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”それから、七つの鉢を持つ七人の御使のひとりがきて、わたしに語って言った、「さあ、きなさい。多くの水の上にすわっている大淫婦に対するさばきを、見せよう。地の王たちはこの女と姦淫を行い、地に住む人々はこの女の姦淫のぶどう酒に酔いしれている」”――『ヨハネの黙示録』17章1-2節

概要

ヨハネの黙示録』17章1節から19章2節にかけて、七つの頭と十本の角を持つ緋色の獣に騎乗した女が出てくる。

彼女の額には「大いなるバビロン、淫婦どもと地の憎むべきものらとの」という自身の名が記されている。

赤と紫の衣を着て、黄金と真珠、宝石で出来た華美な装飾品をつけており、「憎むべきもの」と自身の姦淫で汚れた黄金の杯を手に持つ。

彼女はキリスト教徒の血に酔いしれている。

獣の七つの頭は七つの山、そして七人の王を象徴し、そのうち五人はもう倒れているという。

残りの一人はいま生きており、もう一人はやがて来るとされる。

十本の角もまた十人の王を指し示す。彼らはまだ国を持っていないが、獣によってその権威を一時的に授けられるという。

大淫婦が座る水はあらゆる民族、国民、群集、言語を指している。

獣と十本の角は大淫婦を憎み、裸にして喰らい、炎で焼き尽くすという。

18章に入り2節で「大いなるバビロンは倒れた」と唱えられる。続いて、バビロンの崩御がもたらす崩壊と荒廃が記される。

彼女と「姦淫」した王たち、彼女と富の売買をしていた商人たちは嘆き悲しむ。

楽人たちと職人たちはいなくなり、日常のひきうすの音も失せ、花嫁と花婿も姿を消す。

これらの情景は神の裁きによる帰結として記される。

大淫婦バビロンが象徴するもの

彼女が乗る獣は「昔はいたが、今はおらず、そして、やがて底知れぬ所から上ってきて、ついには滅びに至るものである」とされ、今は滅びたローマ帝国を指す、とする説が一般的である。

七つの山も、カピトリヌスの丘をはじめとする「ローマの七丘」と対応する。七人の王はローマ皇帝を指すことになる。

実際ローマ帝国は初期キリスト教徒を苛烈に迫害していた。

ローマ帝国ではなく、「誤った宗教」、それに同意する国や人々を指すとする解釈もある。

宗教改革の時代においてはローマ・カトリック教会がそうだと叫ばれたりもした。

こうした解釈は現在も続いており、一部プロテスタントには「異端」が侵入したものとみなすカトリックや正教会、「リベラル」とみなされる他プロテスタント諸派またそうした教会の協調運動としての「エキュメニズム」がそうだという考え方が存在する。

聖母マリア崇敬を女神崇拝とみなす立場からは、崇敬される「マリア」の正体が「天の女王」という悪霊とする認識もあり(「霊の戦い」運動など)、大淫婦バビロンと同一視されることもある。

創作での使用

真・女神転生Ⅲ

マザーハーロットという名称で登場。種族は「魔人」。

Ⅲ以降の『女神転生シリーズ』の後発作品にも参戦している。

Dies irae

聖槍十三騎士団第十一位・リザ・ブレンナーの魔名が「大淫婦(バビロン・マグダレナ)」。

映画『メトロポリス

劇中にてマリア(に似せたアンドロイド)が大淫婦バビロンの姿で男達を魅了した。

詳細はこちらを参照。

東京放課後サモナーズ

ギルド「ジェノサイダーズ」に所属するキャラクター。

ハーロット

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