曖昧回避
概要
皆既日食は、月の見かけの直径(視直径)が、太陽のみかけの直径よりも大きい場合に生じる日蝕で、太陽の光球面が月によって遮蔽されるため、通常の太陽円盤は消えて、天は暗黒状態になる。ただし、太陽コロナは、太陽の天体直径よりも大きく広がっているので、掩蔽する月の周囲に、コロナの光の環ができる。
日食は最初は部分日食に見えるが、月が太陽を完全に遮蔽して皆既日食となる。皆既日食となる直前、月の円盤が太陽光球面を全面的に隠す前に、点に近いごく一部の光球面の輝きが残る。暗黒の月の円盤の周囲にできたコロナの環の一点が、燦然とした光を放射して、次に太陽は完全に遮蔽され、暗黒が訪れる。この天体現象を、ダイヤモンドが一点石として、リング(環)についた指輪になぞらえて、この名称で呼ぶ。
ダイヤモンドリングは、皆既日食状態が終了した直後に、もう一度現れる。月面が隠していた太陽光球面の一部が、太陽と月の面の重なりがずれることで現れ、燦然と光輝を放射して暗黒の空に輝く。この後は、太陽の明るさは徐々に回復して、通常の明るい空が戻る。
背景の暗黒と地球高空大気による散乱
この天体現象が劇的なのは、皆既日食により、空が夜と同様の暗黒となっているためである。掩蔽する月の周りにコロナの環が輝いて見え、また、太陽光球面の一部が垣間見えるとき、暗闇の空を背景としているので、燦然とした輝きになる。
地球大気による太陽光線の散乱も、現象が劇的となる理由である。ダイヤモンド光点から放射される光は、上空大気で散乱され、光り耀いて見える。本来、光がないはずの暗黒の月の面にまで、散乱によって放射光が入り込む。
ダイヤモンドを飾ったリング
以下の絵は、ダイヤモンドが飾り石に使われた指輪である。