概要
ディストピアの王とは、2021年6月25日に発売されたPIL/SLASH制作の18禁BLゲーム。
シナリオは休養沢ライチ、キャラクターデザインはthugran、原画は立石涼、PIL/SLASHが担当。
お前ら、拍手の準備はOKか―
あらすじ
世界が巨大なAIネットワークに司られた時代。
都市は貧富でくっきりと分断され、両者が交わることはない。
娯楽は飽和し文化は淘汰されていく。
かろうじて生き残っている「音楽」も、生演奏やナマ音が廃れて久しい。
恵まれた環境で育った印我桐久は、
世界がひれ伏すロックスターになるべく貧民街を目指し家出する。
登場人物
メインキャラクター
印我桐久(いんが きりく)
(CV:冬ノ熊肉)
この作品の主人公。
「富裕なA地区」でも最高級のエリアで生まれ裕福な家庭でなんの不自由もなく育った青年。
実際に才能も豊かでたいがいのことは余裕でこなす能力の持ち主ではあるが、それを遥かに超えた謎の自信に満ちあふれている。常に「1番」の自分でいたい。
かつての偉大なロックギタリスト「メレ」に憧れ、自分はそれを超えるスターになる定めだと心底思っている。
尊大で破天荒だが、とてつもなくポシティブで努力やチャレンジすることをおそれず、むしろ好んで立ち向かう。へこたれない。
育ちのよさゆえか、非常に公明正大で、嘘や裏表はまったくない。
鍬刀半左(くわがた はんざ)
(CV:昼間真昼)
桐久の幼馴染み。
「貧しいZ地区」で生まれ育った青年。境遇の全く異なる桐久と幼い頃「フェンス越し」に知り合い仲良くなり、今は親友の間柄。
工場で働いているが、趣味で仲間達とバンドをやっている。ベース担当。
人とは適度に距離を置きわりとドライな考え方をするが、付き合いがよく友人は多い。
桐久の家出計画に呆れつつも協力を了承する。
群紗木庵士(むらさき あんじ)
(CV:久喜大)
Z地区で活動しているミュージシャン。アマチュアながら絶大な人気を誇るバンド「コルチカム」のボーカリストで、すでにメジャーデビューが決まっている。
尊大で強引でちょっとアンニュイな俺様キャラ。憂鬱そうな仏頂面がデフォ。Z地区にはそぐわない、スノビッシュでラグジュアリーな雰囲気を纏っている。
非常にプライドが高い。
霞丁水明(かちょう すいめい)
(CV:井伊筋肉)
14歳で大学を飛び級卒業した早熟な天才。専門は機械工学。研究員である桐久の両親の下で働いている。非常に有能で優秀。
桐久の両親とはとても仲が良く、よく家にもやってくるが、桐久とはほとんど会話したことがない。
菟針李京(とばり りきょう)
(CV:河村眞人)
Z地区の相当に古ぼけた「菟針医院」の院長。専門は外科医。
構えたところがまったくなく気さくで親しみやすいが、かなりアバウトで若干天然ボケ気味のとぼけた男。
誰にでも親切で優しく、患者達から慕われている。
サブキャラクター
雨鯉(あまごい)
(CV:刺草ネトル)
半左の参加しているバンド「定時退社」のギタリスト。
非常に神経質でいつもピリピリして口も悪く非常に取っつきづらい。
印象最悪だが言っていることは案外冷静でまとも。
ギターの腕もなかなかに上手い。
九銛(くもり)
(CV：紫乃森響)
オッサンサラリーマンドラマー。「定時退社」のメンバー。
木訥さを漂わせる温厚な常識人。
のんびりまったりした雰囲気からは想像しづらいが、ドラムのプレイスタイルじゃ非常に激しい。
ライブではいろいろな意味で豹変するらしい。
本屋の爺さん
(CV:深川綠)
Z地区で創業200年の老舗本屋を経営する、かくしゃくとした老人。
電子書籍が主流の世の中で、絶滅寸前の紙の本に並々ならぬ愛着を持っている。
年齢は85歳。
印我藤吉(いんが とうきち)
