概要
イラスト、映像に擬似的に照明効果を与える手法。
アニメの専門用語ではディフュージョンなどと言われる事が多い。
全体的に輪郭が滲み、淡く優しい雰囲気や幻想的な画を表現できるソフトフォーカスに対し、ディフュージョン(グロー効果)では色合いの明るい領域のみが光を拡散させているように表現される。
メリット
- 絵全体を華やか・柔らかい印象にすることができる
明域が全体的に光を放っているように見えるため、絵の見栄えを手軽に盛る事ができる。
また、塗りに対して線画がくっきりしすぎて浮いているように見える場合でも、色トレスとグロー効果による仕上げを経ることで、馴染んだ印象を与えられる。
- 情報量を増やすことができる
アニメーションの製作現場では作画効率化のため、造形のシンプル化やデフォルメなどを率先して行うが、結果として映像の情報量が減りすぎてしまう場合がある。そうした場合にグロー効果で映像内に明暗差を強調することで、情報量を増やす効果が見込める。
- 仕上げ段階で行える、幅広いツールで行える
イラストの場合は統合後の一枚絵、アニメの場合は撮影・動画化の段階でエフェクトとしてかけられる。昨今主流のイラストツールほぼ全てで使える「レイヤー・合成モード」「レベル補正」「ガウスぼかし」が使用できれば簡易的に類似の効果を得られるため、ツールを選ばない。
デメリット
- 表現できる色数が限られている媒体との相性の悪さ
表現できる色数に限りがある媒体(グレースケール印刷)にグロー効果をかけたイラストが掲載されると、全体的にぼやけているだけに見えてしまったりグレースケール・ニ値化などがうまくかからない場合がある。表紙イラストを本文(内表紙/扉絵)などに転用する場合はやや注意が必要な部分である。
- 強くかけすぎると絵全体がぼやけたような印象になる
効果を強くかけすぎると、拡散光というよりもただぼやけているだけの印象になってしまう。
- 元イラストの色調によっては色飛びしやすい
白っぽい色や薄い色は色飛びを起こして潰れてしまいやすい。せっかく繊細な白をメインに塗ったのに飛んでしまうと台無しなので、調整が必要となる。
関連講座
上述の通り、ツールによって詳細な手順は異なるが、一般的には以下の流れで表現できる。
- イラスト完成後、結合済の画像を用意する
- レイヤーを複製する
- レベル補正で暗域を真っ黒に、光らせたい領域の彩度は高くする
- 補正したレイヤーにガウスぼかしをかける
- 合成モードを「スクリーン」にし、好みに応じて透明度などを調整する
また、AzPainter2には簡単にグロー効果をかけることが出来るフィルタが標準搭載されているので、上手く出来ない人はこちらのソフトで加工してみるのも良いかもしれない。