大淫婦バビロン
“わたしは、赤い獣にまたがっている一人の女を見た。この獣は、全身至るところ神を冒涜する数々の名で覆われており、七つの頭と十本の角があった。女は紫と赤の衣の衣を着て、金と宝石と真珠で身を飾り、忌まわしいものや、自分のみだらな行為の汚れで満ちた金の杯を持っていた。その額には、秘められた意味の名が記されていたが、それは、「大バビロン、みだらな女たちや、地上の忌まわしい者たちの母」という名である”─新共同訳、『ヨハネの黙示録』17章3節~5節─
この場面に登場するバビロンの大淫婦は、ローマ帝国そのものもしくは七人のローマ皇帝を表すとも、腐敗したローマ・カトリックを示すともいわれ、政治・宗教的な反キリストの象徴とされる。また「大バビロン」の記述からバビロニア神話の女神イシュタルと関連付ける説もある。
マザーハーロット
初出作品は『真・女神転生Ⅲ』。名を直訳すれば「淫らな女(売春婦)の母」。
悪魔全書の解説も『ヨハネ黙示録に「大淫婦」として記される魔人』。
口語訳聖書において「大いなるバビロン、淫婦どもと地の憎むべきものらとの母」と和訳された箇所は、例えば欽定訳聖書では「BABYLON THE GREAT, THE MOTHER OF HARLOTS AND ABOMINATIONS OF THE EARTH」と英訳されている。
女神転生シリーズ作品の日本語版においては悪魔(仲魔)の名称は8文字まで、という制約がある(例外がペルソナのアイゼンミョウオウの9字)。バビロン・ザ・グレート、ザ・マザー・オブ・ハーロットの場合「・(なかぐろ)」を抜いても8字をオーバーしてしまう。
そこで自身も姦淫の汚れを持つとされる存在をモチーフにした悪魔(仲魔)の名称として新たに8字に収まる「マザーハーロット」の名が生み出されたものと思われる。
海外版『真・女神転生Ⅲ』では悪魔全書や台詞発言者欄でMother Harlotという語が用いられつつも、The Harlot(ザ・ハーロット)が正式名称とされていたが、リマスター版でMother Harlotに変更された。
黙示録では七つの封印が解かれ、七つの災いが地上にもたらされた後に彼女が登場し、彼女の死が神の勝利とサタンの敗北の先駆けとして扱われることから、『女神転生シリーズ』でも種族「魔人」の高位悪魔として扱われている。
また、“マスターテリオン”、“ベイバロンの気”のようにマザーハーロットに関係のある悪魔やスキルがシリーズ作品に登場している。
リマスター版『真・女神転生Ⅲ』発売に際して行われた『真3HDベストオブ悪魔』にてだいそうじょうとともに11位にランクインした。
関連タグ
マザーハーロット(Fate):『Fate/EXTRA』ドラマCDでこの呼称が使用された。