概要
ファンタは1958年の国内発売開始以来、これまで多数のフレーバーを発売してきたが、その中で2000年代初頭頃から当時黎明期であったネット上でまことしやかにささやかれていた都市伝説があった。
それは「1970年代にゴールデンアップルなるフレーバーが実在した」というもの。実在したか否かをめぐって、議論の的となっていた。
コカ・コーラの公式見解・そして実現へ…
この論争を受けてコカ・コーラ側は「70年代にそのようなフレーバーは販売していない、ゴールデングレープならあった」との公式見解を発表し、2002年10月に「新フレーバー」としてゴールデンアップルが実現。さらにその4年後の2006年にはセブン-イレブン限定フレーバーとして「あの伝説の商品」「1970年代の復刻版デザイン」とのキャプション付きで70年代のファンタのパッケージデザインで再販が行われた。
本当に70年代に実在しなかったのか?
こうしてゴールデンアップル論争はコカ・コーラ社の販売してなかったとの見解と商品化の実現により幕を閉じたかと思われたが、2002年の発売と同時期のWeb記事において清涼飲料水研究家の久須美雅士氏がコカ・コーラ社員からの「売ったことがある」「よそのボトラーでは売っていたらしい」なる意見を取り上げ、氏は前述のようにコカ・コーラ側が売っていなかったと公言したから売っていなかっただろうと支持する派に対してマックスコーヒーがコカ・コーラの公式サイトに載っていない(ほかにはアンバサなどが該当する)ことを取り上げ、公表している情報が絶対ではないとしている。
それから8年後の2010年に刊行された書籍『なつジュー。20世紀飲料博覧會』ではコカ・コーラの元関係者へのインタビューにより「あったはずだが、資料がないため、公式にあるとは言えない」「各地のボトラー社からの限定品を含めた全商品を把握できていないらしい」「30年以上も前の話で、外資系企業であることから人の出入りが激しく、知る人がいない」旨の見解が紹介された。
とはいえ、これらの説も都市伝説の定番である「友達の友達に聞いた」パターンと同じであり、勘違いと思い込みの可能性もある。そもそも「ゴールデンアップル」は70年代同時期に発売された「ゴールデングレープ」と混合したという説が売っていなかった派によって強く主張されていた。