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ユスラウメ

ゆすらうめ

ユスラウメPrunus tomentosaは、中国原産の落葉小喬木。春に咲く花と、花後に生る小さな赤い実のため、鑑賞用のほか、家庭用果樹としても親しまれる。

特徴編集


地植えすれば適地では2~3メートルに達するが、一般には鉢植えに適した果樹として小さく育てられる。分類上はサクラ属であるが花の見た目はサクラよりもモモに近く、モモあるいはスモモの台木として接ぎ木に用いられる場合がある。花後に赤い球形の小果をつけ、実は食べられる。変種に実が色素を持たないシロミユスラウメがあり、これも家庭果樹として流通する。漢名を梅桃、あるいは果実の食味は櫻桃に似て葉の毛深いさまから毛櫻桃といい、中国北部では単に櫻桃とも呼ばれた。日本には庭木として江戸時代に伝来した。


和名について編集


中国では櫻桃はカラミザクラcerasus pseudocerasus、日本で暖地桜桃として流通する種を指す。瓔珠(首飾り)に似た実をつけるので木偏で櫻とし(『本草綱目』)たが、寒害の厳しい中国北部ではこれを栽培せず、現地で果樹として栽培されるユスラウメをしばしば櫻桃の名で呼んだ。朝鮮半島には高麗時代に中国東北部から導入されて櫻桃と呼ばれた。日本へは朝鮮半島から江戸時代に櫻桃の名で輸入されたがすでに中国から本来の櫻桃であるカラミザクラが伝入して九州地方で植栽されており、櫻桃の名は混同を引き起こすため別途朝鮮語から赤い実をつける果樹一般を指す語を取って流通名とした。朝鮮語では赤い実をつける木一般を指す語は元来イスラッであったが大生産地の咸鏡道方言でイスラジと呼んだため、現代韓国語にはイスラジの語で残った。同様にニワウメPrunus japonicaもまた赤い実の生るイスラジであり、韓国国家標準植物目録では自生種であるニワウメに韓国名イスラジを付与し、外来種であるユスラウメには櫻桃(アンドゥ)の名を付与している。

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