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不幸な子供

ふこうなこども

エドワード・ゴーリーの大人向け絵本。裕福だった少女が父の死をきっかけに不幸のどん底に転落していく話。不幸のままで物語が終わっており、救いはない。
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概要編集

『不幸な子供』(Hapless Child)は、絵本作家のエドワード・ゴーリーによるアメリカの大人向け絵本

1961年刊行。日本では柴田元幸の訳により2001年に発行された。


裕福でやさしい両親のもとで暮らしていた女の子が、父親が仕事先の海外で死んだことをきっかけに不幸のどん底に転落していく話。不幸のままで物語が終わっており、救いはない。


『小公女』の逆バージョンとも言える作品ではあるが、ゴーリー本人はフランス映画『パリの子供』から影響を受けた作品と語っている。


物語(ネタバレ注意)編集

主人公の少女シャーロット・ソフィアは、裕福で優しい両親のもとで暮していた。

しかし、ある日、軍人の父親にアフリカ行きの命令がきた。

それが、シャーロットの不幸のはじまりだった。


数か月後、父の戦死の報せが届く。母は落胆し、たちまちやつれて死んでしまう。

ただ1人頼みの叔父は、こともあろうにレンガの落下で脳天を割られ、あっという間に孤児になる。

シャーロットは寄宿学校へ入れられるが、

先生たちからしてもいないことで罰せられ、他の生徒たちに大切な人形を八つ裂きにされる。

昼はできるだけ人から隠れて過し、夜は眠らずにしくしく泣く生活。

耐え切れなくなってついに学校から逃亡する。

町角で倒れたところ、ある男に両親の写真が入ったロケットを奪われ、

また別の男に誘拐され、アル中のならず者の男に売り飛ばされてしまう。

そこで粗末な食事と暗い部屋での生活を強いられ、造花作りの内職をさせられる。

シャーロットは、この劣悪な環境によって次第に視力が衰えてゆく。


ところが、死んだと思われていた父が生還し、帰国後必死に車で娘を探し回る。

シャーロットはならず者の男の隙をついて脱走するが、すでにほとんど盲目となっていたため、偶然通りかかった父親の車に轢かれて死ぬ

瀕死のシャーロットに父が駆け寄るが、あまりに変わり果てた姿に、自分の娘とは気づかない。


ボロボロのシャーロットを父が抱き上げる場面で、物語は幕を閉じる。

関連タグ編集

エドワード・ゴーリー 絵本 バッドエンド

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