この記事には前作、東脳のネタバレが存在します。
閲覧は自己責任でお願いします。
日、月、星。三鏡玉星ヲ奪取セヨ。
ゲーム概要
中天(ちゅうてん)とは、O.S.D. (Outside Directors Company)のデジタルエンタテイメント作品として、1995年10月21日にソニー・ミュージックエンタテインメントから発売された、オリエンタル・SF・アドベンチャーゲームである。定価は7,800円(税別)
Macintosh対応版とWindows対応版CD- ROMが発売されているが、前作の東脳よりも入手が難しいとされている。
前作とは違い英語版は発売されていない。
主人公「リン」は、地下世界から宇宙までさまざまな冒険をする。
中天を救うため、三つの宮の宝とナンシュの顔パーツを手に入れ、闇と戦うのが目的。
ストーリー
「私は中天の番人ナンシュ。
中天は、天上に日と月と星があつまった光の三角世界。
外天には、漆黒空間チュイヘイの支配する闇が存在する。
迫ってくる闇を見張るのが私の役目だ。
しかし、中天で私は漆黒空間に襲われた。
私の目は 私の鼻は 私の耳は 私の口は
ばらばらになって飛び散っていった。」
闇に追われたナンシュの左目と耳は、地上から発する強い光に導かれて、地上へ逃れてきた。
その光は、東脳の冒険から戻ってきたリンの魂が発する光だった。
闇と戦うためにも、中天にはリンの力が必要だった。
ナンシュは、一緒に中天へ来てくれるようリンに頼んだ。
私の耳はあなたに知識を与える中天盤となり、私の左目はあなたを中天へ運ぶ船となります、とナンシュは言った。
リンとナンシュは、天上に輝く光の三角「中天」へ向かった。
世界観
中天とは
中天は、天上に日と月と星があつまった三角世界。中央にはマガタマ惑星が存在する。
前作で封印から解放された中心の王トウギョウが清浄な勾玉を放り投げてから祈ると、東の地平から日が、西の地平から月が、中心の山トンノウから星が生み出されて地上へと駆け上っていった。
日と月と星とは、勾玉を中心にして天上で三角を描きながら回転し、光り輝く宇宙「中天」をつくりだした。
中天図
天の川
地上と中天を繋ぐ場所。追放された星くず族や闇クジラ、闇アメーバなどがいる。地上の世界への扉は塞がれている。
マガタマ惑星
流れを読み取る不思議な能力を持つスーガメ族が祭られている惑星。
日の宮
太陽タイヤンが治める宮。果てない惑星群が規則的に並ぶ世界。日の宮だけは正確な地図がわからない。
月の宮
月のユイインが治める宮。以前からあった石の惑星を侵略して作られた、五重塔や地下宮殿など、さまざまな建築が立っている。
星の宮
星のスインシンが治める宮。光量が少なくひ弱な宮だが、光個数はいちばん多い。スインシンの作った球体を中心に囲うように28の光が集まり、円形に球体を連ねて作られた。
外天
中天の外にある闇に満ちた外宇宙。漆黒空間チュイヘイが支配している。
キャラクター
主人公
- リン
今作では転生システムは無く、リンのままでゲームが進行する。
中天生物
- ナンシュ
リンに助けを求めた中天の番人。星の宮に住んでいたが、スインシンの命令で外天へ向かった。
しかし、チュイヘイに攻撃さればらばらにされてしまった。
天の川
- テンホウ
星の宮の光。天の川を管理するために派遣された。
- タコチュウ
元は月の光だったが、光量不足で月の宮のマークを剥奪され追い出された。月の宮にある泉から天の川へ水雷を運んでいる。
- 星くず族
星の宮の光。極めて光量が少ない種族。
日の宮の光量規定に満たないため一族全てが中天追放処分を受けている。星の宮に匿われている個体もいる。
