概要
上橋菜穂子の小説「獣の奏者」または、それを原作としたアニメ「獣の奏者エリン」に登場する王獣。青い瞳を持つ。
性格/特徴
性別はメス。
特磁水や音無し笛を使わず育てられたため、野生の王獣に近い容姿を持つ。
基本的に温厚で、放牧地などでも他の王獣とトラブルを起こす様子は見られない。
エリンに対しては全幅の信頼を置いているらしく、騎乗帯をつけられたり、上に乗られたりしても動じる様子は見せない。
音無し笛と矢傷の記憶が頭の中でリンクしているためか音無し笛が大嫌いで、音無し笛を吹こうとした王獣使いに激高し、その王獣使いに大けがを負わせたこともあった。
また、その時にエリンに音無し笛を吹かれ、それが原因でしばらくの間人間不信に陥ったこともある。
野生の王獣との相違点として、人間の言葉を理解している節がある。
アニメ/原作ともにエリンの言葉を理解する描写がある他、原作では鳴き声を使って自分の「言葉」をエリンに伝え、それにエリンが戦慄する場面がある。
頭もいいのか人によって対応を変えるようで、エサルに対しては竪琴の言葉のみ応答に応じ、それ以外は何を言われても反応しないなどの違いを見せる。
アニメの最終話ではセィミヤの声を聞き取り、エリン救出に向かった。
作中での活躍
献上された幼獣
初登場は第3章「幼獣の献上」。
ハルミヤの60歳の誕生日にダミヤが献上。他の大人の王獣たちとともにハルミヤの御前に引き出される。初めて人前に出されたからか落ち着きがなく、不安が他の王獣にも伝染していた。
献上祝いの宴の最中にハルミヤを狙う刺客(アニメではキリク)が放った矢が肩をかすめ負傷。
ケガや病気を負った王獣が飼育されるカザルムに移送された。
治療と絆
治療のためカザルム王獣保護場に移されるが、1か月もの間水以外の一切の餌を受け付けず、光に怯えたり身食いをしたりするほど衰弱していた。
カザルム側も特磁水の配合を変えるなどの対策はしたが、それすら口にせず、もはやいつ死ぬかレベルまで衰弱していた。
その後、エサルの計らいにより、飼育担当者がトムラからエリンに変わる。
そして、エリンはリランを観察する中で、下からの光は怖がらないことを発見。王獣舎の壁をはがすことで光を取り入れ、野生の王獣を観察した経験から、箒の柄や竪琴を用いて野生で母親が子に餌を与える際の動きと鳴き声を再現する。
それによりリランは餌を口にするようになり、しばらくのうちに回復。
この治療により、エリンとは疑似的な親子とも呼べる絆が生まれ、これが後の物語に大きな影響を及ぼすことになる。
飛行する王獣
以後エリンとは親子のような絆で結ばれていく。
また、王獣規範を知らないエリンが音無し笛と特滋水を使わず野生に近い状態で育てたため、野生の王獣同様飛行および繁殖ができるようになった。
特に、特磁水には王獣や闘蛇の繁殖を制限する成分が含まれていると思われ、これが飛行/繁殖が可能になった一番の要因であると思われる。
後に、ケガのため収容された野生の雄、エクとつがいになってアルを出産。
これ以来、国を揺るがすような大事件に巻き込まれていくことになる・・・・