概要
ディソード
ギガロマニアックスたちが所持する「妄想の剣」。形状は所持者によって異なる。「あらゆるリアルブートのショートカット」であり、ディラックの海に干渉するための端末。妄想の剣であるため、リアルブートしない限りギガロマニアックス以外の人間には見えない。この状態の時はまだただの妄想である為、他のギガロマニアックスも触れられず、あらゆる物体を透過する。また、使用しない時はディラックの海に収納して必要な時に引き抜くことができる。妄想の剣である為かどの剣も長大でありながら片手で振り回せるほど使用者の手に馴染む。リアルブートを行うと、この剣に負の力が蓄積されていき抑えきれなくなれば剣自身が意思を持つかの様に暴走することもある。その際刀身は通常の透き通った青い色から黒に近い色へと変化し、人体の構造をも無視した攻撃を勝手に繰り出す。
これを手に入れることで、ギガロマニアックスはギガロマニアックスとして覚醒し、妄想を現実にできる。また、ディソードそのものをリアルブートして真剣化することもでき、その場合ディソードはどんなに強固な物でも容易に斬ることができる剣となる。その際は刀身の一部が赤く発光する。ただし本来の用途は前述の通りディラックの海に干渉しリアルブートを補助する為の端末である為、剣の形をしてはいるが直接的な斬り合いに使用するものではない。
ディソードは覚醒していない者でも常にそばにあり、その未覚醒のギガロマニアックスが見る風景のどこかに溶け込んでいる(例としては、あやせは割れたガラスの破片、梢は雲の形が剣に見えた。それらをディソードとして入手している)。
ディソードを手に入れ、ギガロマニアックスとして覚醒したものは以下の能力を有する。
リアルブート
ギガロマニアックス個人が考えていること(妄想)を、周囲の人間たちに認識できる現象(現実)にする能力。また、ディソード自体を実体化させることも指す。
妄想を周囲の人間のデッドスポット(視覚の死角になる箇所)に落とし込み、個人の妄想が周囲共通認識になることで現実化する。本来無いはずの物を共通認識として量子力学的に現実化するため、「無い物が有るように見える」だけにはならず、最終的に本当は存在しないはずの物でも本物になる。とは言え視覚から来る力のため、ある人間(物体)を、第三者が別の存在に見えるようにするという、幻覚、催眠術めいた応用もある。強力な力を持つ者がこれを応用すれば人間すら作り出せる万能の能力に思えるが、周囲の人間に対して認識するよう働きかけなければならないので一人では使用できないこと、たとえ使用できたとしても怪我の治療などには使えない(脳が痛みを認識してしまう為)事など弱点もある。また、負の妄想が作用しているので無闇に使えばやがては使用者と現実とのズレを起こし、セナ曰く「存在としての自己崩壊」を招く。
思考盗撮
他人 (ギガロマニアックス、一般人を問わない) の思考を自身の妄想として読み取る能力。拓巳やセナのように強烈な妄想が鮮明な映像として映し出されたり、梢の場合は無差別に音声として流れ込んだりと、様々な盗撮の仕方が存在する。劇中、とある人物の思考盗撮が後にメタ的な伏線として作用する。
妄想シンクロ
相手の妄想に自分の妄想を同調させ、妄想の世界へ介入する能力。対象は1対1と限らず、複数の妄想を個人が一纏めにしたり、一人の妄想へ多数のギガロマニアックスが一斉に介入もできる。またシンクロした妄想はリアルブートされるので、例えばシンクロした妄想世界で戦闘となった場合、敗者が死ねば現実の世界でも死ぬこととなる。
ギガロマニアックス
妄想を現実に変える力を持つ者。語源は「誇大妄想狂」という意味の「メガロマニアックス」。自分の妄想を現実に変えたり、他人の妄想を見ることができる。「妄想の剣」であるディソードを、リアルブートしていない状態でも視認でき、自らがディソードを手に入れることで覚醒する。また、ギガロマニアックスがする妄想は、エラーと呼ばれる。
ギガロマニアックスとして覚醒する為には、想像を絶する程の肉体的、精神的苦痛に耐え抜いて自分のディソードを見つけなければならない。それ故にギガロマニアックス全員が、心の中に何らかの大きな傷を残している。