- こま龍アーとウン
東脳から中天へ、金のこま龍として転生したが、また門番をやっている。
マガタマ惑星
- スーガメ族
マガタマ惑星を守っている四つ頭のカメたち。
6層からなる異層空間に一匹ずつ存在している。
日の宮
- タイヤン
光量至上主義を掲げる四つの太陽。
光量の多い日の光はすべて吞み込み、光量不足の光は追い出した。チュイヘイによっておかしくなっている。
- カエヤン
日の宮一賢い光。星の宮に追い払われてしまった。日の宮で役に立つカエル羽をくれる。
- コウヤン
訛りの激しい光。
タイヤンに日の宮を追い出されたので、星の宮を占領して自分たちのものにしようとしている。
月の宮
- ユイイン
地下宮殿から出てくることは滅多にない。星の宮を占領するため偽の和平を持ちかけ、王女セインを星の宮に嫁がせた。外天の闇を月の宮の味方にしようとしているが…。
神官
ユイインに仕えている七人の神官。皆ユイインに忠実で、見た目もそっくりである。
- サンイー
月の宮の宝の黄の七つ玉を護っている。
- サンアル
月の宮の宝の青の七つ玉を護っている。
- サンサン
月の宮の宝の赤の七つ玉を護っている。
- サンスー
ほかの玉をまとめる働きをする黒の七つ玉を護っている。
- サンウー
月の宮の宝の緑の七つ玉を護っている。
- サンリャン
月の宮の宝の茶の七つ玉を護っている。
- サンチー
月の宮の宝の紫の七つ玉を護っている。
- 女官サンニュイ
セインに仕えていた女官。神官サンリャンと仲がいいらしい。
- 七つ貝一族
七つ玉を命がけで守るためにだけ生まれてきた。玉を取られると死んでしまう。
- ツキウサイン
瞑想する巨人族を尊敬している。教えを広めるために巨人族の声がよく聞こえるウサ耳をくれる。
- ショウイン
占拠のために星の宮に派遣されている光の一人。
- チンイン
星の宮に派遣されている光。体に寄生した子目玉を分散させて星の光を襲っている。
- チュウイン
星の宮に派遣されている光。星の宮の一室に異空間穴を掘りぬいて侵入した。天の川のタコチュウは親戚。
- ザコイン
五重塔にいる長老光。セインから信頼されている。
- サンゴジン
サンゴの宮のサンゴ地下に潜んでいる月の光。落ちたリンを受け止める。
- 泉の門番
月の宮の泉の門番。
- シリャオとシオンツ
サンゴジンによってつくられた。シリャオは頑固な成分の割に愛想が良く親切。シオンツは縛られるのが嫌いでいつも不機嫌。
瞑想する巨人族
- オオメダマ
かつて星の宮の惑星に住んでいた瞑想する巨人族の生き残り。眼球を両手で支えているような姿をしている。月の宮の門に生きたまま使われている。
- ハシラ
月の宮の地下宮殿の生体家具にされた巨人族の生き残りで、ハシラと呼ばれている。
- スフィク
瞑想する巨人族の中でいちばん優れた頭脳を持っているため、生体宮殿に埋め込まれた。暗号の組み合わせで異なる空間や光を呼び寄せることができる。
星の宮
- スインシン
光量至上主義に反対している博愛主義の光。ナンシュに外天に向かうよう命令した。セインが居なくなってからというもの弱っている。
狩りや読書、祈りを捧げることとシンの歌声、マイチウの料理が好き。
- セイン
月の宮の王女。行方不明になっている。
実はコウヤンの策略で、そこにいるのに誰からも認識されなくなっている。
- ナンシュの体
ナンシュが星の宮にいた時に使っていた体。ナンシュの帰りをずっと待っている。
- シツ
星のあかり火の番だったが、自ら燃えてしまっている。
- シン
さすらい鳥。どこの宮の光にもなりすます。スインシンに歌を気に入られているが、歌うたびに宮の光量を奪っている。
