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概要

人間の能力をより高みへと昇らせるために(理由は多々あるが)生み出されたとされる、炭素生命体と珪素生命体のハイブリッド生命体。ナノマシン(厳密には金属生命体の細胞)の集合体であり、ナノマシンを統括する力を持ったARMSのコアを人間に移植、もしくは人間の体内でコアが生成されることで誕生する。


ARMSは人間を越えた能力を持ち、怪我の治癒速度の向上や、一度受けた攻撃に対する耐性ができる他、その人間が元から持っている能力も引き上げられる。また、ARMSのコア自体は心臓付近や頭部などに移植されるが、移植後にその人間の欠損部分を自らの細胞で補う性質があり、補われた部分は普段は人間の体と全く変わらないよう擬態しているが、戦闘時には使用者の意図に従い形を変える。戦闘形態時のその身体は炭素をベースとした地球上の生命体とは異なり、珪素をベースとした物質で構成されている。金属の特性を持ち、硬度があり電気を通すが、それ自体が分裂増殖、変形し、人間を超えた高い運動能力を持つ。ただし基本的に精密機械と同様で、電撃を受けると機能が麻痺してしまう。ARMSの細胞で補われた部分が戦闘形態へ変形した状態を第一形態と呼ぶ。その状態では変形した部分以外はほとんど生身の状態であるが、ナノマシンが全身を侵食することで再生能力、身体能力共に向上していき、全身がARMS化して移植されたARMSに応じた独自の姿をとった状態を最終形態や完全体と呼び、より強大な力を使う。


ARMS同士が近くにいると、ARMSを移植された部分が振動する共振反応が起こる。共振はARMSによって違うが、熟達すれば自らの共振波を抑制することも出来る。

通常の人間がARMSを移植されても、短時間で全身が侵食され乾いた泥のように身体が崩れ去ってしまう。しかし、ARMSに侵食を受けずに生き残れる遺伝子的な素質を持つ適合者は上記のような力を得ることが出来る。しかし、その数は非常に少ない(アル曰く1000万人に1人)。

ARMSは触れた物体の組成を変える力を持ち、時に人類の知る物理法則を超えた力を発揮する。また、人間の“意思”や“願い”に呼応して力を生み、適合者である人間やARMS自身の意思の力により能力向上や新しい力を得るといった進化も行う。


なお、オリジナルARMSとアドバンスドARMSが不思議の国のアリスの登場キャラクターをモチーフにした形態を持っているのは、これらのARMSの「母」たるアリスがこの物語を心の拠り所にしていた影響である。無機質な施設に閉じ込められてあらゆる自由と人権を奪われていたアリスにとって、不思議の国で自由奔放に活躍する「アリス」は憧れの対象であり、自身の理想像であったのである。

また、「ARMS」というネーミングはエグリゴリと同じくエノク書から由来するものである。エノク書においてエグリゴリが人間に与えたとされる数多くの知識と技術の中で、代表的なものに「武具の技術」がある。そこから、エグリゴリによって作り出された人類を新たなステージに導くこの生命体を「ARMS」(武器)と名づけたのである。


全てのARMSの始祖は、地球誕生と同時に生まれたと推測される珪素生命体アザゼル」である。アリゾナ州で1960年代に発掘された。エグリゴリによる解析作業中、暴走を起こし近場に居た研究者達と同化を図った。しかし、たった一人を除いて全員が全身崩壊して死亡。以降、アザゼルは危険視される事となった。


アザゼル

アザゼル-α

ティリングハースト達ミスカトニック大学の研究者達がアリゾナから発掘した最初のアザゼル。初の交信実験中に突如暴走を起こし多数の死者を出したが、後にこれがARMS計画の第一歩となった。

事件後はギャローズベルに保管され仮死状態となっていたが、イプシロンによるギャローズベル攻略戦中にジャバウォックに共振し目覚める。自分の力の無さに絶望を抱いた涼に呼応しかけるが、それをおさめたユーゴーと涼の友愛の心に触れ、自身の身を犠牲にして施設内のすべての毒ガスを中和、最期は涼に「わが子らよ、生きろ」とメッセージを残し砕け散った。


