しかし、収穫祭の日にもぬけの殻になっている寝室を王宮の人間に見られたことで、王子が誘拐されたと誤解されて、近衛兵らによる捜索隊が組まれてしまう。そして、王都でヴィクトールと共にいたハイネらは兵に見つかり、ハイネは誘拐犯と誤解されてしまう。更に逃亡中、近衛兵の一人が誤射した銃がヴィクトールに当たり、ヴィクトールが瀕死の重傷を負ったことで逆上したハイネが、次々に近衛兵達を倒していってしまう。その後、「誘拐犯が王子を盾にした」と近衛兵が言いがかりをつけたことで、ハイネは捕縛され、王子誘拐と暗殺の罪で投獄されてしまった。

ヴィクトールが王子だったと牢獄で初めて聞かされたハイネは、罪の弁明もせず、ただヴィクトールの無事を祈り続けた。その後、回復したヴィクトールが当時の国王に事情を説明して恩赦を貰ったことで、ハイネは釈放された。

ヴィクトールが国王に即位した後、身寄りのない子供のための教会を作り、そこでハイネが教師として教えていた。

読み書きもできなかったハイネが現在のような優秀な教師となるためには想像を絶する努力をしたと考えられる。

漫画版における設定・過去（ネタバレ）

自身が、グランツライヒ王国では少数派にあたり、差別的扱いを受けることもある「クベル人」と呼ばれる民族であることを明かしている。

昔、首都ウィンナーに移住しているクベル人コミュニティーのリーダー的役割をしていたことがあったという。

当時、古くから金融業を営むクベル人に経済が独占されることを恐れ、ウィンナー市長を始めとする市議会がクベル人の排除に乗り出した際、ハイネが即位して間もないヴィクトール国王に謁見して現状を訴え、グランツライヒ王国では全ての民族は平等であるという声明を王室から発表したといった経緯があるという。

かつて、ヴィクトール国王暗殺計画の組織的な実行犯として逮捕され、投獄されていたことがある。

正体は、クベル人系マフィア「ハインリヒファミリー」の元首領。当時の偽名は「ハインリヒ」。

クベル人を始めとする移民達への強い人種差別や迫害に対抗し、その地位向上や差別撤廃を目標としていた。

表では街の経済を動かし、裏では武力も用いながら人々を助けるなどし、首都ウィンナーを中心に暗躍していた。非合法なことにも多く手を染めながらも、殺人は極力避ける方針だったが、過激派の部下が当時即位したばかりだった若きヴィクトール国王の暗殺計画を独断で実行。ハイネが庇いに入って暗殺は失敗したものの、ヴィクトールは瀕死の重傷を負い、実行犯は逃亡。現場に残っていたハイネが犯人扱いされてしまい、捕らえられたが、暴走した部下の責任を取るために国王暗殺未遂の汚名を被った。

その後、クベル人のことや国の現実について知り、差別のない幸せな国に変えたいと話すヴィクトールに協力するようになり、仲を深めていった。