売国機関
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ばいこくきかん
原作:カルロ・ゼン。漫画:品佳直による漫画作品。
新潮社『くらげバンチ』で連載中
欧歴一九〇八年。終戦より一年。
共和国は今なお生々しい死者の記憶に囚われている。
払った犠牲の無益さゆえに、流した血の大きさゆえに、誰もが問わざるをえないのだ。
今が戦後か、束の間の停戦にすぎなぬのか、と。
チュファルテク合同共和国
東の王国と西の連邦の間に位置する小国。
緩衝国家として独立を保ってきたが、西方の進歩と自由への憧れからあまりにも西側に接近しすぎたため、王国の怒りを買って戦争へと発展した。
さらに主戦場でありながら、連邦と王国が共和国の頭越しに戦争終結を決定したため、共和国にとっては大国の都合で戦争をやらせれ平和を強制されたという認識が蔓延している。
そのため排外主義が国内にはびこり、無謀であっても戦争再開を叫ぶ国民が多い。
ヨランダ・ロフスキ少佐
共和国軍人であり、本作の主人公。軍務省法務局公衆衛生課独立大隊『オペラ座』の法務課長。
『オペラ座』は先の戦争で地獄を潜り抜けた軍人たち、いわゆる塹壕貴族たちで構成され、政府の方針である対外協調主義に反対してテロを起こす排外主義者の排除を担当している。そのため、排外主義者からは「売国機関」と罵られている。
排外主義者を「知能のない豚」と見下すいっぽうで、連邦に対しても好ましくない感情を抱いてる。
軍人として思いやりに溢れた人物であり、戦友を侮辱する者には怒りを隠さない。
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