概要
アニメーションの原画において、ハイライトや影などの境界線は黒の実線ではないためトレスマシンで転写されないように色鉛筆で指定されるが、これを絵の具を使って手描きで写し取ること。デジタル化によりトレスマシンを使用しなくなった現在でも、実線との区別のため指定は従来通り色鉛筆で行っている。
その他、白目と肌の境界、爆発や煙の外形線、光線エフェクトなども色トレス指定される。
近年では、線画を塗りとなじませるため、線画の色を隣接した色に近い色にする(要するに線画に色を付けること)技法のことも指す。CGでは頻繁に用いられている。
絵柄や絵の内容にもよるが、色トレスによりイラストを柔らかい印象にすることができる。
ただし、塗りとまったく同じ色にすると線が逆に目立たなくなってしまうため、近くの塗り色よりも濃い色にされていることが多い。
誤用
近年は他人の絵柄の色合いを真似ることをトレス・トレパクと混合して「色トレス」と呼び、あたかも盗作のような悪いこととして言う人が少なくない。
しかし色合いのような「作風」は著作権や特許で保護されていないため真似るのはパクリではない。
そもそも人間が心地よく感じる色合いのパターンは決まっているため、真似をしなくても他人と被らないようにするのは無理である。
色トレスを誤用して悪いことかのように言うのは、言葉の使い方も法律も道義上も何もかも間違っているのでやめるべきである。