アリス<アザゼル-β>

CV: 久川綾

エグリゴリの地下施設で暴走を起こしたアザゼルがその元である。アリスによって沈静化した際「人の心」に興味を示し、それを求めていることが判明したことから、コンピューター・プログラミングによってアリスがアザゼルに「心を造る」作業が開始される。その作業とは、膨大な数の、人間同士がやるような日常的な質疑応答のコミュニケーションを繰り返して、アザゼルにインプットするというもので、その作業はエグリゴリに生み出された少女アリスによって担当される。アリスとの「語らい」で次第に心を持ち始めたアザゼルはアリスを愛するようになり、「人の心を持ちたい」から「アリスになりたい」と願うようになる。そして、事故によって瀕死の状態になったアリスを吸収・融合して「始まりのARMS」となり、さらにその分身として、アリスの心を受け継いだ4つの「オリジナルARMS」を生み出した。

アザゼルの中では人を憎む「黒いアリス」と、善良な「白いアリス」が常に葛藤を続けており、キース・シリーズに指令を出していた。「黒いアリス」の指令を受けたキース・ブラックがアドバンストARMSの適合に成功したことで、ブラックを介してエグリゴリを支配し、さらに超巨大コンピュータでもある「アリス」は、全世界の核防衛システムを乗っ取ることで、各国政府も支配している。


アザゼル-Ω

プログラムバンダースナッチのために用意された、アリスに匹敵する巨大さを誇るアザゼル。キース・ホワイトはこれを使って地球との融合を目論んでいた。


オリジナルARMS


アザゼルがアリスと融合した際に生み出された始まりのARMS。“黒いアリス”と“白いアリス”の想いがプログラムされ、それぞれが自らの意志を持ち、強大な力を持つ。また如何なる傷も跡も残さず短時間で治すARMSに細胞レヴェルで「死」をプログラムし、決して治らぬ傷を与える「ARMS殺し」を備える。


  • ジャバウォック<魔獣>

CV:池田秀一

「黒いアリス」の「憎悪」がプログラムされている。涼の右腕がARMS化している。初期状態は生物的でややグロテスクな形状だったが、圧縮空気砲の獲得、完全体の覚醒など進化を重ねるうちに手甲のようなシンプルで洗練された形状となった。伸縮自在の柔軟性と高いパワー、神経ガスすら即座に無効化する高速再生能力を備え、「ジャバウォックの爪」に搭載されている「ARMS殺し」機能を通常形態時においても発動できるなど、他のオリジナルARMSとは一線を画した戦闘力を持つ。また詳しい原理は説明されていないが、ジャバウォックの爪には精神シールドや空間の断裂などの物理的な破壊は不可能な物体でさえも切り裂く能力が備わっており、その力はARMS殺し機能と同じくたとえ本体から離れ爪だけになっても失われず、それを回収した巌の要所での切札となった。

最終形態では頭髪が逆立った鬼のような凶悪な風貌となり口からの火炎放射、大爆発を引き起こす砲撃など主に炎(熱)を操る。“破壊の王”を自称しその禍々しいまでの存在感、極めて凶暴な性質と圧倒的な戦闘力から「魔獣」と呼ばれる。

ARMSの中でも特に進化が激しく、他のARMSや機械からエネルギーや能力を取り込んだり、攻撃を受ければ受けるほど、戦えば戦うほど、涼の憎しみが強まれば強まるほど“力”は増していき、戦いの中で大砲のように変化して電磁誘導を利用した砲撃や、高速移動(超音速移動)や反物質の生成、超振動発生能力を生み、際限なく強くなっていく。さらには核弾頭までも取り込み、自らの力の呼び水としていた。また一部の力は第二形態までの涼にもフィードバックされている様子が見られ、覚醒編以降は涼の怒り、憎しみに呼応し全身にナノマシンが広がる事によって、右腕以外の部分にも驚異的な怪力、敏捷性が備わる中間形態とも言える形態に変化することもある。

