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ケルシー構文

けるしーこうぶん

ソーシャルゲームというジャンルの台頭によりゲームは現実時間に即した体験を与えることが可能となった。その日その時、ゲームをプレイするユーザーに感動を与えるにはキャラクターの言動、つまりセリフに特徴を与える事が有効な手段といえる。その手段には一人称を変える、語尾を付ける、発言に詩的表現を与える、支離滅裂な発言や逆に複雑だが読み解けば意図がわかるといった台詞そのものにゲーム性を与える等多岐にわたるだろう。しかしソレを「構文」と俗語化してしまうのは如何なものか。君も、言葉の持つ力へ想いを馳せてみて欲しい
目次 [非表示]

Q.ケルシー構文とはどういうものですか?編集

「百科事典」というものの存在によりある人物の知識を他者へ共有し、集合知の認識を共有する技術は人類の知能の発展に大きく貢献してきたことは確かだろう。しかしネットの普及、グローバリズムによる情報の飽和、意味の経時的な変化が及ぼす影響は既存の事典の在り方を崩壊させた。その結果が有志の有識者による知識の解説、そしてリアルタイムによるアップデート手段の発展だ。wikipediaやニコニコ大百科、そしてピクシブ百科事典がそうと言える。

特にここはネットミームやサブカルチャーの情報に富んでいる。「ケルシー構文」という単語にすら記事があるほどだ。こういった胡乱な情報の取得手段としては有用だろう。しかしこれだけを信じるのはやめておいたほうが良い。編集者の認識によっては、その記事化された単語が持っていた本来の用途、もしくは最初この言葉が産まれた時の意味から外れている可能性もあれば、悪意を持って編纂されたものも少なくない。この記事だけを読んでケルシー構文を知った気になるのは危険だ。間違った使用により傷つくのは君の友人か、あるいは君自身となりかねない。

鉱石病がどのように感染するか、どうしたら感染しないのか、はその知識を知っている。だからこそ、ロドスで君は感染者の交流を問題なく行えているはずだ。しかしテラに住まう人類全てが君のように、あるいはロドスの職員ほど鉱石病への知見があるとは限らない。ウルサスの市民が感染者に何故あれほどの仕打ちを与えるのか。それはひとえに無知と無理解、そして国威への過度な信頼あるいは依存からくるものと言っても過言ではないだろう。自分の意志を持って動くというのは存外、誰にでもできる事ではない。

本当に無知な者は、無知であることを恥じるための無知の認識すらない。これは太古の哲学者が説いた金言だ。まず、自分は何も知らないということを自覚し、ではどうすれば知ることができるのか、どう知ればいいのかを考え抜くことだ。身構える必要はない。ケルシー構文においてはそう難しいことではないからだ。構文化するほどには多数の共通認識が産まれているということは、それだけ簡単に情報の源泉に触れることができる…ということを意味している。たとえ今、アークナイツをプレイしていない君でも、な。


これ以上はもう言わなくてもわかっているだろう。概念的なものに対しては、実感に勝る理解などないのだ。












Q.・・・つまり、ケルシー構文とはどういうものですか?編集

「要点を言ってくれないか。」


「ケルシー先生って、話題によってはやたら言葉を修飾し始めるわよね?」

「確かに回りくどいけど、いつもこんなものじゃない?」

「我らが先生ときたら、いつもたくさん考え事をしているわりに、心遣いを表現するのは下手なのよねえ。」


「いい加減にしろ。クルビアの傭兵のリーダーは、全員お前みてぇに話が長いのか?」


Q.・・・だから、結局ケルシー構文とはどういうものですか!?編集


つまりこういう非常に難解な文章である



概要編集

ティフォンとケルシー

ソーシャルゲーム、「アークナイツ」に登場する重要人物、ケルシーの独特な喋り方が本当に独特的すぎるが故にネットミームとして構文化したものを指す。

ケルシーというキャラクターは序盤からプレイヤーをアバターであり主人公である「ドクター」に接してテラという舞台のおかれた状況や世界情勢を事細かに伝え、主人公がなすべき事を導く役割を受け持っているのだが、それにしても説明が長ったらしく、スケールがでかく、一気に大量の情報を詰め込み、それを圧縮して伝えてくるため、極めて難解であることが特徴。

年々、ゲーム性ではなくストーリーのテキスト量がインフレしていることで知られるアークナイツだが、そのテキスト量の多さに加担しているのが彼女の発言といっても過言ではない程、彼女の説明は非常に長く、そして複雑である。


特徴編集

基本的に彼女の台詞は攻略wikiで以下のように解説されている。


  1. まず、現時点で判明している事実を整理する。
  2. 次に、事実から推測可能な現在の状況を述べる。
  3. その上で、取りうる選択肢と予測される結果を提示する。
  4. 予測される結果と状況を照らし合わせれば最善の選択肢は自明。

