概要
それまで主力として使用されてきたスクトゥムやサークに代わる次世代主力機として、おもに天翔寺コンツェルンが中心となって開発した機動兵器がセレーネ・タイプである。
本系列に属する各機体は、大戦以前にイデアに飛来してきた機械生命体・セリアス人の身体構造をベースとして設計されており、その結果、イデア連合軍の量産機としては破格の性能を誇る。
しかし、量産型の宿命ゆえか、一部のカスタム機を除いてたいていはやられ役に回っていることが多い。
なお、民間義勇軍でも同系列の機体が運用されている。
イデア連合軍所属機(一般機)
ASX-20 プロトタイプセレーネ
セレーネタイプを開発するに当たり、セリアス人戦士の一人であるアルテミスの身体構造を解析の、イデア人に扱いやすいようにダウンサイジングのうえで試験的に建造された機体。
セリアス人特有の身体構造がそのまま流用されているため、後出の量産機を大きくしのぐ性能を持っていたが、諸事情により計画は頓挫し、本機体は機密格納庫に封印される形となった。
しかしながら得られたデータは計り知れず、その後のセレーネタイプの基礎となったことは事実である。
ASX-20fdx ルナティック・ディアーネ
一度は封印されたこの機体であったが、動力系統の変更や機動制御系等の改良を加え、本来の仕様を目指すべく改良がなされた。
専属パイロットとして、ヘレン・ワルツが搭乗していたが、彼女の退役に伴い再び封印されることとなった。
ASX-21 セレーネ
セレーネタイプの基本形となる、ベースモデルである。
もともとがセリアス人の身体構造をベースとしたため当初は高コストで、少数生産にとどまっていたが、戦争の激化とともに軍内部・ジエネラ兵器工廠でも生産が開始され、さらに機体の改良によりコストの低減に成功。大戦末期には主力機として運用されるようになった。
主なパイロットとして、ソルファング隊のラック・ハルディなど。
ASX-21/T セレーネ・タイターンズ仕様
イデア連合軍の特別治安部隊「タイターンズ」に配備された機体。
性能は大差ないものの、敵に威圧感を与える目的から、やや黒味の強いカラーリングに塗装されている。
主なパイロットとして、タイターンズのジャン・リードなど。
ASX-22R/ASX-22G ガンセレーネ
正式名称は「セレーネ対空砲戦型」。
名の示すとおり、対空砲撃性能を強化した機体である。
右肩に砲撃ユニットを搭載しているが、このうち120mmレールガンを搭載したものが「R形」、ガトリングガンを装備した「G形」と呼ばれ区別される。
また、砲身が両肩部分についている「複砲仕様(DR/DG形)」も存在しているらしい。
とくに、クシリナ砂漠戦において活躍が見られた。
ASX-24 ディアーネ
主に一撃離脱戦法に特化した高機動形。
プロトタイプセレーネの量産化別案を盛り込んだ機体として少数生産・配備がなされた。
生産コストはそれなりに抑えられてはいるものの、それでも多機種に比べて高い機動性を誇っている。なお、本機体は女性的なフォルムとなっており、これは一部の女性パイロットからの嘆願によって採用されたと言う説があるが真相は謎である。
主なパイロットはソルファング隊のリコニス・エニアルなど。
ASX-25W/C AWACSセレーネ
正式名称は「セレーネ早期警戒管制形」、通称「ビッグソーサー」。
背面部に大型のレドームを搭載し、一定空域内の敵性・友軍機といった空中目標を探知・分析し、なおかつ友軍への管制・指揮を行うための機体である。
主に管制用の電子機器が高価であるため配備数はあまり多くはないが、戦闘においては非常に有用な機種である。搭乗員は主に警戒・管制に集中するため、機体の操縦はオートパイロットによる。
イデア連合軍所属機(カスタム機)および民間義勇軍所属機
ASX-22FSP ガンセレーネ・フィナスペシャル
先述のASX-22ガンセレーネのうち、量産先行1号機を、民間義勇軍ロフトフラット隊のフィナが受領したもの。試験兵装としてタキオンキャノンを装備しており、直撃させれば大型の戦艦でも一撃で破壊できるほどの威力がある。なお、頭部形状は犬を模したものに換装されている。
ASX-22FSP/A ガンセレーネ・フィナスペシャル改
ガンセレーネ・フィナスペシャルの駆動系・動力系統を中心に改良を加えた機体。タキオンキャノンも改良され、事実上連射が可能なものとなった。最終決戦直前に、門鬼の駆るントロギと相討ちになり大破した。なお、一部のパーツは回収され、フェアリィ・ドッグMkⅡに流用された。
ASX-24A1 ディアーネ・フィナカスタム
修復不可能なまでに大破したガンセレーネ・フィナスペシャルの後継としてフィナが受領した機体。ディアーネをベースとしているが、やはり動力系統や機動系統の換装がなされており、大気圏内においても超音速巡航が可能となっている。パイロットの感情に連動して表情が変わるフェイス部分が最大の特徴。
アルカムルド戦において大破したが、フレーム部分は残存していたため、フェアリィ・ドッグMkⅡに流用された。
ASX-21BC セレーネ・バスターカスタム
民間義勇軍のアイリス・ブルーリア専用機としてカスタマイズされた機体。
もともと基本性能が高い機体に機動防御ユニット「PFO」を一体化したもので、余剰エネルギーを利用した射撃特化仕様とすることに成功した。大型のバスターライフルを備える。
ASX-21OPT セレーネ・オプティライザー
セレーネ・バスターカスタムをベースにイグナトロン機関を内蔵、背面部に支援ユニット「オプティライザー」を搭載した機体。新たに、中近接戦闘用のソードビームガンが追加されている。
ASX-23改 ソード・キャバリアー
民間義勇軍ロフトフラット隊のマロンが搭乗する機体。
操縦者の動きをそのまま機体の動作に反映する「モーショントレースシステム」を採用している。格闘戦仕様であるASX-23「セレーネ・コマンダータイプ」がベースである。
MTSのイニシャルコストが高くついたため、事実上マロン専用のワンオフ機となっている。
月面において、仮面結社軍の怪ロボット、ゴワスドリルに胸部を貫かれて大破した。