他の3体のオリジナルと比べて極めて異質なARMSであり、エグリゴリの研究班をもってしても“制御不能”“ブラックボックスが多すぎ解析不能”と言わしめた存在で、当初はプログラムに従って全てを破壊しようとするのみで涼の意思など意に介さず、傲慢な態度をとることが多かった。

覚醒してからしばらくの間は、涼に対しても凄まじい憎悪をあらわにしており、お互い相容れない存在だったが、共に戦ってきたことで次第に人間の心を理解し、レッドキャップス編終盤にて自身の意思で涼に共存の誓いを立てるなど、プログラムを超えた自身の意思に目覚めていく。最終的には一人称が「我等」になるなど涼とは相棒のような関係になっている。


ジャバウォックの爪

常時「ARMS殺し」の力を宿すジャバウォックの右手の爪。上述の通り本体から切り離されていてもその力を発揮し、使い手の意志に応える様な描写もある。劇中では後述のホワンとの最終決戦において、高槻巌が使用した際、光の長剣の様な姿に変貌。ホワンの「魔剣アンサラー」を打ち破り、彼を唐竹割に一刀両断してトドメを刺した。


  • ナイト<騎士>

CV:小杉十郎太

「白いアリス」の「仁愛」がプログラムされている。隼人の左腕に移植された近接戦闘用ARMS。鉤爪に加え、全ARMS中最強の硬度を持つと言われ、限界こそあるが伸ばすことも可能なブレードを持つ。後に進化し、ブレードと大型の盾と射出可能なニードルが一体となった形状となった。刃がなくなり全身にARMSが回った格闘形態ともいえる形態をとったこともある。

最終形態では、その名の通り全身に甲冑を纏った騎士の姿となる。右腕は超振動によって相手を粉砕する「ARMS殺し」の「ミストルテインの槍」となっている。左腕は初覚醒時にはブレードがなくなっていたが、その後は復活し、終盤では完全体での戦闘においてもニードルやブレードを併用し機転を利かした戦いに一役買った。後に槍は進化し、刀身全てが光り輝く双頭の槍(「神槍」)へと姿を変えた。これは隼人の意思で自由に変形可能で、エネルギー状となった刀身を長大化させたり、高速回転させることによりブリューナクの槍すら防ぐシールドと化す。また、隼人に全感覚を委ねることで、「水の心」を始めとした超感覚や、隼人の技量を使うことも可能となる。ただし感覚を全て委ねる必要があるため、痛覚も伝わる。

ジャバウォックとは逆で非常に理性的であり、基本的には隼人の意思を優先させ、高潔な騎士を思わせる心を持ち、純粋に誰かを守りたいという心に反応する。しかし、その存在は世界の破壊者に成りうるジャバウォックの対をなす世界の守護者として存在しており、暴走したジャバウォックに対するカウンターとしてプログラムされているため、ジャバウォックが暴走すると隼人の意思を完全に無視して、即座に殺しに向かう。しかし、プログラムに反する隼人の意思を知り同調することでさらなる力を得ていく。

比較的人気のあるARMSであるが、ブレード自体は決して活躍したとはいえない。作中でもキース・レッド、キース・ブラック、コウ・カルナギなど、数々の強敵に折られている。



  • ホワイトラビット<白兎>

CV:中田浩二

「白いアリス」の「勇気」がプログラムされている。武士の両足に移植された高速戦闘用ARMS。純粋な戦闘力は低いと言われているが、移植者に驚異的な脚力をもたらし高所からの着地も苦にせず、視認することすら困難な高速移動や長距離跳躍、攻撃時にはそれらを生かした回し蹴りや飛び蹴りで立ち回る。クリムゾン・トライアッド戦にて、第二形態に覚醒。圧縮空気を噴射することによって飛行することも可能になり、アニメやゲームでは噴射を利用した攻撃も見られた。

