・あらすじ
『久々知(くくち)先輩は豆腐(とうふ)が大好き。だが、豆腐のウンチクを語ったり、豆腐料理を作りすぎたりするせいで、同じ部屋の尾浜(おはま)先輩は、すっかり困っていた。そんなある日、ついに豆腐にうんざりした尾浜先輩は……。』(公式より拝借)
・概要
「一人になりたいの段」とは、アニメ「忍たま乱太郎」の26期55話として放送された。
注意)以下ネタバレを含みます
5年い組の尾浜勘右衛門(以下『勘右衛門』)は、同室の久々知兵助(以下『兵助』)に困っていた。
と言うのも兵助は大の豆腐好きで、毎日のように豆腐のうんちくを語ってきたり、品評会に付き合わせたりするのだ。
うんざりした勘右衛門は、『どれがいい?』と目の前に差し出された三丁の豆腐と満面の笑みの兵助を見て、ついに部屋から逃げ出してしまう。
そうして隠れた場所には、乱太郎・きり丸・しんべヱが居た。
思わず三人に抱きつき、兵助にバレない様に口止めをする勘右衛門。
「何があったのか」と聞かれ同室の兵助の豆腐好きに困らされている、と愚痴を漏らした。
三人と勘右衛門がどこかへ行った後、後ろの木からは顔を伏せた兵助が出てきた。
どうやら隠れ蓑の術を使って四人の会話を聞いていたらしい。
自分の豆腐語りがそんなに迷惑をかけていたのかと、兵助は一人反省した。
一方その頃、勘右衛門は自室へ戻ろうとしていた。
乱太郎たちに愚痴を言った後は少し冷静になり、さっき逃げ出してきたことを兵助に謝ろうとしたのだ。
部屋に戻れば兵助が座っていた。
話があると言われ、お互いに正座して向き合う。
公式通りの天然らしく、先程の話を聞いていたとストレートに打ち明ける兵助。
思わずたじろぐ勘右衛門に
『俺は…しばらく豆腐を忘れることにした!』
的な発言をぶちかましたのだ。
なんと、これ以上勘右衛門に苦しい思いはさせないと誓い自ら豆腐と距離を取ることを宣言。
自分のためにそんな、と心配する勘右衛門に『もう決めたことなんだ』と譲らない様子。
かくしてその時より、兵助は豆腐と距離を置いたのである………。
結論。
まぁ無理だったよね。
知ってた。
寝ても覚めても、豆腐のことばかり考えてしまう兵助。
まるで受験期に彼女を忘れる彼氏のごとく空を仰ぐ兵助のもとに、お馴染みの三人が来た。
『先輩のお豆腐、食べたいです!』
と笑顔でお願いしてくるしんべヱを涙ながらに振り切り、やってきたのは空き教室。
ここで座禅でもして豆腐のことを忘れようと、床に胡座をかいて目を瞑った。
しかし、目を瞑った暗闇から次々と豆腐が生えて(?)くる。
これでは駄目だと立ち上がって叫んでいる所に、神妙な顔をした勘右衛門が入ってきた。
『兵助、もう豆腐を我慢しなくてもいいんだ』
どう言うことかと質問する兵助。
勘右衛門は、自分の為に豆腐を忘れようと苦しみもがく兵助に心を痛めていた。
そこで一人…正しくは虫と同居している八左ヱ門に、少しの間部屋に泊まって良いかと頼んだのだ。
八左衛門は快く了承し、そのことを聞いた兵助と勘右衛門は喜びあった。
そうして同刻、八左ヱ門の部屋にて。
笑顔で出迎えてくれた八左ヱ門に安心する勘右衛門。
ちなみに部屋中に虫カゴがあり、その中心に二人は座っていた。
いっぱい虫がいるな、と感心…する勘右衛門に、八左ヱ門がピクリと反応する。
『そうなんだ!』と賛同し、三枚の皿に乗った芋虫を出してきた。
揚羽蝶の幼虫のような見た目をした三匹の虫について、気性などを詳しく解説していく八左ヱ門。
その勢いに勘右衛門が少し引いていると、興奮した八左ヱ門がキラキラした目で迫った。
『勘右衛門はどれが好き?』
とデジャヴを感じさせる台詞に、「お、俺…お腹が空いたから食堂に行ってくる」と逃げようとする勘右衛門。
しかし八左ヱ門は追求の手を緩めなかった。
その必要は無い。と肩を掴み、180度回転させて顔を近づける。
ちなみに人差し指には幼虫が乗ったままだった。
虫にも食べられるものがいっぱいあるんだ、と得意気に話す八左ヱ門と、危険を察知する勘右衛門。
イナゴの何とか、スズメバチの何とかなどと危険極まりないワードを述べていく。
そして、部屋中の虫に囲まれながら
『ムシ 好き?』
とハイライトの無い眼で見つめてくる八左ヱ門に、勘右衛門の恐怖は頂点に達した。
『もう無理〜〜〜!!』
と逃げる勘右衛門。
背景の八左ヱ門の満面の笑みが、とても印象に残る日であった。