概要
皇帝を崇拝し、教えを広める聖教会。その武装組織がシスターオ・オヴ・バトルである。彼女らは異端審問庁の中の人類の異端者狩りの部門と協力関係にあり、共に皇帝に逆らう反逆者を抹殺する使命を持つ。 スペースマリーンと同じく防御力に優れたパワーアーマーを装備しているが、中身は遺伝子等の改造を施されていない一般的な人間の女性であるためにスペースマリーンよりも能力が低い。廉価版マリーンとも言える性能を持つ。
しかしその最大の武器は狂信的な域の信仰心であり、文字通り奇跡と呼ぶ他ない不可思議な力を伴って戦いに臨んでいる。一例としては皇帝へ祈りを捧げることで傷が治ったり、死の淵から蘇ることさえある。超常的な現象という意味ではサイカー(超能力者)と類似するものの、異空間である〈歪み〉の力を利用するサイカーと異なりその原理は全く不明。(異種族ネクロンの用いるサイキックを妨害するレリックも「奇跡」には無効果である。)
帝国聖教会としては、あくまで「聖女らの信仰心に皇帝陛下が加護を与えている」という宗教的理由のみを受け入れている。
なお、肝心の皇帝陛下は「大の宗教嫌いで『論理』と『理性』のみが唯一の信じるべき思想と考えている」という設定が有るので、現在、事実上の「生ける屍」と化している皇帝陛下が彼女達の存在を知ったらどう思うかには一考の余地が有る。
(まぁ、そもそも、この件に限らずエグい皮肉がたっぷりの世界設定では有るが)
創設経緯
人類の皇帝が〈黄金の玉座〉に座し表舞台から姿を消した後、聖教会主座並びに帝国行政局の〈至高卿〉(皇帝に代わり帝国の国家運営を司る権力者たち)となったゴージ・ヴァンダイアは、その非道さと専横により"暴虐なる"ゴージ・ヴァンダイアと呼ばれる程の暴君と成り果てており、その治世は〈血のくびき〉と呼ばれ恐れられていた。
これに対し、同じく聖教会の〈光の同盟〉なる宗派の代表セバスチャン・ソアがスペースマリーンやアデプトゥス・カストーデスといった帝国の諸勢力を味方につけ対抗したことで内乱が発生した。
この最中ゴージ・ヴァンダイアは辺境の小教団〈皇帝陛下の息女ら(ドーター・オヴ・エンペラー)〉を巧みに懐柔し、自身の私兵とした事がシスター・オヴ・バトルの前身となる。
しかし〈皇帝陛下の息女ら〉は聖教会殿堂に侵入したアデプトゥス・カストーデスによる説得を受け、ゴージ・ヴァンダイアの背教を知る事となり強い怒りとともに至高卿より離反、ヴァンダイアは〈皇帝陛下の息女ら〉によって処刑された。
ヴァンダイアの死後聖教会は再編され、聖教会は新たな主座に就いたセバスチャン・ソア自身の手によって定められた〈非抵抗教条〉に基づき武装解除された。
しかし〈皇帝陛下の息女ら〉に関してはこの教条の対象外となり、聖教会の正式な組織である〈修道聖女会(アデプタ・ソロリタス)〉として迎えられ、聖教会唯一の軍事組織としての力を有している。
戦力
修道聖女会神聖大教母(アベス・サンクトルム)という最高指導者を筆頭に十二の修道会で構成され、上述の様に専用パワーアーマーや各種ボルトウェポン等が配備されている。
それだけでなくかつては同じシスター・オヴ・バトルの修道女であったものの教義に背く行動をしてしまった等の理由でそれらの栄光ある装備を没収され、奴隷の如きボロ切れの服とチェーンウェポンのみを手に贖罪の為にと死地へ投入されるシスター・リペンティア(悔悟修道女)や、生物兵器へと改造された異端者や犯罪者であるアルコ・フラジェラント(特級贖罪者)等の懲罰部隊も存在する。
そんな中でも恐れられるのが懲罰兵器ペニテント・エンジンであり、裏切り等の重罪を犯した者を剥き身の生体動力炉として組み込んだ二足歩行のロボット兵器で、敵を認識するとエンジン側から動力炉となった重罪人に凄まじい量の化学物質と神経情報が流し込まれ、目に映る敵の顔が自分の顔に見える様になってしまう。
化学物質と神経情報の強制的な書き換えによる想像を絶する程の激痛に全身を苛まれ、更には自分を殺そうと向かってくる自分を殺さねばならないという、余りにも狂った状態に置かれたままペニテント・エンジンとなった者は死という唯一の救いが訪れる時まで戦わねばならず、その苦痛こそがペニテント・エンジンを動かす動力となるのだ。
これだけでも恐ろしいが更に上位機種としてモーティファイアという、重罪人をアダマンチウムの棺で覆い隠したモデルも存在し、それは決して動力炉である重罪人の保護を考えた物ではなく外部からのダメージで早々とした死が与えられない様にして苦痛と狂気で消耗し尽くした末の最期を迎えさせる為という、残酷無比な理由からのものである…。