(CV:八汐優)
桐久の父親。
国家政策情報省ユグドラシル推進管理局開発室室長。
天才的な工学博士でユグドラシル管理システムの最高責任者だが、本人は浮き世離れした不思議系のウキウキ博士。ママと桐久のことが大々大好き。
「～だぞう」という奇天烈な口調でしゃべる。
印我蓮子(いんが れんこ)
(CV:海原エレナ)
桐久の母親。
国家政策情報省ユグドラシル推進管理局開発室副室長。
天才的な工学博士で夫の藤吉とともにユグドラシル管理システムの最高責任者を務めている。
実生活でも夫に負けず劣らずの強烈キャラで、元気溌剌な天然さん&お花畑なママ。お料理好き。
小町(こまち)
(CV:九財翼)
桐久のバイト先の先輩。
Z地区にやってきた桐久がアルバイトを始めた職場の先輩。
ヤンキー系で口が悪く、初対面から自信満々でまったく物怖じしない桐久に反感を持つ。
金がからむとかなりこすっからい。
用語
A地区
桐久達の住む世界・トウキョウ都第1市新イズモ区の中心部を占めるエリア。
巨大なコンピューターシステム「ユグドラシル」によって隅々まで快適に保たれ、安全で清潔な暮らしが約束された地区。住人の所得水準も高く犯罪率も低い。
A地区の人間がZ地区に行くことは相応の手続きを行えば可能(ゲートを通るので行き来した記録が残る)
A地区を取り囲むように周囲は高圧電流が流れるフェンスで厳格に隔てられている。
Z地区
A地区をドーナツ状に取り囲むように広がる地区。
高圧電流の流れるフェンスでA地区とは厳格に隔てられている。
面積は広大だが荒れ地や廃墟が多い。
インフラは貧弱で衛生的とは言い難い。
A地区とは比べ物にならないくらい劣悪な環境のスラム街。
Z地区の人間がA地区に行くことは(一部の例外を除き)原則禁止。
Z地区からの無断侵入は固く禁じられており、違反すると刑罰を受ける。
それでもZ地区からの無断侵入は後を絶たない為、ゲートやフェンス周辺は警備員が常駐している。
ユグドラシル
桐久達の住む世界のあらゆる機能とと情報通信を司る巨大ネットワーク。
この世界では「完璧にして完全な管理システム」とされ、人々の生活に深く関わりを持っている。
全ての情報や記録はユグドラシルが収集、蓄積し、提供している。
作中では数百年前からユグドラシルが存在しているとのこと。
Z地区の一部ではユグドラシルの管理を免れているところがあるという噂もある。
メレ
はるか昔に存在した伝説のロックギタリスト。
作中では数百年前に亡くなったスターで今は荒い画像や映像、音楽が残っている。
桐久の髪色はメレにインスパイアされたもの。
桐久達の生きる時代からすれば信じられないほどの絶大な人気を誇ったカリスマ的なスター。
ステージでギターを燃やしたり、歯で演奏する等奇妙なパフォーマンスも多かった様子。
定時退社(ていじたいしゃ)
鍬刀半左が所属するアマチュアバンド。メンバーは仕事の合間に気楽に活動している。
バンドのオリジナル曲は持っておらず、昔のヒット曲を演奏するコピーバンド。
メンバーはギタリストの雨鯉、ドラマーの九銛、ベースの半左。
最近ボーカルが辞めてしまい、その穴を埋める形で桐久が加入することになる。
コルチカム
群紗木庵士が所属するアマチュアバンド。Z地区で絶大な人気を誇っている。
作中の世界では音楽人気が衰退しているが、その中でも異色とも言えるライブ人気を誇り、
それに目を付けたA地区の大手音楽企業からメジャーデビューが決まっている。
庵士はリーダー兼バンドボーカル。
菟針医院(とばりいいん)
Z地区にある古ぼけた総合病院。
院長は菟針李京で専門は外科医。祖父の代から続いている。
李京の医者としての腕は確かな為、地元住民からの評判は良い。
