概要
様々な説があり、『黙示録』によれば悪魔の住む場所であり汚れた霊の巣窟である。女という隠語で表されており、煌びやかな装身具を身につけ、手に金杯を持つが、その杯は姦淫による汚れに穢されているという。大淫婦は殉教者の血を流すが、神の裁きによって滅ぼされる。
旧約聖書引用説
旧約聖書には、遊女やその取り持ち女を戒めたり、バビロン捕囚に関連してバビロン王について書かれた記述が見られるが、これに加えて都を遊女に喩える記述もあり(イザヤ書)、それらに影響され引用したものだとする説がある。
過去説
これが過去に起こったものとする立場では、堕落しきった女という隠語で暗喩されているものの正体はローマ帝国であり、彼女が乗る7つの首の獣はローマ帝国の7つの丘(もしくは7人の皇帝)を示しているとされる。ここで言うローマ帝国は古代ローマであり、キリスト教への迫害が強かったとされる時期のローマを指している。この時期にはカリグラ、ネロといった暴君の存在によりローマの退廃が指摘される時期でもある。特にネロ帝により、ローマ大火にかこつけてキリスト教徒が迫害された挙句、初代ローマ教皇・ペトロが逆さ十字架にかけられ、殉教に至らしめた為にこのような暗喩で示されることとなった。ユダヤ庶民の俗信によれば、アンチクリストはネロ、もしくはネロの姿で現れるという。
現在進行説
現在進行形の預言とし、警鐘を鳴らす立場である。 宗教改革者は、大淫婦バビロンはローマ・カトリックであり、教皇は反キリストであるとした。教会組織や祭りが発展してゆく過程で、祭りや慣習に古代バビロニア由来の偶像崇拝的な不品行、惑わしが数多く取り込まれる事となり、教会自身が破滅を導くバビロンの悪習を引き継ぐ者に堕ちているとした。
未来説
これが未来についての預言とする立場もある。ディスペンセーション主義の高木慶太は、ローマ・カトリック、リベラル・プロテスタント、世の偶像崇拝の教派が混在したエキュメニズムが大淫婦であるとした。
「倒れた、大いなるバビロンは倒れた。その不品行に対する激しい怒りのぶどう酒を、あらゆる国民に飲ませた者」。