概要
ヒュアキントスとはギリシャ神話・ローマ神話に登場する英雄で、美少年とされている。出生はスパルタ国出身の王子。主にヒヤシンスの由来となっている話に登場する。また元来は先住民が崇拝していた植物神である。
オリンポス12神の一柱である予言・音楽の神アポロンに愛され相思相愛となるが、西風の神ゼピュロスも同じく彼を愛し、2人の仲を嫉妬したゼピュロスが円盤投げの際にアポロンが投げた円盤を風で軌道を変え、その円盤が額に直撃して落命する。嘆き悲しんだアポロンは悲しみをいつまでも忘れないように(また少年の救済措置として)ヒヤシンスの花にしたという伝説がヒヤシンスの由来になっている。
多くあるアポロンの恋愛話として有名で、おそらく二番目に有名。失恋や振られることが非常に多いアポロンの恋人としては代表的な人物でもある。
女性よりヒロイン力が高い少年。
オウィディウス著「変身物語」において「アポロンは誰よりも彼を愛した」とも記され、アポロンの他の恋愛話の相手全員を踏み台にしてしまった恐ろしいヒロイン力である。
また彼が亡くなった際アポロンから「運命で一つになった私とお前はこれからも離れることはないだろう」と運命の相手認定もされている。
性格・キャラクター
神話においては活発で明るい少年とされている。運動や遊戯が好きなアウトドア派。スパルタ国の王子なので教養や文芸にも長けていると推測され文武両道の少年でもある。
年齢は不詳だが12歳~15歳辺りと想定される。
容姿は秀でた眉に豊かな頬を持つ紅顔の美少年とされている。天界で話題になる程の美少年でもある。
活発で純粋な性格が良いキャラクターだが、オリンポス12神である神格高位のアポロンが進んで荷物持ちに転じてしまうなど、尽くされキャラであり、忖度ができて操縦が上手い恋愛強者でもある。
恋愛遍歴
音楽家タミュリス
西風の神ゼピュロス
予言・音楽の神アポロン
アポロンとの恋愛話が有名だがタミュリスとも恋愛関係であったといわれている。ゼピュロスは話により異なるが良い仲だったという説もある。まだ少年なのに3人の男を渡り歩く、けっこうスケベな少年でもある。
植物神について
植物神は小アジアに起源を持つとされる若い男神。豊穣や家庭円満、子孫繁栄のご利益があり豊穣の神でもある。
植物神の性質として特筆すべきは「死して蘇る」再生の性質である。
植物神は死と再生を繰り返す神で1年の間に死んで蘇生するサイクルを繰り返すとされ、year godとも呼ばれていた。
ヒュアキントスの話 ドラマCD版
似たポジションのキャラクター
同じく元来は植物神だが、人間達の都合により人間の登場キャラクターにされてしまったギリシャ神話の登場人物。アネモネの由来の話が有名。2人の神に愛されることやオリンポス12神の一柱に溺愛され骨抜きにしてしまうなど、話がかなり類似している。