概要
「トイレの花子さん」という有名な学校怪談から派生した、スピンオフ的なお話。
女子トイレに出るという花子さんの派生「闇子さん」達と異なり、知名度はかなり低い。
男子トイレというもの自体、怪談に向かない可能性もある。
大勢連れ立ってトイレに行く習慣のある女子と違い、男子は一人(多くても二人)でトイレに行くので「複数名で目撃する」という状態になりにくい。
また「個室」はまず使われない為「密室から突然現れる」という怪談の黄金パターンが成立しにくい。
加えて小学生男子というのは女子に比べヤンチャというか野性的というか…つまり繊細な怪談という概念自体が向いていないのかもしれない。
ポンキッキーズにて
「ねえ・・・遊ぼうよ・・・僕と遊ぼうよ」
90年代の子供向け番組「ポンキッキーズ」で放送された、「学校のコワイうわさ 花子さんが来た!!」のエピソード「太郎くんと次郎くん」で登場。
パースの崩れた巨大な頭部の少年と言う異様な姿をした怪人(メイン画像がそれである)。この姿で便器から出現し「僕と遊ぼうよ」と迫ってくる太郎くんの姿に、番組屈指のトラウマ回として語られている。
花子さんは太郎くんを撃滅しようとするが逃げられてしまう。
後の「新花子さんが来た!!」にも登場している。
実は……
「トイレの太郎くん」は「トイレの花子さん」を善い妖怪にした事で、その代わりの悪い妖怪が必要となったために誕生した妖怪だった。
「トイレの花子さん」自体はかなり以前から存在する悪い妖怪だったが、子供向けの本などで取り上げられ、知名度が増して行くにつれ「子供が怖がってトイレに行けなくなった」などの苦情が版元などに届くようになり、苦肉の策として「花子さん」を人間の味方の善い妖怪(鬼太郎みたいな感じ)に設定した本やアニメが制作された。
だが「花子さん」を善い妖怪に設定した以上、それに対する悪い妖怪も必要なため、そこで生み出されたのが「太郎くん」だった。
しかし誕生の経緯が経緯なだけに一般に受け入れられたとはとてもの事は言い難く、トイレの個室に現れるのではなく夜の学校に現れるなど設定が変更されるも盛り返すことはできず、「花子さん」が悪い妖怪に戻るとそれとともに役目を終えたが如く消えてしまった。