概要
漫画「ゴールデンカムイ」のキャラクター、宇佐美時重×尾形百之助のBLカップリングの作品につけられる。
お互いへの呼称は、宇佐美→「百之助」「尾形百之助」、尾形→「宇佐美」「宇佐美時重」。 二人が共に上等兵という階級であることから、しばしば両者を指し「上等兵ズ」とも呼称する。
使用の際は、金カム腐や腐向けタグなど併用することが推奨される。
原作での主な該当シーン
25巻第243話「上等兵たち」
宇佐美初登場時(12巻)より、尾形と同じ上等兵階級であることから両者の関係性が推測されていたが、原作において初めて互いの明確な接触・会話が見られるのは今話となる。
以下、菊田特務曹長の “第七師団じゃ(宇佐美も)尾形上等兵もおかしな野郎で 『うちの上等兵はどうなってんだ』と思っていたが” という言葉に対する一連の宇佐美の返答から、尾形への印象が表れている部分を抜粋。
「あんなやつと一緒にしないでくださいよ あの甘えん坊のハナタレ小僧‼︎」
「はああ⁉︎あんなの鉄砲だけでしょ?僕のほうが鶴見中尉殿の一番ですよ!」
「尾形のやつうわ言で殺した弟の名前を…ヤワな野郎ですよ‼︎」
「だからあいつ勇作殿が清いまま死んでったからモヤモヤしてるんです 可愛いでしょ?アハハッ」
「わきまえろよ‼︎僕たちは鶴見中尉殿の『駒』なんだぞ」
以上のように、作中において「孤高の狙撃手」であり謎めいたキャラクターである尾形に対し、宇佐美は「百之助」と下の名前で呼ぶだけでなく、「甘えん坊のハナタレ小僧」「ヤワな野郎」「可愛い」などと、他者とは一線を画した評価を下している。
また、尾形の弟殺し、父殺しの秘密を知る数少ない人間であり、弟(勇作)に関しては殺害を教唆する言動、父に関しては鶴見中尉とともに殺害幇助を担っているように、尾形にとって宇佐美は、自身のターニングポイントに関わるかなり近しい人間と言えるだろう。
同256話の尾形の台詞でも、「やっぱそうだよな?」「…… いや 最後にいろいろ話したかったから」と、他者に比べ砕けた口調をしているのが散見される。自身のアイデンティティや勇作の殺害如何といった重要な事柄について、宇佐美に意見を求めて決定していることからも、尾形にとって宇佐美は(ある程度…)信頼のおける“戦友”であり、仲間意識を抱いていたことが窺える。
このように、両者は近しい関係にはあるが、宇佐美は尾形を「僕たちは鶴見中尉殿の『駒』」「ヤワな野郎」と、ライバルのように見なした上で、自身の方が優秀だと尾形を明確に蔑んでいる。これに対し尾形も、「その陳腐な妄想に付き合うとすれば 宇佐美は『駒』でも農民出身の『一番安いコマ』だな」と、痛烈な批判をかます。
なお、この台詞を受け宇佐美は銃剣を尾形に向け、尾形はオマルで殴り返しそのまま造反・逃亡→6巻茨戸に繋がる流れとなり、これ以降、両者は明確な敵対関係となる。
26巻第254-256話
※以下、人物の生死に関わる重要なネタバレあり※
ビール工場での再会から、両者は即座に殺し合いに移行する。
再会して宇佐美が尾形に放った一言目が、「百之助〜 誰が『安いコマ』だ?えぇ?」であることから、234話で言われたことを宇佐美が大きく引きずっていることが分かる(なお、作中では234話から254話までの間に約一年の月日が流れている)。
尾形の弾を奪い即座に殺せる圧倒的優位な状況にありながらも、わざわざ弾を差し出し勝負を持ちかけたこと、「誰が『一番安いコマ』だ バカ野郎が」「商売女の子供の分際で‼︎」などの発言から、尾形を憎み完全に打ち負かそうとする宇佐美の気持ちが感じられる。
数々の奇行から飄々と人間離れした印象のある宇佐美だが、ここでは実に人間らしいプロセスで怒りの感情を発露しており、それだけ尾形との関係が成熟したものであると窺うことが出来る。
もっとも、結果としてそうした気持ちが、彼にとってまさしく命取りであったと言えよう。
「安いコマかどうかそんなに不安なら」
「お前の葬式で鶴見中尉がどんな顔をするのか見たらいい」
「ありがとよ 宇佐美」
「お前の死が狙撃手の俺を完成させた」
ファンブックの情報補完
年齢:宇佐美>尾形
身長:宇佐美<尾形
体重:宇佐美≒尾形
※23巻より、宇佐美は明治28年(1895年)に14歳であったことから、1巻開始時の1907年に26歳。尾形の年齢は諸説あるが25歳と推測されている。