最終形態では、ウサギと鳥と人を混ぜたような姿となり、背には蝙蝠のような大きな翼を備える。翼と手足を折りたたみ戦闘機のような形態になることで、音速(極超音速程)を超えた速度を出すことも可能でそれを利用した突進やソニックブームで敵をバラバラに解体する。後に「白いアリス」と一時的に融合したことで全身が光り輝き、空間の断裂すら砕く「ARMS殺し」機能を得る。終盤は「白いアリス」がいなくなった為か常時光を放ち続けることは出来なくなったが、「白いアリス」がいなくてもARMS殺しの機能は健在で、完全体と化したモデュレイテッドARMS部隊との決戦では明らかな数的不利にもかかわらず一歩も退くことなく単騎で彼らを全滅させ、その戦闘力を遺憾なく発揮した。

"導く者"の名の通り、知的な面を見せ、静かな義務感を抱き、多くの者を導いた。しかし、ナイトと同様にジャバウォックが暴走した際にはカウンターとして、武士の意思を無視してジャバウォックの滅殺に向かう。アリスの世界での姿は童話「不思議の国のアリス」における白ウサギそのものであり、性格や言動もややおっとりとした柔らかなものとなっている。しかし"導く者"としての使命は忘れておらず、アリスの世界と現実世界の状況を目の当たりにした武士の覚悟を試すような言動も見られた。


  • クイーン・オブ・ハート<ハートの女王>

CV:山口奈々

「白いアリス」の「審判」がプログラムされている。恵の両眼に移植された偵察用ARMS。空気の流れや相手の熱源反応、筋肉の動きに至るまであらゆることを見通し、透視能力まで備えている。1キロメートル先の本が読めたり、飛んでくる弾丸も捉えることも可能らしいが、「視る」こと以外の能力は、常人とあまり変わらない。再生能力も他のARMSと比較すると低いと思われる描写も見られる。

唯一、最終形態となっても身体が変異しないARMSであり、恵を包む形でホログラム(正確には力場)が現れる。攻撃能力自体は無いが、あらゆる攻撃を跳ね返す「アイギスの鏡」を持つ。

ARMSと生みの親たるアリス自身への疑いが生んだ“審判者”であり、適合者の意思により全てのARMSを適合者諸共滅ぼす禁断のプログラムを備えている。物語ではそのプログラムが実行されることはなかったが、「女王」の名の通り事実上最強のARMSである。終盤に見せたその仮面の下の素顔はアリスであり、アリスの想いをもっとも受け継いだARMSといえる。


アドバンストARMS

自らの意志を持つオリジナルARMSとは異なり、人為的な意思の介在しない純粋なコアに、制御用の人工知能(戦闘AI)をプログラムしたより実戦的なARMS。移植者の意思によって自由に完全体への変化を行える。但しこの戦闘用AIは「アリスの想い」を複写した様なものである為、固有の意識こそ持たないものの、本質的にはオリジナルと変わらない。


  • グリフォン<幻獣>

キース・レッドに移植されたARMS。コアは頭部にある。宿す「アリスの想い」は劇中では終ぞ描写されなかった。両腕がARMS化しており、腕やブレードを高出力の振動子(トランジューサー)として、強力な超振動と超音波を操り、触れるもの全てを粉砕し、あらゆるものを切り裂く。

最終形態の姿は両腕部と一体化した巨大なブレードを携えた人型。頭部から背に向けて生えるたてがみにも似た無数の突起物や、口先が鳥のようにとがっている点でグリフォンを思わせる特徴を持っている。腕部を振るっただけで強力な振動波を発生させ、片手で発生させた超音波でビルを粉砕するなど超振動・超音波を用いた攻撃はより強力なものとなり、背中の突起物を逆立たせ全身を超音波兵器へと変化させることにより、全方位広範囲を強力な超音波で攻撃することも可能。

