CV:池田秀一
概要
「黒いアリス」の「憎悪」がプログラムされている。涼の右腕がARMS化している。初期状態は生物的でややグロテスクな形状だったが、圧縮空気砲の獲得、完全体の覚醒など進化を重ねるうちに手甲のようなシンプルで洗練された形状となった。伸縮自在の柔軟性と高いパワー、神経ガスすら即座に無効化する高速再生能力を備え、「ジャバウォックの爪」に搭載されている「ARMS殺し」機能を通常形態時においても発動できるなど、他のオリジナルARMSとは一線を画した戦闘力を持つ。また詳しい原理は説明されていないが、ジャバウォックの爪には精神シールドや空間の断裂などの物理的な破壊は不可能な物体でさえも切り裂く能力が備わっており、その力はARMS殺し機能と同じくたとえ本体から離れ爪だけになっても失われず、それを回収した巌の要所での切札となった。
最終形態では頭髪が逆立った鬼のような凶悪な風貌となり口からの火炎放射、大爆発を引き起こす砲撃など主に炎(熱)を操る。“破壊の王”を自称しその禍々しいまでの存在感、極めて凶暴な性質と圧倒的な戦闘力から「魔獣」と呼ばれる。
ARMSの中でも特に進化が激しく、他のARMSや機械からエネルギーや能力を取り込んだり、攻撃を受ければ受けるほど、戦えば戦うほど、涼の憎しみが強まれば強まるほど“力”は増していき、戦いの中で大砲のように変化して電磁誘導を利用した砲撃や、高速移動(超音速移動)や反物質の生成、超振動発生能力を生み、際限なく強くなっていく。さらには核弾頭までも取り込み、自らの力の呼び水としていた。また一部の力は第二形態までの涼にもフィードバックされている様子が見られ、覚醒編以降は涼の怒り、憎しみに呼応し全身にナノマシンが広がる事によって、右腕以外の部分にも驚異的な怪力、敏捷性が備わる中間形態とも言える形態に変化することもある。
他の3体のオリジナルと比べて極めて異質なARMSであり、エグリゴリの研究班をもってしても“制御不能”“ブラックボックスが多すぎ解析不能”と言わしめた存在で、当初はプログラムに従って全てを破壊しようとするのみで涼の意思など意に介さず、傲慢な態度をとることが多かった。
覚醒してからしばらくの間は、涼に対しても凄まじい憎悪をあらわにしており、お互い相容れない存在だったが、共に戦ってきたことで次第に人間の心を理解し、レッドキャップス編終盤にて自身の意思で涼に共存の誓いを立てるなど、プログラムを超えた自身の意思に目覚めていく。最終的には一人称が「我等」になるなど涼とは相棒のような関係になっている。
ジャバウォックの爪
常時「ARMS殺し」の力を宿すジャバウォックの右手の爪。上述の通り本体から切り離されていてもその力を発揮し、使い手の意志に応える様な描写もある。劇中では後述のホワンとの最終決戦において、高槻巌が使用した際、光の長剣の様な姿に変貌。ホワンの「魔剣アンサラー」を打ち破り、彼を唐竹割に一刀両断してトドメを刺した。