概要
『ゴールデンスランバー』は、伊坂幸太郎による小説。
首相暗殺の濡れ衣を着せられた男の、2日間に亘る逃亡劇を描いた作品。2008年本屋大賞受賞、第21回山本周五郎賞受賞作品。『このミステリーがすごい!』2009年版1位。
著者にとっては2年ぶりの書き下ろし作品である。作品は、全部で五部から構成されており、第四部「事件」が作品の大半を占めている。序盤から多くの伏線がはられ、魅力的な人物が数多く登場し、それまでの著者の作品のエッセンスが数多く含まれていることから、本作発表時点での著者の集大成と評されている。
この作品では、主人公の昔の彼女や、大学のサークル仲間といった周りの人たちとの絆が大きな役割を果たしている。
2010年に映画化。主演は堺雅人。監督は中村義洋。その後も舞台化、韓国で新たに映画化された。
登場人物
- 青柳雅春(演:堺雅人)
本作の主人公。数か月前まで宅配便の配達ドライバーをしていたが、現在は退職しており失業保険で生活している。
数年前、当時のトップアイドルであった凛香を暴漢から助け出したことがあり、一躍時の人となった。
金田首相暗殺の濡れ衣を着せられ、逃亡の身となる。
- 森田森吾(演:吉岡秀隆)
青柳雅春の学生時代の友人。「森の声が聞こえる」と冗談混じりながらも、観察力に基づく鋭い洞察を示す。結婚し子供もいるが、妻がパチンコにはまったことで多額の借金を抱えている。
久し振りに再会した雅春に、彼が巨大な陰謀に巻き込まれていることを伝え、逃亡を促した後に、車に仕掛けられた爆弾で爆死してしまう。