キース・レッドは欠陥品の使い捨てと言われているが、能力的には十分に他のキース・シリーズと肩を並べるだけの戦闘力はある。


  • マッドハッター<帽子屋>

キース・シルバーに移植された砲撃型ARMS。コアは胸部にある。宿す「アリスの想い」は黒いアリスの「闘争心」。左腕がARMS化しており、掌の荷電粒子砲「ブリューナクの槍」から摂氏数万度の荷電粒子ビームを放つ。また、指先から高出力の電撃を発生させることにより、実体弾に対するバリアとして用いることや放射電撃としても使用可能である。ただし、光学兵器という性質上ある程度のチャージを必要とする上、常時数万度という超高温を扱うが故、連射性には難があり、無理に連射しようとすると全身が焼きつき熱暴走を起こしてしまう。

最終形態の姿は髑髏のような顔をしたやや細身の人型。後方に伸びた後頭部が「帽子屋」を連想させる特徴となっている。両腕から超出力の荷電粒子砲を放つことが可能でその威力は通常時の比ではない。通常形態時の弱点であった発熱による熱暴走も後頭部や背面にある排熱ダクトによって解消されている。またジャバウォックと同じく傷つけば傷つくほどその力を増していきジャバウォックの反物質砲をすら超える力を得ようとしたが、涼との戦いにおける急激でアンバランスな進化の結果、増大したARMSの力がARMSの耐久力を超えてしまい、メルトダウンを起こしてしまう。


  • チェシャキャット<チェシャ猫>

キース・グリーンに移植されたARMS。コアは胸部にある。宿す「アリスの想い」は白いアリスの「希望」。ホワンの遺伝子プールからサンプリングした空間を操る超能力のデータが組み込まれており、空間転移や位相ずらしによるステルスの他、対象の強度や物理特性を無視し、あらゆる物体を切り裂く空間の断裂を得意技とする。キース・グリーンの性質によるものなのかは定かではないがARMS本体による直接的な格闘戦の描写はほとんど無く、ジャバウォックに左腕を掴まれた際それから逃れる為に一度発動させたのみである。

最終形態の姿は人型の多いARMSの中では珍しく、巨大なネコのような四足獣の姿をしている。三本の尾を大きく伸ばし、そこから放たれる豪雨の如き無数の高密度空間断裂の巨大ブレード「魔剣アンサラー」は射程100フィート、攻撃範囲360°の完全なる全方位無死角攻撃であり、範囲内に存在する全ての物体を細断する。

また、グリーンのみARMSを発動していなくても能力を行使できる。


  • マーチ・ヘア<三月兎>

キース・バイオレットに移植されたARMS。宿す「アリスの想い」は白いアリスの「悲哀」。両目がARMS化しており、周囲にナノマシンを散布するナノマシン散布型ARMSで、大気中のナノマシンを操作し光を屈折させ、立体映像を作り出したり、あらゆる方向から強力なレーザーを照射する「バロールの魔眼」を操る。

最終形態は鏡やガラスの様な透明な体を持ち、仮面を着けた女性の姿。他の完全体ARMSとは違い、身体の大きさ自体は変化しないようである。鏡面のような身体を利用することにより、ナノマシンがなくても風景に溶け込んだりレーザーを放つことが出来る。劇中唯一最後まで生き残ったアドバンストARMSでもある。


  • ハンプティ・ダンプティ<神の卵>

キース・ブラックに移植されたARMS。宿す「アリスの想い」は黒いアリスの「絶望」。何らかの能力を後付けされた他のアドバンストARMSとは違い、金属生命体としての始原的な特性に特化した最も純粋なARMS。その細胞はあらゆるエネルギーを吸収し取り込み進化の糧にするため破壊は出来ず、手で触れたARMSの力を自分の物とする。マッドハッターの「ブリューナクの槍」、マーチ・ヘアの「バロールの魔眼」を始め、これまでに生まれたほとんどのアドバンストARMSの力を自分の力として持ち、単分子ブレード「神剣フラガラッハ」や、グリフォンの「超振動ブレード」、枝のような翼を展開しての飛行能力など多彩な力を使いこなす。作中でもチェシャキャットの空間干渉能力、ジャバウォックのARMS殺しの腕、ドーマウスの「魔弾タスラム」、ナイトの「ミストルテインの槍」など多くのARMSの力を取り込み使用した。

