本来の意味
「万策尽きた」とは、「できるかぎりのあらゆる手段・方法を試してみたが効果はなく、もうこれ以上は手段・方法が思い付かずどうしようもない」ことを指した言葉である。
※「万策」とは「できるかぎりのあらゆる手段・方法」のこと(参考:goo辞書)。「尽きる」とは「次第に減って、とうとうなくなる」ことを指す(参考:goo辞書)。
以前から存在する言葉で、例えば松下電器(現:Panasonic)の創業者として有名な松下幸之助は「万策尽きたと思うな。自ら断崖絶壁の淵に立て。その時はじめて新たなる風は必ず吹く。」という格言を残している。
『SHIROBAKO』の台詞、およびネットスラングとして
アニメーション制作現場を描いたテレビアニメ『SHIROBAKO』では、制作デスクの本田豊の口癖として有名である(本田以外が言うこともある)。
アニメの制作スケジュールが追いつかず、期日までに成果物の納品が間に合わない、所謂「落とす」状況になりそうなとき(または落としてしまったとき)に頻出する。
「アニメ流行語大賞2014」の13位にランクインした。
『SHIROBAKO』の誕生以後、アニメの制作が間に合わずに落としてしまった(と思われる)状況(予定外の総集編や出演声優の顔出し番組が放送されるなど)があったとき、それを揶揄して「万策尽きた」と表現されるようになった。
さらに2020年に入ると、新型コロナウイルスによる感染症と世界的な感染のブーム(流行)の影響により、リアルで業界全体が「万策尽きた」状態に陥ってしまい、声優やアニメーター(原画)その他制作スタッフに対する感染防止のため、2020年4月~7月以降に放送を予定していた、新作アニメの大半で制作・放送・配信の延期(休止)を余儀なくされる事態になってしまった。
使用上の注意
現在はテレビアニメで総集編や特番が放送される度に「万策尽きた」と言われることが多いが、必ずしも「総集編や特番を放送する」=「アニメを落とした」とは限らない。
例えば制作スケジュールに余裕を持たせる(万が一の時に「万策尽き」させないようにする)ため、あるいは話題作りや途中からでもアニメの新規視聴者を獲得するために、最初から総集編や特番を放送することが決まっている作品も少なくないので、総集編や特番が放送されたからといって安易に「落ちた」と判断するのは危険である。
また、「嘲笑・罵倒」的な意味合いで「万策尽きた」と言う人も残念ながら一定数おり、それ故に該当アニメのファンからは「万策尽きた」という言葉そのものを不快に思う者も少なくないので、使用する際には気を付けること。
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