電動ドリル、ジグソー、オービタル・サンダー!! どうしようもなく動かしたくなる数々の電動工具が並ぶ、ハンドメイドの殿堂“ホームセンダーTENCO”へようこそ!!!
概要
講談社のマガジンGREAT→マガジンイーノ誌に、2007年5月号から2010年11月号まで連載されていた「とだ勝之」の漫画作品で、福岡から東京へとやってきた女子高生「井本典子」が、引っ越し当日に近所のホームセンター「ホームセンターTENCO」に立ち寄り、店員の天堂巧作と知り合い、巧作の指示のもと生まれた時におばあちゃんに買ってもらった家具を改修した事をきっかけに、アルバイト先となったホームセンターTENCOの関係者・お客様や学校の友人・教師たちとDIYライフを歩む姿を描いている。
※方言指導として佐々木ヒロノリがクレジットされているが、作者のとだ勝之は広島出身ながら高校時代は福岡県の高校に通っていた。
女子高生らしい「かわいらしさ」にも重点を置いた発想や、作中に実際の制作工程や電動工具を取り扱う際の注意事項を説明する等、作者のとだ自身の趣味でもあるDIYに関する基礎的な知識を得る事が出来る構成になっている。DIYの題材の範囲は木工にとどまらず、陶芸や銀細工や革細工の他にアーク溶接までと幅広く、登場する工具も電動ドリル・電動ノコギリ・オービタルサンダー・高速カッター・ハンマードリルといった電動工具から、ノコギリ・ノミといった工具まで幅広く登場する。
※連載開始にあたって取材させてもらったり難題をふっかけたりした際のレポートがとだ勝之の公式サイトに掲載されている。
女子高生とDIYを組み合わせると言う画期的な内容は、連載を続ければじわじわ人気がでると担当編集者も豪語していたものの結果は振るわず、2010年2月に連載打ち切りが宣告された。その後の2010年4月に、とだがTBSラジオに新刊を買ってほしいと投稿した内容が読み上げられた結果、2ちゃんねるで話題になってネットニュースで取り上げられてAmazonでの売り上げが上昇したり、とだ自身が「JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2010」に個人出展して同作の同人誌を実娘にメイドのコスプレで売り子をしてもらうといった家族ぐるみの苦労を重ねて重版を勝ち取った事がある。その為か作者のとだ勝之は2ちゃんねるに好意的で、応援してくれたファンに向けて感謝の意を込めて増刷に関する経緯を漫画化した「ホームセンターてんこ増刷への道+」を全34ページ中25ページ無料の形式で公開している。
そして連載終了後数年を経過した2012年及び2013年の「JAPAN DIY HOMECENTER SHOW」では、本作の主人公の井本典子が、イベント公式イメージキャラクターとして採用されている。
登場人物
- 井本典子(いもと のりこ)
姉の井本香子が就職して上京する際に、娘の1人暮らしを案じた父の井本巌の頼みで、姉のお目付け役として一緒に上京して同居する事になった女子高生。家族や友人たちからは名前を音読みした「てんこ」と呼ばれているが、巧作や木反からは「いもてん」と呼ばれている。
姉に付き添って部屋の家具選びをしていた際に立ち寄った「ホームセンターTENCO」にて自称・店長代理の天堂巧作と知り合い、巧作の指導と機材を使っておばあちゃんに買ってもらった家具の改造を自ら手掛けた事でDIYに目覚め、マイドリルのモグたんを購入。その後ホームセンターTENCOの押しかけアルバイトとなった。
上京にあわせて東京都立栗八高校に進学。普段は福岡の方言で話すが学校では標準語を話すようにしている。最初に友達になった「海老沢杏」と共に学校内でDIYの腕を披露していった結果、廃部になっていた工作部を復活させ、英語教師の「黒鉄まひろ」に顧問巻き込み、自身は部長となった。その後、屋上を部室代わりにする為オリジナル家具を製作し、喫茶工作部を営業した。
- 天堂巧作(てんどう こうさく)
祖父が経営する「ホームセンターTENCO」の自称・店長代理。姓名を略して「テンコー」と呼ばれる事も。
てんこの通う栗八高校の先輩であり、廃部前の工作部の部長だったが、高校は中退している。
高校中退後は祖父の店で働き、大工などのプロ相手の他に、「どんな注文にも応える」をモットーに依頼されてオリジナル家具を作ったりしている。
上京直後に家具を探しにきた井本姉妹と出会い、てんこの家具の改造を指導した事が縁でてんこがDIYにはまるきっかけをつくった。
- 海老沢杏(えびさわ あん)
てんこと一緒に片桐からいいつけられた掃除と家具作成を行った縁で、同級生の中で初めて友達になった栗八高校生の女の子。通称は「エビアン」。
工作部復活の際にてんこと共に工作部員にされ、学校の屋上に喫茶店を開く等、てんこの相棒ともいえる存在。
- 黒鉄まひろ(くろがね まひろ)
栗八高校で英語を教える24歳の女性教師。黒髪のセミロングに眼鏡を着用したクールビューティーな雰囲気から「アイアンティーチャー」と生徒達に呼ばれていた。が、愛用のくまちゃんのぬいぐるみの膝を枕に丸まって寝るのが好きな事から特注のテーブルを発注した事が縁で、てんこに実はかわいい物好きである事が知られ、工作部の顧問となった。
- 井本香子(いもと きょうこ)
てんこの姉で百貨店「西賦デパート」に勤めている。娘を心配する父・巌によりてんこと二人で暮らしている。
高校三年になり、皆が進学か受験かを選ぶ時期になっても、お客様用の家具を作る事に熱心なてんこを諌めるが、後にてんこの心意気を理解した。
- 天堂巧三郎(てんどう こうざぶろう)
巧作の祖父で「ホームセンターTENCO」の経営者。大工関係方面からは伝説の職人として知られている。
- 木反一錦(きぞり かずき)
工務店「猪泰組」に勤める大工で、通称は「木反」→「板」転じて「板っち」。
巧作の中学時代からの悪友で、ホームセンターTENCOに大工仕事で必要な物を買いに来る。
- 辻川結希(つじかわ ゆうき)
巧作の高校時代の友人で元カノ。女性ながらボーイッシュな外見で女の子系が苦手と言う面を持つ。
自宅に大量の電動工具を持っており、大工を生業にしているのではと思われる。
高校時代にバンドを組んでおり、巧作にはヘルプにはいってもらった縁で知り合った。
妹で栗八高校の軽音部に所属する辻川瑞希(てんこより2学年下)と共に文化祭でバンド演奏を披露した。
- 片桐豪馬(かたぎり ごうま)
栗八高校の体育教師で、性格は傲慢で傍若無人な為か「鬼の片桐」→「オニギリ」と生徒やOBから呼ばれている。
てんことエビアンに自分のカラーボックスの組み立てと掃除を命じた事が縁で、てんことエビアンが友人になり、自分が顧問を務めるラグビー部と野球部の部室問題をてんこ達が解決した事が縁で、強引にてんことエビアンに工作部を復活させる等、重要のエピソードでのキーパーンな事が多い。
てんこ違い
それてんこやない、天子や!