最終形態では全身が靄のような黒いエネルギーの力場によって覆われ、輪郭が判然としないぼんやりした人型のシルエットとなる。この力場を展開している限り通常兵器は勿論、唯一ハンプティ・ダンプティの細胞に有効である「ARMS殺し」すらも無効化される。力場が取り除かれた際の姿は、首が無く肩に直接顔が乗った、極めて貧相な小枝じみた人型の骨組みで、隼人に「ラクガキみたいなヤツ」と評される。なお、通常形態も「マンガの手抜き」呼ばわりであった。

実はブラックがホワイトを殺害した際、このARMSがホワイトの残留思念を偶然取り込んでしまい、ブラックの意思に影響を与えていた。そしてハンプティダンプティの特性を無効化するARMS殺しの爪を受けた際、ホワイトの意識がブラックの意識を乗っ取ってしまう。

ブルーとの対決の際に彼の自爆により、ホワイトの気づかない内に致命的な傷を負い、それが原因となり身体を覆う力場が取り除かれ、ホワイトは隼人との戦いに敗れることになる。


  • ドーマウス<眠り鼠>

キース・ブルーに移植されたARMS。宿す「アリスの想い」はグリフォン同様、終ぞ描写されなかった。通常形態での詳しい形状、能力は作中では明らかになっていないが、右腕が通常形態時のARMS部位である模様。針のような小型ミサイルを大量に発射する「魔弾タスラム」の能力を持つARMS。最終形態の姿は、尖った口を持ち、腕や背中からトゲのような物が伸びており、ハリネズミを模したデザインとなっている。腕や肩などあらゆる部位から針を飛ばし、広範囲を攻撃できる。時限爆破も可能であり、針という一見地味な武器だが爆発の威力は絶大であり、モデュレイテッドARMS部隊など問題にならない戦闘力を持ち、キース・ホワイトも「出来損ないにしては実戦的な力」と評価した。

ブルーはARMS適性因子が不完全であったため適合はできておらず、リミッターでARMSを抑えていない限り、ブルーを侵食した後数分で自壊してしまう。オリジナルARMSのメンバーを救うため、ブルー自らリミッターを外し数分間のみの最終形態となり、最後は自身を「魔弾タスラム」と化した自爆によって散ったが、後にその最後の一撃がハンプティ・ダンプティを倒す重要なきっかけとなった。


モデュレイテッドARMS

量産化を前提に調整を施されたARMS。故にオリジナルのような自己意思もアドバンストの戦闘AI、及び両者が宿す「アリスの想い」も持たないが、移植者の闘争心などを糧として形状、能力などを形成している。調整されているとはいえARMS共通の弱点である電撃攻撃への弱さなど不安定な面があり、完全体の開放も自由に行うことは出来ないが、完全に不可能なわけではなく、身体に取り付けられたリミッターを解除すれば移植者の意思に関係なく完全体となる。しかし完全体になったが最後、人間の姿に戻ることは永久に不可能となる為、重大なリスクを伴うがゆえ、リミッターという措置が施されたと考えられる。形態、能力は数十名に及ぶモデュレイテッドARMS部隊の中でも多種多様な種類が存在し、格闘型(腕部)、砲撃型(腕部)、高速移動型(脚部)、戦術偵察型(両眼)などと多岐に及ぶが、オリジナルARMSやアドバンストARMSに匹敵する超常的な力を持っているのは空間干渉能力を持つホワンのみとなっている。


  • ホワンARMS(正式名称不明)

ホワンがキース・ブラックとの取引によって提供を受けた初期型のモデュレイテッドARMSで、形態は複数の突起が生えた獣の腕の様で、指先に突起と同じ形状の爪がある。注射器のような器具で体内に直接注入するという特異な方法で移植された。移植したと同時にホワンの失われた視力を即座に回復させ、整形された顔面を元の素顔に戻した。ホワンが元々有していた空間操作能力を更に強化拡大し、完全体と化したグリーンをも一蹴するほどの力を発揮した。

