CV:竹中直人
概要
『天獄園』という遊園地のオーナーの男。神出鬼没に現れては様々な企みを目論んでいるが、真の目的は不明。
番外編の『あやし、おそろし、天獄園』では主人公を務める。普段は『天獄園』の経営の傍らで多くの人物におためしチケットを手渡し、『天獄園』に招いているが…
容姿
赤い髪と顎髭が特徴の長身細身の男性。漆黒のシルクハットと紳士服、その上からマントを着用している。なお前述のシルクハットは、中を覗いた者を天獄園に導く事が出来る力を持つ。
人物
常に笑みを浮かべながらも、真意の読めない言動と不気味さを漂わせている男性。一人称は「あたし」で、語尾に「~やんす」と付ける奇妙な口調で話す。「ひひひっ」と笑う癖がある。
紅子とはよどみに助力する形で対立している関係にあるが、基本的に怪童自身に紅子と敵対する意思は無く、恨みも抱いていない。そもそもよどみに手を貸す理由は、よどみの持っていた『悪鬼の型ぬき七種』を使用した菓子を天獄園で販売するというのが理由であり、実際に型抜きが手に入った後によどみが氷漬けになって紅子に捕縛されても助けに行こうとする素振りすら見せず、飽くまでも本人は『天獄園』の運営・継続・繁栄を目的としている。更に抜け目も無く、紅子との縁を切られて二度と彼女と銭天堂に関われなくなったよどみや紅子に敗北した六条教授を言葉巧みに『天獄園』に勧誘し、運営スタッフとして引き込む事で、『天獄園』の繁栄という自分の利益に繋げる事に成功している。
終始礼儀正しいが、第7巻における紅子との勝負では一度銭天堂の商品を選んだ客に接触し、たたりめ堂の菓子を選ぶよう唆した上で銭天堂へ再び誘導したり、銭天堂の商品を選ぼうとしたら負の感情が膨れ上がるよう客に対してあらかじめ細工を施し、たたりめ堂の商品を買う様に仕向けたりしている。
番外編では言葉巧みに人間達を『天獄園』に招き、思い通りにならなかった場合は苛立ちを見せるなど、冷酷な本性が垣間見られる。ただし、不測の事態が起きても客に対して無責任なよどみや六条に比べると、紅子同様に一応オーナーとしての責任感も持っていない訳では無く、『天獄園』に招いていない者達が『天獄園』に関係する事に巻き込まれれば一応事態を解決しようとするが、その際にも謝罪代わりという名目で被害者達に『天獄園』のおためしチケットを渡そうとするなど、抜け目のない狡猾さと悪辣さの持ち主である事に変わりはない。
また自分からチケットを配ってはいるが、『天獄園』内で問題を起こさなかった場合は渋々ながらも客を現実世界に帰したりと、よどみの様に押し売りをする事もない。加えて正式な『天獄園』の客に対しては意外にも誠意を示す事もあり、『天獄園』を存分に楽しんで貰おうと考える一面もある。
ちなみに子供の客の大半から「おじさん」と呼ばれる事を密かに気にしているのか、1巻では「せめてオーナーさんとか呼んでもらいたい」と愚痴る場面が見られた。
天獄園
怪童が経営する年中無休の遊園地。夜の間だけ開園する。詳細は不明だが紅子が「とても恐ろしく危険」と称する通りに、園内の店やアトラクションの殆どが一度体験すれば確実に破滅してしまう代物ばかりであり、『天獄園』に誘われる客も、その殆どが人格に問題のある者が好んで選ばれている。
後によどみが従業員となり、よどみのお菓子店も園内に建設され、紅子に敗れて以降の六条教授も開発スタッフとして勤務する様になる。他にも様々な動物の着ぐるみを着用したスタッフが勤務しているが、そのスタッフ達の多くがかつて怪童によって『天獄園』に招かれ、様々な事情(殆どが自業自得)で『天獄園』に囚われた元客である。スタッフ達には一応休憩時間は与えられているものの、その時間は僅か。それでもスタッフ達が働けるのはよどみ特製の『夜更かし菓子』と『毒々ドリンク』のお陰なのだが、これらには強烈な中毒性がある模様。スタッフの殆どが自身の現状を恨み、新たに『天獄園』に来た客を道連れにしてやろうと考えている者も少なくない(なお怪童はこの事に関して「そういう心の持ち主だからこそ、永遠に『天獄園』から逃れられない」と2巻のプロローグで語っている)。
判明しているアトラクション及び店
- 結びの観覧車
一緒に乗った2人を一生結びつける観覧車。しかし、乗客の殆どが…
- 地獄コースター
スリル満点のジェットコースターで、ゴールには巨大なピエロが存在するが…
- 闇憑きポップコーン
食べた者の人格を問題化させる代物だが、元々人格に問題のある者が食べると…
- よどみのキャンディショップ
本編同様によどみが経営するキャンディショップ。よどみは魔女の服装を着用している。販売している商品は、たたりめ堂の頃に比べると洋菓子が多い。
- マダム・デビーの占いテント
客の運勢や恋路や未来を占ってくれるが、あまりにも色々知りすぎると…
- ミッシング・ゴー・ラウンド
一周回るごとに嫌いな奴を消せるメリーゴーランドだが、本当は…
- 夜風横丁劇場
人形達が活躍する劇場だが、本当に活躍するのは…
- ビューティー・イン・ミラーハウス
通常のミラーハウス同様に室内中が鏡張りとなっているが、そこには様々な『美』を纏う自身が映し出される。しかし、万が一鏡を割ってしまうと…
- ジ・エンド・ゴーカート
一見すると普通のゴーカートだが、乗るとあまりの楽しさにずっと乗っていたくなる上、他の子の乗るゴーカートに乗り換えてしまうと…
- スーベニア・ベア
天獄園の土産屋に販売されているテディベア。本来は天獄園の土産屋でしか販売されていないが、本編では何故かゴミ置き場に置かれていた。ちなみに土産屋では男女のペアで販売されており、その素材は…
- ナイトパレード
園内で行われているナイトパレード。参加するのは人間達に粗末に扱われた道具達(怪童曰く「付喪神のなりそこない」)だが、万が一元の持ち主が参加した事がバレると…
- 欲かむガム
『よどみのキャンディショップ『』で販売されているガム。このガムを噛みながら欲しいものを思い浮かべながら膨らますと、欲しいものが手に入れる事が出来るが、あまりにも使い過ぎると…
- ハッピー・ファミリー・ハウス
六条が開発した新アトラクションで、現在の家族に不満を持つ者が入ると理想の家族が手に入るが、本当は…
…といった怪しげかつ危険なアトラクションや商品ばかりなので、一度乗るなり購入するなりしてしまうとまず無事では済まない上、怪童が作中で「本物のチケットを買えるのは本物のお客様だけ」と語っている様に、本来の客はパークに招かれた者達ではなく別に存在する事が示唆されている。少なくともパークに招いた者達は客ではなく、『天獄園』の継続・演出・商品・従業員の補充として招かれており、本来の客は不気味な黒い人影をした者達や死者や粗末に扱われた道具達など、この世ならざる者や人ならざる者ばかりである。
前述にもある通り『天獄園』に関わった者達の殆どが最後は破滅を迎えているが、思わぬ助力により間一髪の所で助かった者達も僅かに存在する(中には銭天堂の商品の力で助かった客もいる)。