山野光波
やまのみつは
CV:長江里加
主人公。18歳。
半年前に事故で両親と兄が亡くなり(どのような事故なのかは語られてない)天涯孤独の身となり、さらに遺産を狙う輩との攻防で精神的に参っていたため、大学受験にも失敗してしまう。
自分の将来を憂いながら気晴らしに観光地の岬に来て、そこでチンピラ達に絡まれて抵抗した際、誤って崖から落とされてしまうが、死にたくないという思念エネルギーによって謎の存在(CV:堀内賢雄)の精神エネルギーの一部を毟り取ったことで世界を渡る能力(世界間転移能力)を手に入れる。
光波はその転移能力を上手く使えば進学も就活の心配は無くなり、莫大な財産を築くことが出来ることに気付き、老後などに備えて金貨8万枚(日本円でおよそ20億円相当)ほど稼ぐことを目論む。
黒髪の美少女だが、小柄で童顔の為、よく10~12歳と勘違いされる。スレンダーな体型もあって自身もそのことを結構気にしている。
基本的には前向きな性格でコミュニケーション能力も高く、大学受験に失敗(というのも上記の所為でとても大学受験に集中出来るコンディションではなく、本来なら合格が狙える希望校だった)したものの賢くて頭の回転も速く、コネ作りや商売の戦略など物事を上手く運ばせている。
一方で、どこか詰めが甘いところがあり、根本的なミスを指摘されるまで気付かなかったり、思っていることを無意識に口に出して他者にツッコまれるなど失態も多い。また、羞恥心が少し低く、(異世界に水着の概念が無かったとはいえ)ビキニ姿で人前に出て痴女扱いされたり、太ももに隠していたナイフを見せる時に男の目の前でスカートをめくったりしていた。
ちなみに、異世界で開いた雑貨屋の商品は地球の物が多いが、地球での価値を異世界人が知らないことをいいことに結構なぼったくり価格で売っているなど、割とあくどいこともしている。
当初は家族を失ったことで孤独感を抱え込んでおり、それを表に出さなかったが引きずっている面があった。ゆえに誰かを失うことを嫌い、それを奪おうとする輩には容赦無く、怒らせると怖い(兄の受け売りかは不明だが、実際に成人前の少女とは思えない言動を言っている)。また、汚職などにも厳格で、横領を働いた者や賄賂を要求する商人などにも厳しい。
兄が所謂オタクで、異世界やミリタリーなどの知識がかなり豊富だったため、彼から一通りのことを教わっている。後に訓練を受けたことで銃火器を扱うことが出来る。また、絡んできたチンピラに金的したり、襲撃してきた野盗にも臆することなく立ち向かうなど、胆が据わっている。
転移能力「渡り」
謎の存在からもらった世界間転移能力は、文字通りに地球と異世界を行き来できる転移能力であり、実は転移できる対象と限度は詳しく明記されておらず、どんなに大人数でもどんな小さな物でも大きな物でも転移が可能である。
作中では、自分自身はもちろん、異世界人や地球人を連れて転移したり、戦闘車両部隊を部隊ごと転移して帝国軍を迎撃したり、敵対勢力の装備や大型帆船までも転移能力で消したり、がん細胞も摘出できるなど、使い方次第で無敵の能力である。作中には描かれてないだけで、物語外部で密かに実験とかしてたかもしれない。
ちなみに、この転移能力のことを他の皆には自分の生命力を浪費して使っていると誤魔化して説明している(上記の「渡り」と言う命名も、その時に付けたもの)。
治癒能力
謎の存在と対面した時に手に入れた能力(アニメ版では転移能力と同時に手に入れてる)。怪我などの傷を時間による回復が確実且つ早くなる。部位破損や跡が残りそうな傷も(謎の存在曰く「1~3ヶ月」で)元通りに治る。
崖から落ちた後、転移能力で異世界のゼグレイウス王国という国の森の中に転移してしまい、しばらく彷徨って倒れた時に近くに住む村の少女・コレットに助けられる。言葉が通じずジェスチャーで何とか意味を伝えながら世話になるが、森の中でコレットとともに狼の群れに襲われしまう。その時に再び転移能力で地球に戻れ、兄が集めていたサバゲー装備を持って再び異世界に転移して死闘の末に狼の群れを倒す。そして、気力が尽きて気を失った時に謎の存在と対面し、転移能力を得た理由などを知り、さらに言語を理解出来る能力をもらって別れると目を覚ます。
光波は転移能力を上手く使えば老後の資金を貯えると考えてさっそく行動を開始し、異世界での自衛手段を得るために外国の傭兵団『ウルフファング』の基地に訪れて銃火器の購入と射撃訓練を行う。その後はドレスや装飾品を買い、異世界で異国の貴族(王族)の娘として振舞い、コレットの村の地を統治しているボーゼス伯爵家に訪れて気に入られて援助を請い、王都で雑貨屋兼相談所を開く。
そこで、依頼されたライナー子爵家令嬢・アデレートのデビュタントボールの手伝いで、現代の技術を駆使した演出や、現代の料理と菓子(のちに「ヤマノ料理」として世に広まる)を振舞って成功したことで貴族達と繋がりを持ち、さらに人攫いに遭いそうになった第三王女・サビーネを助けたことで王族とも関りを持つ。ちなみに、サビーネを助けた際、思わず『雷の姫巫女』と自称したことで、以降はその異名が定着する。
そして、王国に侵略して来た帝国軍と古龍を共に転移した『ウルフファング』とともに撃退して王国を救ったことで「ミツハ・フォン・ヤマノ」として子爵を叙爵し、領地を与えられる。領地に着くと、汚職に染める使用人や商人達を追い出して有能な人材を募集し、地球の専門家や技術を活用して領地の活性化を目指す。
一方で、『ウルフファング』が持ち帰った古龍の素材がもとで地球の各国から目を付けられてしまい、こちらでも高官や官僚達を相手にビジネスを始めることとなる。
オタクな兄の影響か、(特にアニメやコミカライズでは)パロディシーンが多い。
光波を突き落としたチンピラ達は、現場に居合わせた目撃者達によって警察に逮捕された。その後、死体無き(本人は結果論とはいえ、異世界に転移されたので当然ながら発見されず、小中学生に見えた為行方不明者の対象にならなかった為)殺人の容疑で起訴された(アニメでは描写がかなり少ないが、ガラの悪い人相だった為、今後同様の事を繰り返す可能性があった為、同様の余地無しの当然の末路である)。光波は(異世界に飛ばされた後に色々あったとはいえ)自宅に帰還後にチンピラに絡まれた事を忘れてた上、テレビやネットのニュースを見る時間が取れなかった為、この事件を知ることも男達を思い出すことも無かった。
ど天然の同性たらしでコレットとサビーネに惚れられている。なお、ミツハは二人の事を大切な存在と思っており、二人に自分の秘密を明かしたうえで御心用の銃を渡している。なお二人ともミツハよりも射撃の腕前が上手く『ウルフファング』の隊長もその物覚えの良さと射撃の精密さに困惑してしまっている。
もし万が一に2人が地球にいる状態で、死亡等の何らかの理由で光波が戻ってこない時の保険の為に、貯めた貯蓄や書類と『ウルフファング』宛の手紙と連絡先等が埋めてあるところを掘り出すように命じている。これは上記の通りに元の世界に戻れなくなった時の為に、2人の財産として不自由なく暮らすようにする為の対策である。治癒能力があるので可能性は低いが、恐らく即死等で回復ができなくなる可能性があるので「0」とは言いきれない。