「 わしは今でも聡明で美しいおぬしのことが好きじゃ 」
「 …またわたくしを、友と呼んでくれますか? 」
概要
共に御柱都で暮らしていた女神で、「ココロワ」「サクナさん」と呼び合う間柄。
血筋ひとつで親から引き継いだ大役に胡坐をかいて奔放に振る舞うサクナヒメと、親友である彼女にどこか引け目を感じているココロワヒメの不穏な温度差が、物語の序盤からこれでもかと匂わせられている。
しでかした不始末の責を負う形で都を追放されてしまったサクナヒメが離島で自給自足の稲作生活に奔走する傍ら、積み上げてきた業績がようやく認められたココロワヒメは都でお役目を頂くことになるのだが、それさえも素直に喜ぶことができないココロワヒメの面倒くさい性格も相俟って、やがて二人は正面から激突することになる。
傲岸不遜で屈託のないお転婆娘と、憧憬や羨望を拗らせてしまった才媛が、すれ違い、ぶつかり合い、真に無二の親友となる王道どストレートの物語に、「農耕と機械文明」という切っても切れないモチーフを織り交ぜた関係性は、女の子同士の友情に敏感な界隈のセンサーを刺激するには十分すぎるものであった。
ちなみに二人の関係は製作スタッフの同級生に着想を得たものらしい。
また、サクナヒメが折に触れて話題にする愛読書『片恋物語』の作者である「朧月香子」がココロワヒメの筆名であることが作中で示唆されている。
目の前で始まる『片恋物語』談議に動揺を抑えながら、「いつまでも未練がましく続く恋愛譚」と評したココロワヒメの胸中は推し量るより他ないのだが、そうとは知らずに続刊を熱望するサクナヒメに感謝の言葉を返したところを見るに、もしかするとそのうち第1201巻が上梓されるのかもしれない。
ちなみにここまで行くかは絵師や二次創作者による