…という内容を、誤解の無いよう詳細な言い回しで、主観的判断を排除しつつ滔々と話す。


つまるところ彼女の発言は非常に論文的であり、例えるなら1.で「背景」を説明し、2.で「目的」、3.では「材料と実験方法」、そして4.で「結果」を述べている。


そして論文で一番重要な「結論」を聞き手に委ねる


この最後の「結論を聞き手に委ねる」が厄介であり、最終的にどうすればいいのかの選択肢を全部説明で潰したうえで残った選択肢を選ばせる(ここまで伝えたんだからどういう結論が出るかはもうわかるな?という事)のである。

やられる側はたまったものではなく、環境や種族的迫害故に学が無い(浅い)サルカズという種族の傭兵たちは彼女の説明をまともに聞き入る事はできず「全員がお前みたいに頭がいいと思うな」とキレるし、学がある人物はそれ以外の手段を実質的に選べないことを理解するため、たとえ別の手を取りたくてもケルシーが提示した選択肢しか選べないという状況に陥る。主な被害者はフォリニックとパッセンジャー、そしてドクター。

また、国を運営する老獪な人物に対しても同様の話し方をするが、彼らは彼らで理詰めで動かない情動的な存在に理解があるため「(ケルシーに提示された)最善の手段を取ることが必ずしも国家あるいは市民に利をもたらすとは限らない」と提案を根底から蹴とばすこともあるため、交渉がこじれ、最終的に敵対することになることも少なくない。

特に「最善手を他の選択肢を潰したうえで提示する」という行為が為政者にとっては「交渉のイニシアティブを奪う」行為に他ならないため、たとえ最善であることをわかっていても大国のメンツ故に蹴らざるを得ない人物もいる。


一方で境遇が切羽詰まっているような国家や勢力にとっては一分一秒も惜しんで欲しがる「どのような最善手が存在するか」を根拠だてて提示されることに等しいため、彼女の構文立って提示された選択肢を重宝する人物も少なくない。特に陸地の事情に詳しくない状況で海の状況も推測した上で陸の情報も加えて取るべき手段を得られるという点でアビサルハンターは彼女の言動を(面倒くさいと思いつつ)も好意的に受け止めている


なんにせよ、彼女のセリフは良く言えば最善の選択肢を懇切丁寧に伝えているのだが、悪く言えば相手を雁字搦めに縛り付ける厳しい言動にも見える非常に解釈の難しいセリフとなっている。


構文の構成としては先ほどの4ステップで説明可能だが、以下はその上で各ステップに何を組み込まれているのかという特徴を解説する。


スケールがデカい編集

wikiで説明されている内容の「1.まず、現時点で判明している事実を整理する。」の部分。この背景説明をする際、彼女は大体テラ(世界)で起きている諸問題から引用してくる

「(感染者の暴徒集団である)レユニオンのような組織がこれ以上産まれないよう、感染者の保護が必要」という議題に対して「なぜ感染者が迫害されるのか」「その迫害とは具体的にどの国でどのように行われているのか」というところから始めてくるため、必然的に話題のスケールが大きくなる。特にこの議題の場合一国では済まない問題なので必然的に「ウルサスではどんなことがあるか」「ヴィクトリアではどうか」「クルビアでは~」「龍門も~」と続々各国の感染者迫害事情が列挙される。ストーリーを流し読みしている場合、この時点でお腹いっぱいになってしまうだろう。しかしこれは前述のように論文で言うところの背景の説明の部分であり、ここで止まっていてはケルシーが結局何を言いたいのかにたどり着くことは到底不可能である。


自分しか知らない単語や情報を平気で混ぜ込む。編集

所謂パルスのファルシのルシがパージでコクーンである。先述の「スケールがデカい」にも連なってくる要素。

ケルシーは長生きなキャラクターであり、劇中では既に故人になっている人物とも交流を持っていたり、イベント・メインストーリー後半になって登場する超重要人物とも実は交友関係を持っていて彼女が出てくることで平行線だった対話がようやく交わるといったことも起こる。


問題はその「彼女しか知らない情報、キャラクターの発言や行動」を思いっきり文章に混ぜ込んでくることである。

ある意味ではその時点で出てきた単語が後々思わぬ形で登場するため伏線を散りばめている(後の脅威・戦力となるため今のうちに意識して欲しいという老婆心とも解釈できる)と言えば聞こえはいいが、龍門という地区で暴れているレユニオンの話をしているところに、その時関わることがまず無い勢力や国家の重鎮についての話をされても困る…というワケである(しかし前述のように伏線であることが多いため、安易に目を滑らせると後々の感動が半減する可能性があることに注意)。