元々ホワン自身は空間を操る超能力者で、その能力を駆使した「遠隔透視(早い話が千里眼)」、「テレポート」そして「空間振動による衝撃波」を使う事が出来た。生まれつき空間使いであるホワンの戦い方はグリーンよりも洗練されており、「空間の断裂」によるカッター射出ではなく、「空間振動による衝撃波」を相手の至近距離で炸裂させる方法を得意としていた。また、ARMS移植後は「空間の断裂」を使える様になったのだが、同時に放てる数はグリーンが精々二つなのに対し、ホワンは四つ以上と明らかに格上である。

完全体はマッドハッターを全体的に鋭利化させたような細身の人型であり、全身にブレードのような突起物が突き出しているのが特徴。このブレードからも空間の断裂を作り出すことが可能でチェシャ猫同様、だがより広範囲に大量の空間の断裂を放射することが可能となっている。ホワンとしてはやや癪に障るようだが彼の奥の手もまたグリーンと同じ「魔剣アンサラー」であるが、両腕のありとあらゆる部位からブレードを展開し僅かの隙間も無いほどの高密度の空間の断裂の壁を発射するというものであり、グリーンのそれとは似て非なる技となっている。


  • ハインツARMS(正式名称不明)

モデュレイテッドARMS部隊副隊長のハインツに移植されたARMSであり、形態はホワンのものによく似た鋭い爪が付いた格闘型。

完全体では四本の腕を持つ多足型となりビルの外壁などを駆け回るという昆虫等を思わせる形態となる。攻撃方法も砲撃や光のムチを操るなど手数が増え、一時は満身創痍のホワイトラビットを追い詰めたが、その時自身の身体も戦闘によるダメージとリミッター開放による侵食現象の為か崩壊寸前であり、最後はホワイトラビットの発光による攻撃で敗れ去った。


  • その他(モデュレイテッドARMS部隊)

格闘型は涼のジャバウォックを思わせる手甲型、隼人のナイトと似たブレード型等が確認されており、後者はブレード部分をムチのようにしならせることも可能。砲撃型も何体かは確認できるが詳細不明、武士のものに似た脚部の高速移動型も存在しており飛行可能かは不明だが圧縮空気を噴かす描写が見られた。恵と同じ戦術偵察型もおり同じく女性である。

完全体における姿、能力は多岐に渡り、長く伸びた頭部を持つ砲撃型、腕部に多段レーザー砲が搭載された人型、口から火炎放射を発射するジャバウォックに似た者、両腕がブレード化した芋虫型、飛行能力を持ち腕部からレーザーを発射する悪魔型、鳥類型など確認できるだけでも相当の種類がいる。いずれもARMS殺しをもってしても一撃では倒れないなど完全体なだけはあり、最終的にはホワイトラビットによって全滅させられるも、彼自身にも再生が追いつかないほどの深手を負わせた。


イレギュラー

  • バンダースナッチ<神獣>

コアを移植された他のARMSと違い、カツミの体内でコアが生成された特殊なARMS。オリジナルARMSと同様、自我がある。「黒いアリス」の「憎悪」と「絶望」がプログラムされており、「プログラム・ジャバウォック」に替わる「プログラム・バンダースナッチ」の要となる。なお、バンダースナッチの自我は黒いアリスそのものであり、恵のクイーン・オブ・ハートと対をなす存在でもある。

「滅びの神獣」の名を冠しており、最終形態の外見はジャバウォックに酷似しているが、肩が尖っていたり体色が白いといった外見の違いが見られる。またマーチ・ヘアと同じ「ナノマシン散布型」となっており、空気中の窒素を散布したナノマシンで液化させ、周囲数kmを絶対零度に近い極寒冷地にすることができる。同じ熱量を操る存在ではあるが、炎を操るジャバウォックとは対照的な能力となっている。


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ARMS


オリジナルARMS

高槻涼 新宮隼人 巴武士 久留間恵


アドバンストARMS

キース・シリーズ


モデュレイテッドARMS

ジェームス・ホワン

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