概要
フリーソフトとは"自由"と"無料"の意味をもつ英単語"Free"を冠するソフトウェア…であるのだが、和製英語である上に二つの全く違う概念を巻き込んで用いられている厄介な言葉である。大抵はフリーウェア(こちらは英語圏でも用いられている)を意図して用いられるが、いづれにせよ曖昧な言葉でありかつこれから挙げるより厳格な言葉もさほど難しくないのでそちらを用いることをおすすめする。
この言葉が表すことのある概念
"Free"という語の語義のうち、"無料"と"自由"について、次元の異なる二つの概念が存在する。
無料のソフトウェア
「フリーウェア」「無料ソフトウェア」(英語:"Freeware","Gratis Software")
取扱に際しお金を取らないソフトウェア。前述したように、大抵はこちらを意図している。
自由なソフトウェア
「自由ソフトウェア 」「フリーソフトウェア」 (英語:"Free Software","Libre Software")
利用者の自由を尊重するソフトウェア。確かに言葉を途中で切ってしまえばそうなる上、自由ソフトウェアの多くはフリーウェアでもあるため気持ちは分かるが、こちらはより明確に異なる概念であるため区別されるべきである。
ちなみに自由ソフトウェアの概念の生みの親でありその明確な定義を提供するフリーソフトウェア財団(FSF)はこれらの混同にだいぶ辟易しているようで、訳語ガイドや自由ソフトウェアが無料/有料とは異なる次元にあることを示すこんな文章を作ったり、果ては「避けるべき言葉 (あるいは注意深く使う)、含みがあるかまぎらわしいので」というページで「フリーウェア」の語を紹介したりと涙ぐましい努力を絶やしていない。
関連タグ
フリー…英単語の"Free"を元にした概念の数々。まったく罪作りな言葉である。