- チョウ
常に張り詰めてトゲトゲしている光。触ると張り飛ばされる。
- ツータン
お供えをするための祭壇として機能している。
お饅頭をあげると、狂喜乱舞茫然自失状態に陥る。
- コピヤ
合鍵屋。複製鍵の作りすぎで閉じ込められてしまったが、1つだけなら鍵を作ってくれる。目を離すとまた閉じ込められてしまうので注意。
- クイ
鬼のような光。星の光以外の光を追い払うようスインシンに命令されている。
- テイ
星の宮の今の状況に怯えて隠れている。口調がスインシンと似ている。
- トリカラ
星の宮の光。おいしいヤキトリになる。笑い声が特徴的。
- ヘキ
書庫の役目をしている。体の中には古文書を保管している。
- マイチウ
東脳のまぼろしの市場を畳んで料理人になった元商人。得意料理はヤキトリ。
東脳生物
4組の双子
東脳から中天を守る使命を受け、派遣された4組の双子。
- ダデヅとザゼズ
他の双子よりも方向感覚が悪く、どこにいるのかわからない。
- バベブとパペプ
日の宮に潜入している。宮を闇から守る為の守護光になることが彼らの使命。1番いい加減な性格。
- ヂドとジゾ
月の宮に潜入している。この二人は特に使命感に燃えて働いている。
- ビボとピポ
星の宮に潜入している。とっても几帳面で、すげえていねいにつくった地図を渡してくれる。
- ヨエモン
他の宮に行こうとする時に現れる。博打に負けると持ち物を全部奪われてしまう。
外天
- 闇アメーバ
光を見つけると攻撃してくるアメーバ。吸い付きながら光量を奪う。
- 闇クジラ
漆黒空間チュイヘイの手先。天の川へ流される星くず族や光をつかまえて光量を奪い闇に変えている。
- 闇戦士ヤミヒョ
ヒョウタンの中のコマから生まれた戦士。普段はヤミヒョウタンの中にいる。ぐるぐるパンチが特徴的。
- 最強の闇戦士ヤミン
自らを最強の闇戦士と名乗る漆黒空間チュイヘイの手先。戦士としか戦わない。たぶんヤミヒョを見下している。
- 暗黒の太陽チイトウ
外天への出口、赤道門に迫ってきている闇。
昔は日の宮の光だったが、光量不足で外天に追放されて闇になった。
- 暗黒の月ルウホウ
外天への出口、黄道門に迫ってきている闇。
元は月の宮の光だった。ユイインから中天の番人にしてやると言われ、外天へ放り出されたのだがそのことを忘れられてしまい中天に帰れなくなったところをチュイヘイに闇にされた。5つの分身にもなれる。
パソコンのスペックの問題で強敵になってしまうことも。
- 漆黒空間チュイヘイ
中天に混乱を招いている巨大な闇。物質を闇化する能力がある。
元は中天にあったコアンの中にいた双子の一人だったが、後に外天へ向かい巨大な漆黒空間となった。
用語
- 光
中天に住んでいる生物。
日の光、月の光、星の光の3種類で、右にいくにつれて光量が弱くなる。
- 闇
主に外天に住んでいる生物。光からは嫌われている。
- 闇化
光量を奪われた光が闇に変わること。
- コアン
闇と光の2つの核からなる卵のようなもの。
コアンに光を放てば光になり、闇を放てば闇になる。中天生物たちは死ぬとコアンに戻る。
- 光量
中天生物たちが自ら発する光の量。
- 光量至上主義
日の宮が掲げた規定の光量に満たない光は中天の力を劣化させるので追放すべきという考え。
- 光量交換儀式
仲の良い光同士が行う親愛の儀式。神官サンチーと女官サンニュイがよくおこなっている。
- 三つの宝
勾玉が日、月、星の三人に与えた三つの宝。
七つ鏡チンパオは日に
七つ玉ユイパオは月に
七つ星シンパオは星に与えられた。
関連タグ
東脳…前作。地上の世界。
海市…海底に眠る世界。次回作になる予定だった。