自分の真意を包み隠す編集

例えば外出する人にむけて「気を付けていってらっしゃい」という言葉を伝えるだけで済むところを「何故外出する時に気を付けなければならないのか」「外出することにどういった価値があるのか」といったようにいってらっしゃいを素直に言わず(言えず)とにかく気を付けることの重要性と外出することの意味を長々と述べて相手に「外出する時は気を付けるよう」という意識を植え付けて結果的に「気を付けていってらっしゃい」と伝えている。更に途中でやる気をなくす可能性も考え「外出したくなくなったらどうしたらいいか」という外出しない可能性のことまで丁寧に伝えてくる。

そのため、非常に長く重要な解説をしているのかと思えば、実際は単純にドクターやアーミヤを心配しているだけといったパターンが多い。


コレがわかりやすいのはキャラクターを秘書任命した際の会話ボイス。

一例を挙げると、「君に何かあると心配だからちゃんと診察を受けて欲しい」と言うだけの言葉が「ドクター、かけてくれ。ただの回診だから、そう固くなるな。もし身体に何か違和感があれば、ありのままを教えてくれ。意味、か。ロドスにとっての意味はともかく、少なくとも私にとってはかなり重要な意味を持つことだ。」になる。


曖昧な着地点を設定しない編集

ケルシーは結論こそ相手に委ねるがその結論が必ず自分の想定と合致するくらいには前提条件をガチガチに固める。

前述の例から続けて、外出する人が「何に気を付けたらいいのか」と言ってきたとして、通常なら「車に気を付けて」とか「迷子にならないように」と想像できるいくつかのリスクを伝えてとりあえず(述べていない色んなリスクも含めて)気を付けてもらおうとする。しかしケルシーの場合、考え得るリスクを列挙し、それら全てに意識を向けて気を付けてもらおうとする。「車に気を付けて」ひとつにしても「横断した時に相手から見て死角かもしれない」「運転手が泥酔しているかもしれない」「天災が起きて車が横転し、歩道にいるのに突っ込んでくるかもしれない」「誰かに押し出され、車にぶつけられるかもしれない」等の考え得るリスクをとにかく伝えて完璧に備えさせようとする。結局、最終的な着地点は全部「気を付けて欲しい」だけなのに。


主人公は作中に置いても代替不可の重要人物であるため万に一つのことがあってはならないのだが、その万に一つを引かないために万に9999の手段を設計し伝達する、究極の「かもしれない思考」である



自分が発言することによって相手が成長して欲しいと願っている編集

ケルシーの特徴として相手を素直に褒めないというものがある。努力した相手に対して「その努力にどのような意味があるのか」「努力の末に得られたものの価値」についてを説明し、間接的に「(そんな努力をした)君は偉い」ということを伝える。

「ここで満足してはいけない」という期待から来る発言であることが多いのだが、普通に褒めて欲しい時にコレでは息が詰まるというものであり、付き合いの長いフォリニックやアーミヤは問題なく受け止められるが、イベント「遺塵の道を」においてはある件でトラブルに見舞われ憔悴している幼少期のパッセンジャーをこの喋りで意図せず追い詰めてしまうこともあった。


一方で本人が介在しない時はかなり素直に褒めることが多く、フォリニックがいない場でフォリニックの成長を認め、アーミヤがいない場でドクターに対してアーミヤが如何に大切な存在であるかをかなり直球に伝えている(そして間接的にアーミヤのためにも自分たちは頑張らなくてはならないと暗に伝えている)。本人に伝えてあげればいいのに…



ゲーム外では編集

この複雑極まりない彼女の発言を再現するのはとてつもなく難しく(筆者でも例文で構文を再現できているとは言い難い)、二次創作におけるケルシーの言動を困難にさせている最大の要因となっている。

このケルシー構文が非常に強く発揮されるのは「相手に選択を委ねる」場合や「相手の無事を願っている」時が多いため、やらかしたドクターに対する説教や過労のドクターに対して何か長文でまくしたてているという時に「*ケルシー構文*」といった具合に劇中でもFワード故に伏せられる際に使われる「*○○スラング*」のように省略されることが多い。


ケルシー構文ばかりが取り上げられがちな彼女であるが、淡々と自分の真意を伝えることができないわけではない。ただ、ちょっとばかしできることが多いせいで、できなかった経験が多いせいで、信頼を置ける人物に過度な心配をかけてしまうだけなのだ。

時にはこんなアッサリと真意を伝えることもできるのである。



「私の願い?それは、君とアーミヤの願いを守ることだ」




関連タグ編集

アークナイツ 構文 ケルシー(アークナイツ)




怪文書

イラスト型怪文書 構文を使用すると必然的に背景を埋め尽くすテキスト量になるため

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