概要
「偽りの皇帝に死を!」
人類の帝国における最精鋭の一つであり、皇帝の代理戦士たる超人兵士スペースマリーン。しかし皇帝や帝国への疑念や力への渇望などから、人類に敵対する渾沌の禍つ神々への信仰と忠誠を誓った<大逆派>と呼ばれるスペースマリーン達も少なくない。
彼らは渾沌の神々からの恩寵と加護を賜り、超常的な肉体や能力を有する渾沌の戦士ケイオススペースマリーンへと生まれ変わる。
かつて忠誠を誓った君主を偽りの皇帝と唾棄し、帝国の破滅と銀河の征服を目論み戦い続けている。
帝国のみならず、オルクやタウエンパイア、そしてケイオスと因縁深いアエルダリなどのあらゆる異種族とも敵対している。
ホルスの大逆
皇帝による銀河統一の戦い<大征戦>の最中、スペースマリーン第17兵団「ワードベアラー」はその宗教的活動を皇帝より厳しく禁止された。
失意の中にあった総主長ローガーであったが、渾沌のデーモンの導きにより皇帝の支配する銀河の絶望的な未来を伝えられ、帝国の転覆を誓い渾沌への信仰に下った。
姦計を巡らせ大元帥ホルスを渾沌への信仰に転じさせ、ホルスもまた兄弟たる総主長と麾下のスペースマリーンの半数を味方につけて帝国への反乱を起こす。
<ホルスの大逆>と後に呼ばれるこの戦いには最終的に敗北したものの、大逆派スペースマリーン兵団の残存勢力の多くはこの世ならざる渾沌の空間<恐怖の眼(アイ・オヴ・テラー)>を本拠とし、今なお帝国に牙を向け続けている。
そして大逆後に創設された<帝国>のスペースマリーン兵団がケイオススペースマリーンへと堕落してしまう例も少なくない。
勢力としての特徴
スペースマリーンとしての超人的身体能力に加え、渾沌の神々から賜りし恩寵と加護によって様々な超常の能力をも獲得している。一方で兵器技術はホルスの大逆以降その発展は遅く、大逆当時の兵器が今なお運用されている。その一方で、機械と渾沌のディーモンが一体化したディーモンエンジンと呼ばれる独自の魔導機械を戦力に組み込んでいる。
その姿に誇り高きスペースマリーンの面影は最早なく、悪魔めいた角や牙、人骨や人皮などで装飾されたアーマー、変質しアーマーや武装と一体化した肉体など、見るからに悍しい姿へと変容している。
中にはディーモンに身体を譲り渡すポゼッスドや、渾沌の神々に見出され自身がディーモンそのものへ転生するディーモンプリンスとなる者もいる。
特に大逆派総主長たちのほとんどはディーモンプリンスへ転生し、<総魔長(ディーモン・プライマーク)>と呼ばれている。
関連イラスト
ワールドイーター兵団の団員"裏切り者"カーン。
その二つ名の由来はかつてエンペラーズ・チルドレン兵団(ノイズマリーン)との領土を巡っての戦闘となった時、攻めあぐねるワールドイーターの兵団員らに痺れを切らしてフレイマーで敵も味方も、更には得るべきだった領土まで焼き尽くし、殺し尽くした事に由来する。
彼の様に闘争の神コーンに忠誠を誓ったケイオススペースマリーンは「コーン・バーサーカー(バーザーカーとも)」と呼ばれ、日夜かの神に血と頭蓋骨を捧げんと闘争に明け暮れ時には同士討ち、それでも足りなければ自らの武器に身を投げるとまで言われる程の血に飢えた戦闘狂の集団である。
プレーグマリーン。疫病の神ナーグルに奉仕する。
存在自体が疫病の病巣であり、その腐り切った肉体には並のやり方では痛手を与える事は出来ない。
疫病そのものも武器として匠に扱うだけでも恐ろしいが、中でも最悪極まりないのは「死神の頭」と呼ばれる投擲物。
戦場に転がる無数の頭、その頭蓋の中をくり抜いて中に疫病と猛毒の混合物を満たし、樹脂で封をしたそれは炸裂すれば辺り一帯を汚染し尽くす疫病爆弾とでも言える不潔にして強力な武器である。
ナイトロード兵団の団員"魂狩り"タロス・ヴァルコラン。
ケイオススペースマリーンでありながら彼に混沌神への忠誠は無い。
あるのは只獲物と定めた者を嬲り、痛めつけ、その恐怖心を極限まで煽り上げてから殺し、そしてその悲痛に満ちた死に顔と魂…その甘美な味を如何にして啜るか、それだけである。
ノイズマリーン。快楽の神スラーネッシュに帰依し堕落の極みに墜ちたスペースマリーンの成れの果て。
快楽と退廃への止まぬ追求で摩耗し尽くしたその五感は最早極彩色でなければ色と認識出来ず、並の者では鼓膜どころか肉体さえ破壊される程の爆音でなければ音として聞こえない。
「音波兵器(ソニックウェポン)」という、エレキギター等の楽器に似た武器を手に戦場に現れる彼らは敵には無残な死を、そして己等には至上の快楽を齎す為にその弦を搔き鳴らす。
ルブリックマリーン。かつては総主長赤きマグヌスの元で帝国から迫害されていたサイカー(超能力者)の地位向上の為に戦い続けた戦士達。
彼らを襲った猛烈な変異から救おうと、サウザンド・サン主席司書官アーリマンが変化の神ティーンチとの契約により行った「朱書きの儀式」により、その肉体は塵と化して魂と共に永遠にパワーアーマーに閉じ込められる事となった。
今の彼らは辛うじて朱書きの変異から逃れられたサウザンド・サンの妖術師らによって操られる、哀しくも恐るべき物言わぬ人形である。
エンペラーズ・チルドレン兵団の団員"久遠なる"ルシウス。
堕ちる前はスペースマリーンでも随一の剣士であったが、その道を極めんと妄執に取り憑かれた結果混沌の道に足を踏み入れた。
スラーネッシュの加護によって得た力で自らを殺した相手の体を奪い"久遠なる"時を生き続ける。
その鎧に刻まれた顔の数々はかつて彼に勝利し、そして身体を奪われてきた者達の閉じ込められた魂が苦痛と絶望に歪んだデスマスクである。