを持つ。
- 天沼綺羅(あまぬま きら)
アスガルドの現表紙モデル。歴代最長の3年も務めている。
カバー就任がきっかけでブレイクし、現在はトップ女優となった。
身長はモデルとしては低めの159cm。
- 織部姫色(おりべ ひいろ)
安彦の友人。全盲のチェロ奏者。
大火(アンタレス)
都内の雑居ビルの地下に隠された「秘密の酒場(スピークイージー)」。
自動販売機に擬装されたドアに特定の操作をすることで入店できる。
表社会からは切り離され、ならず者たちが多く訪れる。中で見聞きしたことは一切他言無用。行き場の無い子供たちを匿うシェルターでもある。
- 柳(リュウ)
店主の男性。香港出身。元々裏社会で生きていたが足を洗った。
15年間店を切り盛りし、子供たちを守り続けてきたが、交通事故で亡くなる。
- グリフ黄(-ウォン)
ビルのテナントオーナー。しかし、彼自身も更に上の香港黒社会から指示される立場にある。
スラム街時代のアシュレイの相棒でもあるが、15年ほど会っていなかった。
アンタレスに立ち退きを迫る。
- カレン
柳が15年前、初めて助けた子供。父親から虐待を受けていた。
身長143cmで幼く見えるが、実は20歳。
柳を大変慕っており、店を守るためにバーテンダーになることを決める。技術はほぼ素人で性格もややガサツだが、柳と過ごすなかで学んだ観察力と柔軟性が持ち味。
得意料理はクリームシチュー。
- 雷(レイ)
バーの常連の一人。顔に傷のある強面の男性。
- ヴァージン
シェルターで暮らす女性。年長で、子供たちのまとめ役でもある。
その他のキャラクター
- 剣堂寅雄(けんどう とらお)
演:相島一之
雪の屋台に訪れた男性客。当初は彼女を馬鹿にした態度をとっていたが、彼女のカクテルを飲んで感銘を受ける。
とある会社の課長であり、後にホテル「アヴァロン東京」に入るテナントを探す業務で再登場。アシュレイの勧誘のため、雪に助力を乞う。
- 生方麟(うぶかた りん)
パティスリー「ライブラ」のオーナーパティシエ。
現在は店は閉店しており、屋号はそのままにキッチンカーで日本のどこかに現れる。彼女と深く関わった人間は皆失踪するという噂がある。
材料の0.01g単位の分量の違いすら察知する絶対的な味覚の持ち主。
- 操(みさお)
かつて麟と共にライブラの共同経営者だった女性。
麟とコンビで日本一に輝くなど活躍していたが、世界大会を前に姿を消し、地元に帰ってしまった。